TSSP「知っておきたいエピソード」⑶ピーター・カズニックが語る＜北朝鮮が核兵器を放棄できない正当な理由＞(続々・世界核戦争勃発前夜？に明かされる秘められた北朝鮮現代史)〜US threats escalate North Korea tensions & risk nuclear war – professor Peter Kuznick/ RT, September 14, 2017（全訳）

The Sun Snorer Press @taiyonoibiki

⑰韓国の米軍基地、沖縄の米軍基地を攻撃することができます。キムがその切り札を持っている限り、アメリカと韓国の連合軍は北朝鮮を攻撃できない、とキムは考えている。

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⑱そういう観点から見ると、今、私たちが極めて危険な状況に直面していることがわかります。なぜなら、今、私たちには二人のリーダーがいるわけですが、その両方が、どちらも力を鼻にかけたがる、向こう見ずの、いじめっ子タイプの人間だからです。

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⑲今、私たちは一方はアメリカ合衆国にドナルド・トランプ、他方は北朝鮮にキム・ジョンウンがいて、両者が互いに挑発競争をエスカレートしあっています。 まず、9月3日に北朝鮮が6回目に核実験を実施しました。今までに比べて格段の爆発力があることがわかりました。

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⑳それに対して、アメリカ合衆国は「軍事行動をするぞ」とまた脅しで応酬し、韓国との合同軍事演習の規模を拡大し、北朝鮮に対して史上最強の経済制裁を望んでいます。

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㉑どちらの側も、自分の方が相手より強いのだぞと言いたいタイプですから、今、私たちは制御不能になりそうなたいへん危険な状況にあるということができるわけです。

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㉒トランプが大統領に就任した時に、核ミサイルの科学者たちは＜世界破滅の時計＞の針を真夜中まであと2分半のところに設定しました。いうまでもなく、真夜中の12時は、世界最後の瞬間を意味します。それは1953年以来、最も危険な段階にいることを意味しました。

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㉓しかも、それは最近になって北朝鮮が頻繁にミサイルテストをするようになる前の話なのです。たくさんの専門家たちが現在の危機レベルは1962年のキューバ危機以来最も危険なレベルにあると言っています。

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㉔そういう状況に今、私たちはいるわけですから、冷静な誰かが早く爆弾の信管を抜いて爆発しないようにしなければなりません。ところが、信管を抜くどころか、現在の状況は両サイドが互いに脅かし合いの度合いを強める一方ではありませんか。

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㉕トランプが、「かつて世界が見たこともないような怒りと炎が北朝鮮を襲うであろう」と言えば、北朝鮮が「我々はアメリカの都市を攻撃する。グアムのアメリカ軍基地を攻撃する」と言い返す。これはたいへん危険な状況です。

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㉖キューバ危機の時、フルシチョフとケネディが学んだ教訓は、危機はいったん始まるとあっという間に制御不能になってしまうということでした。こうしたことは、2017年の危機についても全く同じことが言えるのです。

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㉗現在、韓国の防衛大臣が、1991年にいったん韓国国内から撤去したアメリカの核兵器を再び韓国に配備する可能性について語り始めました。韓国にアメリカの核兵器を再配備する話をしているのですよ。これはもう互いに脅迫の応酬合戦をしているようなものです。

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㉘マティスが脅迫する。ニッキー・ヘイリーが脅迫する。いいですか。唯一の問題解決の道は、皆さんもよくご存知ように、交渉による解決しかないのです。なぜなら、北朝鮮は少なくともソウルを壊滅させることができる。

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㉙よく訓練された国境の1万5千の砲台がそこから40キロと離れていないソウルに照準を合わせて待機しているのです。ソウルとその周辺のエリアには2500万人という人々が住んでいるのです。在韓米軍基地には28500人のアメリカ人兵士がいます。

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㉚ソウルとその周辺のエリアに20万人のアメリカ人が暮らしています。北朝鮮は核兵器を使わなくても通常兵器だけでこれらの人々を皆殺しにすることができるのです。アメリカが北朝鮮を攻撃すると、確実にそれが現実のものになります。ですから軍事行動による問題解決の選択肢はここでは皆無なのです。

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㉛しかし、私たちにできることがあります。それは何かと言うと、ロシアと中国が提案していることですが、＜フリーズ・フォー・フリーズ＞提案と言われているものです。つまり、北朝鮮は＜核兵器を放棄する＞、そして＜ミサイルシステム＞も放棄する。

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㉜その代わり、アメリカは＜北朝鮮と講和条約を結んで＞、これによって公式には現在も終わっていない＜朝鮮戦争の公式終了宣言をする＞。1953年に停戦しただけで、米朝関係は公式には現在も戦争状態なのですからね。そして、経済制裁を解除する、少なくとも緩和することです。

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㉝そして長年にわたり繰り広げられている危険な米韓合同軍事演習を止めて北朝鮮に軍事的圧力をかけないことなどです。

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㉞ところが米韓合同軍事演習は近年ますます脅迫の度合いを強め、核攻撃やレジームチェンジの具体的方法がシミュレーションされています。こうした条件のもとで、北朝鮮は軍事力強化を緩めることができない。それは北朝鮮にとってたいへんな負担です。

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㉟だから、北朝鮮はこれまで何度もなんどもアメリカとの交渉を求めてきたのです。交渉が成立したなら、喜んで核兵器プログラムを放棄すると彼らは言っているのです。

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㊱そして過去において、実際に北朝鮮が核兵器開発を放棄したことがありました。過去において8年間も北朝鮮が核兵器プログラムを放棄した時期があったのです。その8年間に米朝間に全くごまかしがなかったとは言いません。しかし、その場合も露骨に約束を破るのはアメリカ合衆国の方でした。

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㊲アメリカは約束した石油供給を結局まったく果たしませんでしたから。ですから、お互い様です。しかし、それでも外交的問題解決という基本スタンスを守っていました。ところが現在は、そのスタンスをほぼ完全に放棄しているのです。たいへん危険で無責任の極みにあると言えるでしょう。

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㊳もう一つの外交の可能性として、いっそのこと＜北朝鮮の核保有を認める＞そして＜北朝鮮を普通の国として認める＞というものがあります。なぜならレジームチェンジができないことを彼らに納得してもらって、安心してもらう必要があるからです。

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㊴なぜなら、2003年にイラクで何が起こったかを彼らはよく覚えているからです。北朝鮮の新聞は、「サダム・フセインが犯した唯一の間違いは、彼が核兵器を持たなかったことだ」とさえ書いています。そして、アメリカの要求に応じて大量破壊兵器を放棄したガダフィはどうなったのでしょうか？

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㊵さっそく、アメリカ軍とNATO軍が大規模な空爆と侵略を開始し、ガダフィはどこかの汚水流れのようなところで、文字通り＜刀でカマを掘られて＞惨殺されました。北朝鮮はそれらの現実を目の当たりにして、決して彼らと同じ間違いはしないという教訓を得たのです。

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㊶だから、彼らはそうした合理的な理由から、＜抑止＞としての核兵器に固執するのです。この基本的事実をアメリカ人はきちんと理解しなくてはいけません。