モンスターハンター2次創作 ~吹雪の覇者~ -骸の王と義憤の戦士- 第二話 幻朧

チラシの裏の継ぎ足し2枚目
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クワトロゾンビ @QZombie

第二話 幻朧 ━━酒場にて 「では噺の続きと参りましょうか。」 まだまだ騒がしいドンドルマの酒場で、英雄譚は続く。 「よっしゃあ!」 「おう、エール3つ!」 アイヨォー! 「あら、ありがとうございます。」 「なぁに、いいってことよ!」

2017-10-20 21:32:02
クワトロゾンビ @QZombie

「そろそろ酒も心許なくなってきたしな。じゃ、早速聞かせてくんなっ!」 狩人達の期待を受け、詩人は朗々と語りだす。 「えぇ、それでは語りましょう。」 吹雪の覇者の伝説、その一節。 悪意の幻朧が、吹雪の覇者と義憤の戦士の運命を織り交ぜる━━

2017-10-20 21:32:17
クワトロゾンビ @QZombie

━━その男は大老殿に居た。 どうやら大長老直々に呼び出しを受けたようだ。 「ムォッホン!よく来てくれた。」 「いえ、とんでもないです。それで、どの様な依頼でしょうか。」 大長老様直々の依頼だ、なんか不味い事があったに違いねぇ。

2017-10-20 21:32:40
クワトロゾンビ @QZombie

「うむ、では早速。 最近新しい狩場、孤島が解禁されたのは知っておるな?」 「えぇ、霞のが先頭に立ってやってましたね。」 あいつ、初めての調査だってんで張り切ってたなぁ。 「その孤島で、妙な現象が起きているみたいなのだ。」 「妙な?・・・どのようなことでしょうか。」

2017-10-20 21:32:51
クワトロゾンビ @QZombie

「あぁ、そうさな・・・クエストに向かった者の報告では真っ直ぐ進んでいたのにあらぬ方向に進んでいただの、 急に眠気に襲われた、死角から小突かれたがその方向を確認すると何も居ないという不可解なものばかりだ。」 どうなってやがる・・・・。 「意味がわかりませんね。」

2017-10-20 21:33:02
クワトロゾンビ @QZombie

「うむ、そこでお主の出番だ。急ぎ孤島に向かって原因の究明、解決をしてもらいたい。」 ん~・・・。 「いや、俺ではなく霞のに話をつければよろしいのではないでしょうか。 少なくともあいつのが孤島には詳しいでしょう。」

2017-10-20 21:33:20
クワトロゾンビ @QZombie

「そうなのだが、残念ながら連絡がつかないんだ。それこそ霞を掴むが如くどこにいるのかわからなくてな。 今すぐ動けるG級ハンターがお主しか居ないのだ。」 あぁ・・・そういう。 「まぁ、はい、わかりました。なんとかやってみます。」 「頼む。」 やれやれ・・・何準備すりゃいいんだ。

2017-10-20 21:33:32
クワトロゾンビ @QZombie

アテもないし、酒場で聞き込みをしてみたら面白いネタが拾えた。 どうも件の現象は洞窟の入り口が複数あって、せせらぎが流れているエリアで多発しているみたいだ。 足使った聞き込みもバカにできねぇな。 さて、持ち物だが・・・とりあえず、回復薬と食い物を持てるだけ持ってくか。

2017-10-20 21:33:50
クワトロゾンビ @QZombie

装備は一応、ペイルカイザーとリオソウル一式で行こう。 確か眠気に襲われるとも言ってたな、元気ドリンコもねじ込んどけ。 ふむ、準備はこんなもんか。 「じゃ、受付頼むわ。」

2017-10-20 21:34:07
クワトロゾンビ @QZombie

「かしこまりました、では受付いたします! クエスト内容は孤島の不思議な現象の原因究明・解決です! 場所は孤島、報酬は30000zです! 今回はヴァルムさんのみで相違ないでしょうか!?」 「あぁ、間違いねぇ。」 じゃあ行きますかね。

2017-10-20 21:34:17
クワトロゾンビ @QZombie

さて、孤島に着いたが・・・。 「何の変哲もねぇな。」 前に霞のにくっ付いて採集ツアーに同行した時と同じ空気だ。 この状況で異常事態が起きてるとは考えにくいが・・・まぁ、まずは地図見るか。 「さて、異常が起きてる地点はっと・・・。」

2017-10-20 21:34:31
クワトロゾンビ @QZombie

なるほど、この辺ね。 「じゃあちょろっと見てきますか――」 「あら、奇遇ですね。ヴァルムさんは採集ツアーか何かですか?」 「なっ!?」 なんでこんなとこにアマレイクの兄ちゃんがいやがる! 「なんですか、人を見るなり大声を出して。」

2017-10-20 21:34:46
クワトロゾンビ @QZombie

「お、おう。わりぃな。 あー・・・今この狩場は不可解なことが起こっているから禁猟区になってんだ。 それで、俺が今から調査をする。 わりぃが、クエストを受けてるようならすぐにリタイアしてくれ。」 「いやです。」 えっ。 「いや、お前、俺の話聴いてなかったのか?」

2017-10-20 21:35:23
クワトロゾンビ @QZombie

「ちゃんと聴いていましたよ。 でもいやです、私が承ったクエストも緊急性の高いものですので。」 おいおい・・・。 「勘弁してくれよ、こちとらG級指定も掛かってるんだ。 マジで何が起こるかわからねぇんだ、一旦引いてくれ。」

2017-10-20 21:35:46
クワトロゾンビ @QZombie

「G級指定・・・ということは、ヴァルムさんはG級ハンターなんですね?」 この状況で何言ってんだ・・・? 「お、おう。確かにG級ハンターだが。」

2017-10-20 21:36:14
クワトロゾンビ @QZombie

「それなら丁度いい、私のクエストもかなり危険ですので一緒に行きましょう。 ついでに不可解なことでしたか、こっちも二人でやれば片付くでしょう。」 ・・・呆れた。 「無茶苦茶言うんじゃねえよ、トーシロ巻き込めるか。 もしお前が引かないんなら俺が引く。勝手にやってくれ。」

2017-10-20 21:36:32
クワトロゾンビ @QZombie

全く、冗談じゃない。 「あっ、そうですか。私は一人でも行きますよ。 ・・・ヴァルムさんは、トーシロを置いて帰るんですか?」 こいつ・・・! 「あぁ、そうさせてもらおうか!俺の知ったこっちゃねぇ。」 チッ、やってられるか。さっさと発炎筒焚いちまおう――

2017-10-20 21:36:46
クワトロゾンビ @QZombie

「あっ、じゃあ私も・・・。」 「何でお前も焚くんだよ!!」 「なら私は行きますね。それでは!・・・ヴァルムさんは本当に帰っちゃうんですか?」 ――あぁ、もう!!

2017-10-20 21:37:01
クワトロゾンビ @QZombie

「わかった、わかったよ!お前を抱えて俺の任務もこなせばいいんだろ!! 俺も手ぶらで帰ったら何言われるかわかったもんじゃねぇしな!クソが!!!」 「ありがとうございます。」 こいつコロッと態度変えやがった・・・。 まぁ、もういいか。ちゃっちゃと現地に向かおう・・・。

2017-10-20 21:37:17
クワトロゾンビ @QZombie

「ところで、不可解な事ってどのような事が起こっているのです?」 「む、あぁ・・・どうもこの先で進行方向が狂うだの、眠くなったり死角から小突かれたりだの。 ぶっちゃけ何が原因か見当もつかん。」 「・・・狂う進行方向、突然の睡魔、死角、か。」 あぁ?

2017-10-20 21:37:29
クワトロゾンビ @QZombie

「何をぶつくさと・・・おいまさか、何か知ってるのか!?」 「あぁ、いえいえ、不思議なこともあるんだなと思って。」 「・・・そうかい。」 まぁ、そんなうまい話もないか。 「もうちょっとで現地だな、ここらでいっちょ腹ごしらえしとくか。」 「そうですね、イチゴジャム如何です?」

2017-10-20 21:37:57
クワトロゾンビ @QZombie

推すなぁ。 「そこまでいうなら貰うかね。」 「えぇ、どうぞどうぞ。」 さて、頑固パンに乗っけましてっと。 「いただきます、あぐ。」 ふむ・・・。 「うまいな、疲れの吹き飛ぶいい味だ。」 ほのかな酸味があっていい感じに甘いな。 「ね、いいでしょう。」

2017-10-20 21:38:14
クワトロゾンビ @QZombie

アマレイクの兄ちゃんのにやけ顔が鼻につくが、うまいのは事実だ。 「ごっそさん。腹も膨れたところで、俺からも質問だ。」 「はい、どのようなことでしょうか。」 「お前さん、何しに来た。」 「あぁ、私はホロロホルルの狩猟ですよ。」 あ?ホロロ・・・?

2017-10-20 21:38:34
クワトロゾンビ @QZombie

「なんだそりゃ、そんなモンスター知らねぇぞ。」 「あら、御存知ありませんか。私の大陸ではポピュラーなモンスターなんですがね。」 「どんなだよ、モンスターリストくらいあるだろ。」 「どうぞ。」

2017-10-20 21:38:54
クワトロゾンビ @QZombie

ふむ・・・夜鳥、ねぇ。 鳥竜種なのか、特徴的なステッキだな。 何々、翼と脚と爪で獲物を襲う、羽の内側に鱗粉を蓄えてて、 ――吸ったものを前後不覚に陥れる。 「おいおいおい、こいつぁ・・・!」 ビンゴじゃねえか! 「人が悪いぜ、何で先に教えてくれなかったんだよ!」

2017-10-20 21:39:06