日向倶楽部世界旅行編第18話「シドニー・艦娘三人ぶらり旅」

日向達が謎の集団に襲われた翌朝、最上、初霜、扶桑の三人は予定通りシドニー市街地の観光を敢行する。
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三隈グループ @Mikuma_company

【前回までの日向倶楽部】 扶桑です。 日向は随分と遅くに帰ってきました、何やら物凄く疲れた様子で、起きていた私に気がつく事もなくベッドに潜り込んで眠ってしまいました、そんなにはしゃいだのでしょうか?起きたら話を聞いてみましょう。 そして私たちはこれからシドニーの街へと繰り出

2017-10-10 21:29:57
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【前回までの日向倶楽部その2】 シドニー観光をしていた日向は鈴谷の誘いでカジノへ行き、見事すってんてんになった。だがその帰り、二人は謎の軍勢と深海棲士ザイアンと名乗る男に襲撃され、戦闘となる。 これの撃退に成功する二人、しかし彼らは自分達を狙う悪の気配に顔をしかめていた。

2017-10-10 21:31:01
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第18話「シドニー・艦娘三人ぶらり旅」

2017-10-10 21:31:38
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〜〜 日向達がカジノへ出かけた翌朝、最上と初霜は目覚ましの音と共に目を覚ました。 「おはよう…」 「おはよう最上さん…」 眠い目を擦り二人は目覚ましを切る、隣のベッドでは目覚ましに構わず日向がぐっすりと眠っている、格好を見るに帰ってそのままベッドに入ったのだろう。

2017-10-10 21:32:08
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「…あれ、扶桑さんはもう起きたのかな…」 綺麗なままのベッドに扶桑の姿はない 「あの人いつも早いわね…、まだ八時前よ…ふあぁ…」 初霜は大きなあくびと共にベッドから立ち上がる、彼女の言う通り、扶桑は二人が起きる頃にはいつも起きていた。

2017-10-10 21:33:02
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「寝るのもボクらより後なのにね…」 「若者と老人のハイブリッドみたいな睡眠習慣だわ…」 そんな事を喋りつつ二人は部屋の居間へと向かう、案の定、扶桑は窓辺でぼんやりと外を眺めていた。 「おはようございます」 「おはようございます扶桑さん」 「はい、おはようございます。」

2017-10-10 21:34:05
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最上と初霜は喉を潤すべくコップに飲み物を注ぐ 「扶桑さんは何か飲みますか?」 二人ぶん用意しつつ最上が尋ねると、扶桑は首を横に振る、だが初霜がそれを認めなかった。 「ダメよ扶桑さん、朝は何か飲んだ方が良いわ、はい。」 彼女は水を注いで扶桑に手渡し、自身も水をゴクゴク飲む。

2017-10-10 21:35:02
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「では頂きますね…」 押されるように扶桑も水を飲み干す、彼女の大きな手の中に収まるとガラスのコップはとても小さく見えた。 やがて三人は空のコップをテーブルに置き、一息つく、すると唐突に最上が尋ねた。 「扶桑さん、昨日はいつ頃寝たんですか?」 それは素朴な疑問であった。

2017-10-10 21:36:04
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「私ですか?皆さんのすぐ後ですよ。」 扶桑は笑って答えた、同じように起きた時間を尋ねると 「皆さんの少し前ですよ。」 と同じように答えた、本人によると昔から夜更かしと早起きの習慣がついているらしい。 「それでも眠くなさそうだし、すごいですね…」 「ふふっ、慣れです。」

2017-10-10 21:37:02
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そんなこんなで最上達は顔を洗い、出かける支度を始めた。 「そうそう扶桑さん、朝ごはんどうしますか?」 時刻は午前八時、朝食どきである。 「お二人にお任せしますよ。」 「じゃあ…ホテルのレストランで食べましょうかね、初霜も良い?」 「平気よ。」 決まった。

2017-10-10 21:38:02
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三人はぐっすりと眠っている日向を置き、二階にあるレストランへと向かった。 実はこのホテル、日本系列のホテルなので和食を食べる事も出来るのだ。 「ブッフェで良いかな」 「良いと思うわ。」 だが食べるかどうかは旅行者次第である、三人はブッフェ形式のレストランへ足を踏み入れた。

2017-10-10 21:39:02
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最上と初霜は思い思いの料理をプレートに盛ってテーブルへと置く、扶桑も二人と同じものを少しずつ盛って席に着いた。 「いただきます。」 いただきます、三人はもぐもぐと食事を始めた。 最上は干物を器用にバラして白米と共に食す、初霜は出来立てのアツアツ目玉焼きを口元へと運ぶ。

2017-10-10 21:40:07
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最上は和食中心、初霜は洋食中心、食生活の指針が現れたプレートを食べ進める。 「これは…豚…ですね。」 扶桑はというと、和洋入り乱れた料理達を一つ一つ物珍しそうに食べ進めていた。 「どうですか扶桑さん。」 「ええ、美味しいですよ。」 彼女はベーコンを食べながら微笑む。

2017-10-10 21:41:09
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初霜も同調するように口を開く 「これね、塩味が効いてて美味しいのよ。」 「へぇ〜、後で取ってこようかな。」 ブッフェ形式では思わぬものがやたら美味しい事がある、それを探すのも醍醐味だろう。 そんなこんなで一行は朝食を終え、シドニーの街へと出発した。 〜〜

2017-10-10 21:42:05
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「ダーリングハーバー」 かつて貿易港を有し工場や倉庫の立ち並んでいたこの場所は、1980年代に大規模な再開発が行われ、様々な商業施設や観光施設を有する一大観光スポットに生まれ変わった。 一般車両は通行禁止、すぐ側には海もあり、晴れた日に練り歩くには最高の場所である。

2017-10-10 21:43:02
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そんな観光地へ三人は足を運んでいた。 「日差し強いし、もっと曇って欲しいな…」 「確かに暑いわね…」 最上と初霜はホテルでもらった団扇を仰ぐ、もう一度言うが晴れた日には最高の場所である。 そしてやはり、そんな二人とは裏腹に扶桑は涼しげな顔で歩いていた。

2017-10-10 21:44:02
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そして恒例の如く最上は尋ねる 「…扶桑さん、何度も聞いて申し訳ないんですけど、その格好で暑くないんですか?」 「いえ…涼しい素材なので…」 「なるほど…」 氷で編んだのかな…などと思いつつ、最上はスマートフォンで現在地を確認する、ダーリングハーバーは広いのだ。

2017-10-10 21:45:04
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「えーっと、真っ直ぐだよね…よし。」 目星をつけておいた場所などを確認し、最上は顔を上げた、上げたのだが、目の前にいたはずの扶桑と初霜がいなくなっていた。 「あれ、二人共どこ行った」 誘拐でもされたのか?嫌な汗をかきつつ辺りを見回す、だが彼女の心配は杞憂に終わった。

2017-10-10 21:46:02
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「最上さーん!」 初霜はすぐそこの噴水にいた、筋骨隆々な男達に囲まれながら手を振っていた、その光景に杞憂に終わったはずの心配がぶり返す。 「は、初霜!?誰その人たち!?」 「写真よ写真!地元のフットボール・チームなんですって!」 そう言って彼女は笑顔でピースをする。

2017-10-10 21:47:06
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よくよく見ればその中に扶桑も混じっている、というより、マッシブな男達は扶桑を中心にポーズを決めているのだ、何とも珍妙な光景に最上はただただ困惑する。 「彼女達の友達かい?君も一緒にどうだい?」 そんな彼女に気がついたのか、身長190cmはありそうな金髪の男が彼女を誘った。

2017-10-10 21:48:03
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「えぇ…?じゃあ…」 困惑の入り混じる笑みを浮かべながら最上もそこへ混じる、男達は扶桑の周りで筋肉を強調したり、ガッツポーズをしたり、とにかく扶桑を中心に何かしている。 この人達は何をしてるんだ?尽きぬ疑問を浮かべながらも、最上は笑顔で写真に写った。

2017-10-10 21:49:03
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写真を撮り終えると、男達は爽やかな笑顔で一人一人礼を述べてきた。 「この人達ね、大事な試合が控えてるんですって」 「えっ、それと扶桑さんに何の関係が…?」 最上が首を傾げ続けていると、チームのキャプテンらしきガタイの良い男が笑顔で答えた。

2017-10-10 21:50:04
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「彼女はまるでテンニョのような女性だからね、オレ達のラッキーガールになってくれると思ったんだ。」 「天女…?」 言われてみれば、扶桑の長く美しい黒髪、真っ白い素肌に真っ赤な目、そして特徴的な服装に常人離れした背丈、確かに神秘的なものを感じそうである、外国人なら尚更だろう。

2017-10-10 21:51:02
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「なるほど…試合勝てると良いですね。」 最上はぼんやり返事を返す、その間にも扶桑はフットボール・チームの男達と写真を撮っていた。 「サンキュー綺麗な人、これで勝つ確率が100%から150%になったぜ!」 彼等は三人に大量のサイン入りグッズを手渡し、手を振って立ち去った。

2017-10-10 21:52:03