天才病理医Dr.ヤンデル ネットからフェードアウトを宣言する
出発前、モンゴルのソングド病院の病理医からコンサルテーションのメールが届いていたのだが、ウランバートルはこの時期、夜はマイナス25度になると書いてあった。札幌ではせいぜい夜中でもマイナス8度ですよ、それでもぼくは春が待ち遠しいのです、返事を書き背中を丸めて東京に来たら普通に春だった
2017-12-20 16:02:02めしにしましょう、自分では電子版を買い、書籍版も購入して研修医室に教科書と一緒に放り込んでおいたところ、初期研修医たちがくちぐちに「あのやりすぎ料理のマンガがおもしろいです、教科書はめんどうで読んでません」などと絶賛されている
2017-12-20 16:04:44フラジャイルも置いてあるのだが「病理医のステマと思って読んでませんでしたが、料理の本を読み終わって暇だったのでちょっと読んでみたらとてもよかったです」とこちらも絶賛であった 教 科 書 を 読 め
2017-12-20 16:07:12出張のたびにFacebookに「○○研究会に来ています」とか書き込むのがあんまり好きではなく、はいはい充実アピールね、くらいの冷ややかな目で見ていたのだが、出張や業績を書き込まないでいたところ「影でこそこそするな」「ちやほやされるところでだけ働くのをやめろ」というお叱りをいただきました。
2017-12-21 14:27:17Facebookの出張報告は「ぼくは今日もまじめに働いてますよ」というのを業界内外にアピールする役割があり、そういうのをやってこなかったぼくはまじめさが足りなかったようです 一緒に働いている臨床医などの医療者にも申し訳ないので、今後はFacebookでもきちんとアピールしていこうと思います
2017-12-21 14:28:54「ツイッターばかりやってないで勉強をしろ」「マニアックな地方出張ではなく中央の大きな会に出席しろ」などいちいちごもっともで、返す言葉もない
2017-12-21 14:30:14人並みには仕事をしてるつもりだったんだけど、「ツイッターをやってる」「学問じゃないところで知られている」「本とか書いてる」みたいな因子がマイナス100ポイントくらい計上されるので、人並みプラス100ポイントはたらかないとだめなんだな、という納得を得ました
2017-12-21 14:35:50コンサルテーションしてもらって戻ってきました 図抜けて頭のいい病理医がプレパラートをみながらしゃべるのを聞いていると、映画を1本みたあとのような強烈な感動と疲労がある
2017-12-22 10:06:48おとといからずっと考えていたのだが、ネットほかでの発信を頻繁に行いながら病理医をやっていることで、「仕事をいっしょにしている臨床医はなんとも思わないし仕事で判断してくれる」かもしれないが、「仕事をいっしょにしていない病理医ほかのスタッフから白い目でみられる」
2017-12-22 10:09:06結果的に臨床医がなにかをする際に、「あのネットばっかりやってる病理医に監査してもらった仕事だろ?」というレッテルを貼られて仕事を低くみられたり、迷惑をかけることもある……
2017-12-22 10:10:03現実、ツイートを減らしたところで自分の仕事のクオリティがあがるとか論文の量が増えるかというと、仕事を削ってネットに没頭しているわけではないのでぼく自身はとくに変わらないのだが、そういうことは近くにいないと見えてこないだろうと思う
2017-12-22 10:11:48本を書いたりするのも同じ事で、「まじめに病理をやっているならそんなヒマはないはずだ」という意見が必ず出る ぼくだけの問題ならまだいいが、一緒に仕事をしている人に申し訳がたたない
2017-12-22 10:12:46理屈ではなくて情念の話であり、説得すればよいとか証明すればよいとかいう次元の話でもない 今後、どうすれば一番よいのかを真剣に考えなければいけない時期に来ている
2017-12-22 10:14:48画像・病理対比という仕事は病理の業績としてはかなり下のほうの仕事であり、だれでもできる仕事でもあるので、この世界で「講演」(これも論文に比べるとだいぶ価値が低い)を繰り返しているということ自体がリスキーではあった SNSのアカウントがでかいというもうひとつのリスクが拍車をかけている
2017-12-22 10:17:44フラジャイルのおかげで病理の知名度もあがり、2011年にアカウントをはじめたときのモチベーションであった「病理を広報したい」という思惑からも2014年からはだいぶ離れて過ごしてきた 自分のためにやるSNSが他人のためにならなくなった時点で潮時なのだろうと思う
2017-12-22 10:19:50SNSの終わり時というのは、やめますとかアカウント消しますみたいな興味をひくような「やめるやめる詐欺」ではなくて、次第にフェードアウトしていくものだと思う たぶん今後少しずつツイートが減っていきます ここが到達点で、あとは皆さんにおまかせする
2017-12-22 10:22:41病理専門医2400人という数字は数年前に比べて確実に増えているし、現在病理研修中の医者が500人弱いるというのは記憶の限りでは過去最高 上にはぼくを叱ってくれる人がいて、下にはぼくを追い越そうとする人が増えている今、やるべきことはシンプルです
2017-12-22 10:30:08文句のつけようがない「いち病理医」になれたらそのときはまたツイートが増えると思います ブログの更新は続けます ときどき本の紹介をしにきます それでは皆さん、さようなら。また会いましょう
2017-12-22 10:31:12