「スプリガン」の版権はアニメ化が中止(後に再開されますが)されたため、無くなってしまったので、この試作プロジェクトも中止ということになります。ちょっとがっかりしたものの、内心はホッとしたのも本当でした。だってまだゲームになるか見えていなかったんですから。
2017-08-26 09:51:19ところが、その時すでにできていたカメラワークとチェーンのアクションを見て、課長が 「でもこれ、面白そうだからオリジナルでアクションゲーム創ってよ」 と言い、継続することになりました。ここでペンディングになっていたらクロノアは存在しなかったわけですね。 つづく
2017-08-26 09:52:28クロノアクロニクル第5回! 「スプリガン」の企画は中止になりましたが、すでにできていたカメラシステムを使ってオリジナルのアクションゲームを創ることになったのでした。 pic.twitter.com/Rlz6T8aWTx
2017-09-02 15:19:50そこでチェーンアクションはそのままに、主人公を変えることになりました。 と言うと、いよいよクロノアか! と思われたかと思いますが、残念ながらまだクロノアは登場しません。 pic.twitter.com/O66ivF0oSy
2017-09-02 15:20:59デザイナーが描いたイラストは、土偶のような土でできた人形が息を吹き込まれたキャラでした。 そこで、ある岬の先端にある土偶が、ある日動き出し、本来の体を取り戻す冒険に旅立つというストーリーになりました。 「どろろ」のような。 (左が採用されたキャラ) pic.twitter.com/7JiYsb45tL
2017-09-02 15:24:16カメラワークと敵の出現をテーブル化し、データ制御できるようにしてもらうと、企画側でいろいろなシーンを創れるようになりました。 これがまるで映画を撮影しているような感じで楽しいのです。 企画のK君と競うようにアイデアを出してサンプルができていきました。
2017-09-02 15:25:08前回の資料にあるような崖っぷちのアクションや、ベニスの運河を縫うようにして疾走するモーターボートでのチェイスアクションなど、視覚効果を重視したアクションのアイデアをたくさん考えていましたね。
2017-09-02 15:25:45そしてある日部内発表会があり、我がチームの試作品もプレゼンしました。 立体マップを進むとカメラが回り込み、煽ったり見下ろしたりとダイナミックに変化。カメラが固定されて敵がワラワラ出現し、倒すと解除されるまで。でもこれは実はプレゼン用でうまく遊ばないとタイミングが合わない代物でした
2017-09-02 15:26:49次の日課長が販売部の人達を連れて私の席にやってきて、そこで急遽試作品を見せることになりました。 すると販売部の人達には「これは期待できるねぇ」と言われ、大好評だったのです。 それを見てちょっと考え始めてしまいました。 果たしてこのままでいいのだろうかと。 つづく
2017-09-02 15:27:56クロニクル第6回! 社内プレゼンでも販売部へのプレゼンでも好評だった「土偶版」。でもそれを見てちょっと考え込んでしまったのです。 pic.twitter.com/km6TsacYIu
2017-09-09 09:30:33プレゼンはとても好評でした。 土偶が自分の本当の姿を取り戻すというストーリーは結構気に入っていたのですが、試作の好評を受けて、かえって不安になってしまいました。何がと言うとそのダークな世界観です。 その当時の世界観はこんな感じでした。 pic.twitter.com/VoW5i0RlbH
2017-09-09 09:31:24呪術的な悪の組織の陰謀に翻弄される主人公。なぜ土偶の姿にさせられてしまったのか? 主人公に隠された暗い過去とはいったい……? なんてノリでした。 暗いでしょ?
2017-09-09 09:32:27当時PSのゲームはシリアスでダークな世界観のゲームで溢れていました。なので、そこに今のゲームを出しても全然新鮮味がないし、目立たないんじゃないだろうか? 折角販売部が売る気になっているならもっと万人向けのゲームにするべきなのでは? と思ったのです。
2017-09-09 09:33:10そう考えた時、脳裏にすぐ浮かんだのはチェーンを敵に刺すとプクッと膨れて持ち上げて走る姿でした。 なぜそう思ったのかはわかりませんが、何かその丸く膨らんだ敵を持って走るのが面白そうに思えたのです。 しかもポコッと膨らませるのがとっても気持ちいいと。
2017-09-09 09:33:59でもそれだけでは遊びにはなっていません。そこで敵を膨らませると一体何が良くなるのかな? と考えました。 すると膨らんだ敵に乗っかって、ジャンプでは届かない高い所に上がることができるなと思いました。
2017-09-09 09:34:34敵は投げれば敵にぶつけてやっつけることもできる。そうか、これは敵を利用して攻撃にも移動にも使えるってことだなと。 それができたら新しいアクションゲームができそうだという予感がありました。 早速企画の新人のK君に話すと、驚いていましたがとても面白そうだと言ってくれました。 つづく
2017-09-09 09:35:46クロニクル第7回! 万人向けにしようと考えた時、思い付いたのは敵を膨らませるアイデアでした。 pic.twitter.com/0Q8ypwJmSU
2017-09-16 09:29:27早速今の土偶のキャラで敵を膨らませて持ち上げる試作を創ってもらうと、今まで見慣れた敵のキャラクターが、無理矢理まん丸く膨らむのが何とも可愛くて面白いのです。 するとそれを後ろで見ていた課長が「お、ディグダグか?」って言いました。全く意識してなかったんですが、確かに、と思いました。 pic.twitter.com/mOx5xW1522
2017-09-16 09:30:16その時点ではボタンは3つありました。 ひとつはジャンプ、ひとつはショット。ショットを敵に当てると膨らんで持ち上げ、もう一度ショットを押すと向いている方に投げるんです。 そしてもうひとつのボタンが「置くボタン」でした。
2017-09-16 09:30:55「置くボタン」を押すと、膨らんだ敵を前に放り投げ、3バウンドで止まります。イメージとしては走りながら前に放り投げ、バウンドして止まった所に丁度走り込んできてジャンプして、敵をジャンプ台にして高くジャンプするって感じです。とにかくノンストップで駆け抜けたいのです。 pic.twitter.com/YCaizXHAs3
2017-09-16 09:31:46しかし実際に創ってみると、どうしても敵をいい塩梅の場所に止めるのが難しいのです。 その度に捕まえ直して戻ってまた投げるということになり、イメージしたノンストップとは程遠いものになっていました。 これじゃダメだ…。 つづく
2017-09-16 09:33:33クロノアクロニクル 第8回! 膨らませた敵を放り投げて、踏み台にしてジャンプする試作は、脳内にイメージしていたテンポとは違ったものでした。 pic.twitter.com/UXtXyccYIl
2017-09-23 14:13:59