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葛西伸哉(HJ文庫『封印魔竜が〜』1巻発売中) @kasai_sinya
『スレイヤーズ!』の一行目「あたしは追われていた。」は「この小説は一人称で、語り手=主人公は女性である」「主人公は一見すると危機的状況にある(物語は既に動いている)」「しかしその実、彼女はその危機に冷静に対処ができている」という認識をたった十文字強で読者に与える技巧の塊。
葛西伸哉(HJ文庫『封印魔竜が〜』1巻発売中) @kasai_sinya
実のところ私がこの認識に至れたのは、初読から十年以上経過し、講師としてラノベの技巧について言語化する必要に迫られてからである。
葛西伸哉(HJ文庫『封印魔竜が〜』1巻発売中) @kasai_sinya
何らかの叙述トリック的な意図でもない限り「主人公は誰か」「視点人物は誰か」「どういう文体なのか」を早めに読者に明示するのは大事。それはいわば映画全体の印象を左右するファーストカットだ。
葛西伸哉(HJ文庫『封印魔竜が〜』1巻発売中) @kasai_sinya
「ロードスという名の島がある」がヒキの空撮なら「あたしは追われていた」は手持ちカメラで揺れるアップ。映画なら最初の一秒でもうテイストの違いが現れてる。
銅折葉 @domioriha
先日の「あたしは追われていた」からちょっと思い返してみたが、スレイヤーズはオーフェンやロードス島とかに比べて、アニメや漫画にするのが非常に容易なレベルを保って描写されていた感がある。なんて言うんだ、実写化とかには向かない、アニメの装飾・演出がぴったりくらいの造形。
銅折葉 @domioriha
なんていうかこう、本文の描写に関して感じられる線のシンプルさ、キャラクターの色彩のセル塗り具合みたいなの。このイメージにはあらいずみ先生のイラストも大きな寄与をしてるとは思うのだが、小説の文章の描写ラインがなぜかそれを強く意識させる感があった。
銅折葉 @domioriha
オーフェンは、草河先生のイラストを含めて逆にアニメ、漫画的なビジュアル化には向かない印象が強く、まさに文字によってしか表現できないような世界を、続刊を重ねるに従ってその傾向がどんどん増していったような気もする。
クロダオサフネ @kuroda_osafune
オーフェン、アニメより寧ろ実写化のが合ってる仮説が僕の中にある
銅折葉 @domioriha
予算とか少なくて良いし魔術の表現とかにもSFXとかもあまり使わずにそもそも回数を減らし、とにかく、丁寧な演技とセリフ回し、セリフの間の演技指導に徹底してくれれば良い感じがする。たまーに短いけど鋭い殺陣を入れる。できれば海外ドラマで。 twitter.com/kuroda_osafune…
銅折葉 @domioriha
ちなみに何度も言ってますがオーフェンは2作目のアニメであるリベンジ、前作の地味な展開&原作世界観との演出の乖離に関して、きちんとアニメである華とか派手さを踏まえた上で原作に世界観でありうる展開を落とし込んだ名作であり、見事リベンジを果たしたと思っておりますですよ。
銅折葉 @domioriha
オーフェンを原作のストーリーのままアニメ化するなら、1巻のアザリーとバルトアンデルスの剣、2巻の世界観部分と殺人人形をさっさと説明して、牙の塔編でのキリランシェロあたりを終盤のクライマックスに、オーフェンの過去をメインにやるべきなんやな。キムラックはまた丁寧にやると長すぎるし。
銅折葉 @domioriha
オーフェンリベンジのとくに良いところは、オーフェン達が魔術を使う直前に画面にステンドグラスをもっと抽象化したような絵柄が「なんの説明もなく一瞬だけ挟まる」ことなんですよ。アニメ内でもこれについては一切言及されない。これが魔術の構成を視覚化した演出なのがとくに痺れましたね。 twitter.com/domioriha/stat…
銅折葉 @domioriha
もうちょっとオーフェンリベンジの話をすると、OPあたりからして無印とは明らかに原作世界観の遵守がはっきりしてて、リベンジではオーフェンの魔術を、TVアニメ映えするような演出こそ入れるけどちゃんと原作通りに使いますよってのが明確だった。
銅折葉 @domioriha
無印のOPではフード付き付き黒ローブを上に羽織って魔法の杖持って雪山を登り続けるオーフェンとか(百歩譲ってローブみたいな外套は旅してる時に着てた可能性はあるが、あの世界の魔術師は詠唱に杖とか使わないし、山道を歩くための杖としてもあんなザ・魔法の杖って格好にはなるまい)
銅折葉 @domioriha
さらに無印OPは出てくる敵も、まあ人間殺すわけにもいかないだろうからクリーチャーなのは譲るとしても、超巨大なクロウラーみたいなデカブツに、なんかやったら長い蛇みたいなやつ。原作にはあまりそぐわないデザインな上、当時の原作だと音声魔術師が対抗できるサイズではないイメージが強かった。
銅折葉 @domioriha
で、この敵を倒すのに魔術らしきものがそれぞれ使われているが、2回ともオーフェンの魔術の代名詞であろう「光の白刃」らしい演出がない。一番画面映えする上にシンプルな主人公の必殺光線技っぽいのに。(もしかしたらでかいクロウラーを倒してるのはこれなのだろうか?
銅折葉 @domioriha
一方で、リベンジのOPで出てくるクリーチャーは人間サイズの人形となんか不思議な格好のデカブツ。殺人人形には及ばないが、人間大の人間型のクリーチャーと戦うことでオーフェンの持つ近接格闘技能がアピールされ、彼がいわゆる一般的なイメージの「魔術師」とは別物であることが強く示唆される。
銅折葉 @domioriha
デカブツとの戦いでも、推定「降魔の剣」「原始の静寂」「天の楼閣」「光の白刃」あたりが使われていて、ビジュアルや使用用途、起きる効果も大体原作のイメージと合致している。降魔の剣ひとつ取っても、ライトセーバーみたいな光の棒ではなく、ぼんやりした弱々しい光が手の後についてくる感じ。
銅折葉 @domioriha
ラストに敵にとどめを刺す「天の楼閣」から「光の白刃」の連続使用についても、天の楼閣のほうは敵の攻撃をかいくぐるように足元まで一直線に高速移動していて、途中に遮るものを通過しない「疑似空間転移」であることが示唆されている。無印で連発し峡谷をぴょんぴょん跳び回ってたのとはえらい違い。
銅折葉 @domioriha
敵の背後に回り込んだり、空間転移して真後ろに突如出現などしていないのが大変ポイント高い。そして「天の楼閣」の直後、即座に「光の白刃」でデカブツを撃破。これも音声魔術はかめはめ波やドラグスレイブのように長い呪文詠唱やパワーをためる動作から発動するものではないことを表現している。
銅折葉 @domioriha
そしてリベンジでは話のテーマ(めっちゃネタバレになるけど)が魔獣とクリーチャーの創造になっていて、原作3巻のフォノゴロスが作り出したような戦闘生物の例もあり、異形の化け物が敵であることが非常に自然になっているので、OPのクリーチャーとの戦いががそんなに浮いていない。これも大事。
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コメント

銅折葉 @domioriha 2017年9月27日
まとめありがとうございます。今見ると全部「魔術士」を誤字しててとても語れるような知識レベルではなかった。反省します。
ぶる〜の @shin10276707 2017年9月27日
作画に関しては無印が良くて、アニメ見てから原作読んだら全然設定も話も違って、リベンジではちゃんと音声魔法になってて嬉しかった。
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