ZK -瑞雲仮面-　＃８

劉度 @arther456

「どうなってんの！？」発作から回復した提督は困惑していた。艦は霧のドーバーを抜け、更にそこでは駆逐水姫が見たことのない深海棲艦によって首を撥ねられていた。《提督、とにかく命令を！》「わ、わかった！不知火たちはあの艦を牽制！待機中の艦娘は全員出撃して！」22

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霧の中で既に出撃していた不知火、電、五十鈴、オイゲンは、砲撃しつつ欧州棲姫に迫る。呆然としていた姫だったが、迫る艦娘を見て我に帰ったようだ。艤装を展開し、おびただしい砲弾と艦載機を吐き出し始める！「多いのです！？」「強いわ、油断しないで！」23

劉度 @arther456

「三式弾、ふぉいあー！」オイゲンが空に向けて主砲を撃つ。しかし砲弾は、編隊の遙か手前で炸裂、ろくな損害を与えられないまま散った。「早すぎます、オイゲン！」「む、向こうが遅すぎるのよ！」「なら直接ぶつけなさい！」五十鈴の対空機銃が唸る！24

劉度 @arther456

「ちっ！」雷撃を避け、不知火は姫に砲撃する。弾は呆気なく弾かれた。火力不足！「提督、そちらに敵が向かいました！」《わかってる！機銃、無人機、出して！》蔵王の対空兵装が起動する。それでも、迫る艦載機は多い！「あのままじゃ押し切られるよ！？」オイゲンの声はひきつっていた。25

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そこに、新たな機影が割り込んだ。楕円型の翼の艦載機が、エイ型艦載機を次々と屠る！「はわっ！？」「何あの飛行機！？」誰も見たことがない機体だ。ただ１人を除いては。《Spitfire……！》《知っているのか金剛！》《提督！通信機貸して！Please！》26

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謎の戦闘機から攻撃を受けた深海棲艦は、不知火たちには目もくれず、一目散に駆け出した。「逃がさないわ」「待ってください！前方に魔力反応です！」新手。敵か味方か。少なくとも、そちらに向かい憤怒の形相を向ける深海棲艦の味方では無いことは確かだった。27

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【ZK -瑞雲仮面-】　＃７おわり＃８へ続く