こくばん

よつげ @Eight_os

２５ 名前は確か… 章大くん？だったかな？ いつの間に侯隆くんが彼をヤスと呼ぶようになったかは分からないけど、小二の時侯隆くんはそう呼んでた。 「ん、よこちょこの子誰ー？彼女？」 「え」「は」 「「違う！！」」 綺麗にハモる私と侯隆くんの声。 #エイトで妄想

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２６ 直後に、 「あ…ごめん」 「ううん…」 何となく頭を下げ合う。 侯隆くんの耳は少し赤くなっていて あれ、意外と可愛い？← と、いう思考をぶち壊すように響く章大くんの声。 「息ぴったりやん笑 付き合ったら？」 「ちょ、葉瑠ちゃんが困るやろ！」 #エイトで妄想

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２７ 嫌じゃないよ？ なんて、言えるはずもないけど。 私を気遣ってくれたのが少し嬉しかったりも…する。 「俺安田章大な。よろしく」 「前島葉瑠です」 章大くんは、小二の時、侯隆くんと特に仲がよかったけど、普段は一人遊びしていたことが多かった気がする。 #エイトで妄想

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２８ こうした出会いから。 やがて 二人は私にとって 初めての 『親友』になっていく。 …でも、今の私はそんなこと知らないから、 私の高校生活に、 ちょっと光が見えただけ。 #エイトで妄想

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２９ 侯隆くんの席は私の隣で（だから初日席を間違えたらしい）、章大くんは侯隆くんの前。 席が近かった私たちは、自然とよく話すようになった。 …いや、私が二人の話に巻き込まれるようになった、という方が正しい そうなると、二人の知らなかった一面が見えてきた。 #エイトで妄想

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３０ 章大くんは、 私は最初、彼のことを取っ付きづらい人だと思っていたけれど、 話すと意外とほんわかした喋り口で、 まあ文句は多いけど、それさえもそのふわっとした口調で、まるでこっちをなだめるかのような雰囲気を放っていた。 勉強は出来る。 #エイトで妄想

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３１ しかし真面目にはやらず、授業中は絵を描いていることが多い。 右斜め前の席の章大くんがノートの左端に先生の似顔絵なんか書こうものなら、 思わず笑ってしまって似顔絵そっくりの先生に怒られる。← それを見て章大くんは悪戯っぽく笑うからたぶん確信犯。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/yYoKowIVzI

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３２ 侯隆くんは 私はすごく驚いた。 小二の頃の印象とは随分違っていたから。 明るいみんなの中心、というイメージだったけれど、実際は割と静か、行事や遊びになるとテンションが上がる。 だから静かにいる時の頬杖をついている横顔に …ちょっとドキドキしたり #エイトで妄想

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３３ 章大くんとは逆で授業は真面目に受けるけれど、成績は芳しくない。 家に帰ると大概寝てしまうかゲームするかのどっちかだからだそう。 ゲームの時は結構遅くまで起きてやっているのか、次の日授業中寝てしまうこともある。 机に突っ伏して、ちょっと顔を横に向けて。 #エイトで妄想

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３４ 侯隆くんは顔立ちがすごく整ってて つまり寝顔もかっこいいわけで。← 横向き…ということは大抵隣の私の方に顔が向くので、私はそっちを見ないように必死。 …見たら何となく照れちゃうもん。 そうそう、照れるといえば、侯隆くんは結構な照れ屋でもある。 #エイトで妄想

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３５ ちょっとでもからかわれたりするとイリュージョンの如く耳がどんどん赤くなる。 悪化すると汗まで出てくる。 そういう時は笑う時にも口元に手を当てて笑うことが多い。 そういう所は可愛らしい。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/kypufsBEHY

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３６ そうそう、イメージといえば、二人に言われた。 「葉瑠ちゃんさ、なんか印象違ったわ」 「へ？」 「いや、昔さ、結構一人とかでおって、友だちとおってもあんまり喋らんかったから 話すの苦手なんかなーと思ってた」 「あーわかる、俺葉瑠ちゃん覚えてなかったもん」 #エイトで妄想

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３７ 「ちょ、お前それは失礼やろ笑」 私を中心に、二人の会話が展開されている。 …なんか、不思議な気分で。 でも、悪い気はしなかった。 「私そんなに静かだった？」 「だいっぶ笑 でも、高校上がって話してみたら、話しやすいなーって」 「わかるわかる」 #エイトで妄想

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３８ そう言われると…嬉しい。 今まで自分から誰かに話しかけようともしなかったくせに、ほんとに身勝手だけど。 思わず顔が綻ぶ。 それに対して章大くんが 「あ…笑った」 「え？笑」 「俺葉瑠ちゃんが笑ったの初めて見たかも笑」 そう言えば、人前で笑うなんて。 #エイトで妄想

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３９ …ん？何年ぶりだっけ…？ すると、侯隆くんも優しく笑って 「確かに久々な気ぃするわ …でも俺、葉瑠ちゃんの笑った顔好きやな、可愛い」 …へ。 へ！？ 可愛い…って… え！？誰！？ …って私しかいないか… え、何で、どこが！？ いや、それよりも… #エイトで妄想

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４０ 好き…って、言った？ と、考えたタイミングで 「よこちょー、告白みたいになってんで？笑」 と、章大くんがタイムリーにもそんな発言。 思わず顔がぶわっと赤くなる私…と、侯隆くん。← 「は！？いやいやお前何やねん！！」 「え、嫌やったー？」 #エイトで妄想

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４１ 「なっ…」 侯隆くんは、そこで一旦言葉に詰まると、一瞬私をちらっと見て。 「嫌ではない…って、お前何言わすん笑」 と軽く章大くんの頭をはたいていた。 …嫌じゃない、のか。 私と一緒にいて。 それを聞けただけで …心が満たされるような。 #エイトで妄想

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４２ 五月のある日。 ようやく高校の時間割にも慣れてきた頃。 「なぁー、次の授業何やっけー？」 と、聞いてきたのは章大くん。 この頃から私は３人の中で一番しっかりしてると思われていたようだ。 二人にも、他のクラスメイトにも。 「えーっとね…世界史」 #エイトで妄想

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４３ 「…世界史かぁ…」 「うーわ、世界史無理や俺」 侯隆くんも例のごとく会話に入ってくる。 「俺な、日本史めっちゃ得意やねんけど、世界史あかんねん」 「よこちょカタカナ苦手やもんな笑」 「おい(怒)」 二人のやり取りにただクスクス笑うのもいつものこと。 #エイトで妄想

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４４ …だったんだけど。 「なぁなぁ、サボろー？」 冗談か本気か、いつもののんびり口調で章大くんが言った。 唖然とする私と侯隆くん。 「ちょ、お前声でかいて」 「ええよ別に 俺はもー決めた！サボる！」 …さもスゴい自慢をするかのように章大くんは言う。 #エイトで妄想

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４５ 侯隆くんは、困ったように頭をかくと 「…しゃーないなぁ… ヤスほっといたら何するかわからんし、俺もサボろ笑」 「え、ちょ、ひどない？笑」 え、二人ともサボっちゃうのか。 世界史の先生喋り方が単調ですぐ眠くなるんだけどな… と思っていると #エイトで妄想

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４６ 「葉瑠ちゃんはどうする？」 章大くんが聞いてきた。 けど、 え、私、どうしよ（焦）。 「ちょ、あかんやろ 葉瑠ちゃんやって、普通に授業受けたいやろし…」 侯隆くんも何故かあたふたする。 確かに私は、二人から見たら真面目に授業を受けている方だろう。 #エイトで妄想

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４７ しかし、 二人は勘違いをしている。 「そっか、ならしゃーないか」 章大くんがそう言って歩きだそうとしたその時。 私は 「あたっ…」 お腹を押さえてその場にうずくまった。 「ちょ、葉瑠ちゃん大丈夫！？」 駆け寄ってくる二人。 #エイトで妄想

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４８ その二人に私は章大くんのような悪戯っぽさをイメージして笑いかける。 「あいたたた…あー、ちょっと今日お腹痛いなぁ…これじゃあ、世界史の授業、痛くてやってられないかも…？」 二人の勘違い。 それは 私がいい子だと思い込んでいること。 #エイトで妄想

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４９ 残念。 私、そんな真面目っ子じゃないよ？ 本当は友だちとこういうこと、してみたかったんだよ？ そんな思いも込めて上目遣いしてみる。 苦笑している侯隆くんと 「あ、今日女の子の日か！それは痛くて授業中気絶するかもしれへんなぁ笑」と笑って言う章大くん。 #エイトで妄想