#Teenlove入院3日目にもたると痛みもやわらぎまたまた首をもたげた悩み。退院したらまた学校。行きたくない気持ちになんら変化はない。
2010-12-18 03:36:03#Teenloveところが入院4日目。意外な事がおきた。その日の午後入院していた僕の病室のドアが開いて全く予期せぬ人物が現れた。中学の同級生で小学校からの顔見知りですっかりヤンキーになってたヨシコが突然現れた。
2010-12-18 03:45:24#Teenloveしかも彼女はいわゆるスケバンのケイコをつれてやってきた。よう、見舞いに来たぞ。え?なんで?なんでってことねーじゃん、見舞いに来てやったのに。
2010-12-18 03:50:37#Teenloveよしこに聞いたんだけど学校こねーでゲーセンとか行ってんだって?そういえば少し前に偶然よしこに街のゲーセンであって少し話したっけ…
2010-12-18 03:55:54#Teenlove学校ふけてゲーセン行って補導されっぞ。言いながらケイコが長めの制服のスカートのポケットからセブンスターを出して火をつける。おい、病室でタバコまずいよ、と慌てて言うと、平気だろ?個室だし。ヤバいよ、とか思いながらも何故だかたまらなく嬉しい自分に気づいた自分がいた。
2010-12-18 04:04:51#Teenloveよしこアンタに気があんだって。よしてよ、そういうんじゃないよ。じゃあなんだよ、よしこをからかうようにケイコが言う。何か買ってくるよ、マコトなんか飲むだろ?僕が答える前によしこは売店にむかって部屋を出ていった。 クスクス笑うケイコ。
2010-12-18 04:11:02#Teenloveまぁよしこはずっとよしこだが学校のヤンキーの女子を仕切っているケイコはケイコと呼んだりしていなくて佐藤と名字で呼んでいた、もちろん頭の中でだ。ヤンキー達と話した事なんかそれまでなかったもの。
2010-12-18 15:02:57#Teenloveタバコの煙がモクモクで、仕方ないから窓を開けようと体を起こすと腹がズキンと痛んだ。何だよ窓あけんのか?やってやるから言えよ、とケイコ…
2010-12-18 15:06:43#Teenloveベッドが窓ギリギリにあった。いきなりケイコがベッドによじ登り僕をまたいで窓へ。なんだよ佐藤、え?窓開けんだろ? 違う。コイツらは違う。他の子達と違う、何だろう…めちゃくちゃ嬉しい気持ち。
2010-12-18 15:12:15#Teenlove何すんだテメェ、佐藤はそう言って僕の腹を蹴った。いてぇ、とうめいた。佐藤が笑った。僕も顔を歪めながら笑った。その時から僕の中で佐藤はケイコになった。
2010-12-18 16:20:51#Teenloveそして病室の扉が開いて昔からよしこだったよしこが腕に缶コーヒーを抱えた戻ってきた。飲んでいいのかわからなかったがもちろん僕は缶コーヒーをグビグビ飲んだ。
2010-12-18 16:21:13#Teenlove翌日は男子ヤンキーも引き連れて7人が同時に病室でタバコを吸った。今母が来たらどうしよう!そのドキドキの中で僕は番長格の大野が親しげに僕の事を、マコトと呼んでくれる事で有頂天になっていた。
2010-12-19 17:51:47#Teenlove7人が帰ると僕は腹がまだ少し痛んだが必死で室内の煙の匂いをたたんだ新聞でウチワのようにあおいで消そうとした。だか本当にもうタバコの匂いがしないか?が不安だった。約30分して母が現れた時、僕はこわくてベッドの中でタヌキになった。
2010-12-20 21:00:14#Teenlove母が病室に入って来た。普段なら、どう?とか、来ましたよぁ~、とか入って来た途端に言う母だったが、何故だか母は無言でベッドサイドのテーブルを片付けたり花を変えたりしている。非常に不安な気持ちのままやはり寝たふりを続けるしかない僕だった。
2010-12-21 19:21:22#Teenlove僕は2週間入院した。普通盲腸の手術後の入院期間は10日前後だか僕は術後に腹に巻いたサラシにヒドくかぶれてしまい皮膚炎を起こしそれで入院がのびてしまった。僕はまさに体も心もヘタレそのものだった。
2010-12-21 19:27:55#Teenlove退院してから急に学校に通い始めた僕を母は不思議そうに見ていた。その頃から母の視線を背中に感じるようになった気がする。何故あの頃僕は振り返って母の視線に応えなかったのか?だけどそれはひょっとすると誰もが経験する成長に伴う痛みなのかもしれない。
2010-12-22 19:42:52#Teenlove母がその時点で具体的に何かを知っていたとは思わない。でも僕はまだまだ母親の勘に何もかも見抜かれてしまう年齢だった。つまりまだ十分に子供だった。
2010-12-22 19:51:03#Teenloveしかし僕は日に日に先に進んだ。いい人悪い人含めて今まで出会った事のない様々な種類の人間が待ち構えている社会という名のジャングルに近づいていた。
2010-12-22 19:51:24#Teenlove僕がピタリと登校拒否をやめたのは見舞いに来てくれた不良達と打ちとけたからだった。学校に行っても彼等といれば楽しかった。
2010-12-23 18:25:06#Teenlove登校拒否をしていた時たまに行っても同級生は僕とは一切話さなかった。無視されていたというよりこちらから心を閉ざしていたからだ。しかし僕が彼等とつき合っているという噂は退院後登校した最初の日に広まっていた。僕はかっこわるくもその事で教室でも堂々と振る舞えた。
2010-12-23 18:27:13#Teenlove教室の隣の席の男子と目が合った。以前なら鼻で笑ってそっぽを向いたであろうその男子が目が合ったというだけで慌てた調子で話しかけてきた。関口君盲腸だったんだって?もう大丈夫?そして僕は彼を見てじっくり時間をかけてから、まあな、とだけ応えた。
2010-12-23 18:29:58#Teenlove彼は汗こそかかなかったが顔を上気させかなり大袈裟に、それはよかったね、でも体育とかは無理しないでね、と乾いた口で言った。
2010-12-23 18:30:21#Teenloveそんな風に周りの生徒の対応が変わった。確かに気分がよかった。でも気分よく感じられたのはほんの数時間にすぎず、僕はすぐにその変化が自分の力や強さとは何ら関係がないという事実に重い気分になった。結局僕は不良グループ以外の生徒にはまだ少しも心を開けずにいた。
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