陳浩基『13・67』、作家・評論家の方々によるレビュー

このTogetterでは、ツイッター上で作家・評論家の方々がつぶやかれた『13・67』についてのツイートをまとめています。 【2017年11月19日追記】 自分のサイトで、新聞・雑誌等に掲載された書評のリストを公開しました。 「陳浩基『13・67』新聞・雑誌等での書評の一覧」 続きを読む
2
あびこ @sukiyapotes

陳浩基『13・67』(天野健太郎訳・文藝春秋) 佐賀から帰ってきて読み残していた最後の一本を読了。みんな褒めているから期待値ばかり高まってしまうが、その期待を越える作品集。読みにくい点は多々あれど、ミステリ好きはとにかく最初の一編は読んでみるべき。中盤少し手筋が見えてくると、

2017-11-13 14:32:54
あびこ @sukiyapotes

そんなには驚かなくなるけれど、それでも毎回いくつものアイデアをぶちこみ、毛色の違うストーリーに仕立て、香港の複雑な歴史、風土も垣間見せるというのはやはりはなれわざ。

2017-11-13 14:38:03
あびこ @sukiyapotes

佐賀まであと一編だけ残した『13・67』を持っていくのはあれだなと思い、Kindleで『現代華文推理系列 第二集』を買い、新幹線に乗ってすぐ「見えないX」を読んだのだけどこれまた意表を突く、『13・67』とはまた全然違う傾向のポップな本格だったので仰天。

2017-11-13 14:43:35
あびこ @sukiyapotes

台湾のミステリは二作読んだものの、中国のミステリとかSF――というか恥ずかしながら現代小説を全く読んだことがなく、全体主義、独裁主義国家において警察や犯罪を扱うエンタテインメントはなかなか書きづらく、発展しづらいのではないか、と偏見を持っていた。『13・67』と→

2017-11-18 17:08:34
あびこ @sukiyapotes

→『現代華文推理系列 第二集』(この中には台湾のものも含まれているが)を読んで感じたのは、アイデア的にも、そしてそこに生きる人たちも「なんだほとんど日本と変わらないじゃん」という(実は)当たり前の感想。欧米よりも近しい部分も多々ある。

2017-11-18 17:14:21
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

ああそっか、『13・67』の陳浩基って「見えないX」の人か(『現代華文推理系列 第二集』 amazon.co.jp/exec/obidos/AS… 収録)と、いまごろピンときた。「見えないX」はホントに飾りけなくX探しの話なんだけど、その過程が面白くて、バス乗り過ごしそうなほど読み耽ったんでした。

2017-11-14 16:06:02
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

で、いま見直したら「見えないX」の訳者後記に『13・67』への言及も。そして寵物先生との合作だという『S.T.E.P.』も面白そう。

2017-11-14 16:12:41
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

陳浩基『13・67』(文藝春秋)読了。島田荘司賞を受賞した俊英による中国語ミステリーの話題作。連作形式で、現代(2013年)から年代を遡り、反英抵抗暴動の1967年へ至る。いっけんトリッキーな構成だが、これが作品に深い陰影をもたらす。つまり中心にいるひとりの警部の人生と彼の人間観である。

2017-11-13 23:59:10
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

『13・67』では、卓抜した推理力を持つ名刑事が、周到に仕掛けられた複雑な犯罪を暴くのだが、彼の行動原理「市民を守る」がときに警察の規範すらも逸脱する。その逸脱の背景として、香港社会における警察のありかたが時代とともに変化してきたことが浮かびあがる。

2017-11-14 00:00:10
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

各篇は本格謎解きミステリとしてのじゅうぶんな強度をそなえながら、連作を通じて読むと社会派ミステリとしてのいぶし銀のような味わいが際立つ。ひさしぶりに読み応えのあるミステリを読みました。

2017-11-14 00:01:45
糸田屯 @camelletgo

陳浩基『13・67』読了。凄まじく素晴らしい内容で心底惚れ込んでしまった。本格、社会派、警察小説の興趣に富み、1967年から2013年までの約50年間の香港の激動を駆け抜けた一人の刑事の活躍と矜持を逆年代形式の連作で描いた香港ミステリの大傑作。今年のマイベストにしたい。 books.bunshun.jp/ud/book/num/97… pic.twitter.com/eL45pP8S46

2017-11-18 19:26:05
拡大
糸田屯 @camelletgo

連作形式だと他愛ないエピソードが多少あっても誤魔化せるものだけど、『13・67』が凄いのは六編全てが趣向の異なる骨太の傑作で、特に前半三編は鉄壁。かつ、逆年代形式の連作にした意味が1967年を描いた最終話で効いてくるだけでなく、もう一押しがある。因果の物語としても巧緻、重厚な残響がある。

2017-11-18 19:30:53
糸田屯 @camelletgo

色々ギリギリな局面が多々あるのだけど、それだけ正攻法だけでは突破できない複雑化した至難続きであるということと、エンタメとしてのケレン味に直結していて唸らされる。冒頭の話は一見 荒唐無稽に見えるようで、読み終えた時・連作全てを読み通した時で二度、異なる感慨をおぼえる。してやられる。

2017-11-18 19:38:04
杉本@むにゅ10号 @longfish801

陳浩基『13・67』(文藝春秋/天野健太郎 訳)読了。仲間たちからは「天眼」と呼ばれ、リタイア後も特別捜査顧問として数々の事件を解決してきたクワン警視。いま、その命が尽きようとしていた。昏睡状態でも、耳は生きている。殺人事件を脳波によるYes/Noだけで解決してみせるというが。

2017-11-26 18:33:28
杉本@むにゅ10号 @longfish801

13・67:という、2013年に起きた「黒と白のあいだの真実」を筆頭に、1967年まで歳月を遡りつつ六つの事件が描かれる。作者は『世界を売った男』で第2回島田荘司推理小説賞を受賞、本作はその受賞第一作。反映暴動や香港返還といった歴史的出来事を背景に、ひとりの警官の人生が描かれる。

2017-11-26 18:33:56
杉本@むにゅ10号 @longfish801

13・67:殺人事件はもちろん、マフィアの争いや誘拐など描かれる事件は多種多様。骨太な警察小説でありつつ、読者が謎を解けるよう配慮している節がある。クワンはときに超法規的手段を辞さず、市民を守るためなら組織に逆らうことさえする。その性格が、トリッキーな展開と深く結びついている。

2017-11-26 18:34:29
杉本@むにゅ10号 @longfish801

13・67:全般的に感じることだけど、謎を解くことよりも、狡猾で凶悪な犯罪者たちに罪を認めさせることのほうが難しい。名探偵など現実にいるはずもないが、いてほしいと思わざるを得ない。そんな本格ミステリとしての根源的な矛盾が、香港という都市の歴史と重ね合わされている。

2017-11-26 18:35:11

新聞・雑誌等に掲載のレビュー

文藝春秋 文藝出版局 @BunshunBungei

翻訳ミステリー大賞シンジケートの書評七福神九月度ベストが発表されました。 千街晶之さんが『13・67』(陳浩基著・天野健太郎訳)を1位に選んでいます! 曰く、「今年度最高のミステリーだ。」 honyakumystery.jp/4479 #陳浩基

2017-10-12 17:22:16
本の話@文藝春秋BOOKS @hon_web

香港ミステリー界の新鋭が描いた、警察小説の傑作 佳多山大地が『13・67』(陳浩基 著 天野健太郎 訳)を読む|今週の必読 <文春図書館>|佳多山 大地|週刊文春WEB shukan.bunshun.jp/articles/-/8708

2017-10-08 17:05:12
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

「多彩なミステリー趣向と香港現代史の妙が一冊で味わえる傑作。年間ベストテンでも台風の目となるかも。」 週刊新潮に掲載された香山二三郎氏による陳浩基『13・67』評がこちらで読めます。 twitter.com/bookbang_jp/st…

2017-10-19 12:41:10
Book Bang (ブックバン)本紹介 @BookBang_jp

香港現代史の妙と多彩なミステリー趣向 ついに日本上陸 [レビュアー]#香山二三郎(コラムニスト) bookbang.jp/review/article… 『13・67』#陳浩基[著]文藝春秋 #書評

2017-10-19 12:28:32
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

「香港現代史描く上質ミステリ」 川本三郎・評『13・67』=陳浩基・著 (毎日新聞2017年10月29日東京朝刊) mainichi.jp/articles/20171… 「香港人の作者(一九七五年生まれ)がこれほど面白いミステリ(警察小説)を書くとは正直、意外だった。」(引用続く)

2017-10-29 02:33:25
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

ミステリの新潮流として宇田川拓也氏が「華文ミステリ」(中国語ミステリ)3作品を紹介している『きらら Qui La La』2017年11月号(小学館)を入手。オンラインでも読めます→ shosetsu-maru.com/fbs/column/259 pic.twitter.com/tYCCzmEGQa

2017-10-29 11:13:03
拡大