ツイッター小説 お気に入りセレクト 2011/04/01
#twnovel 四月一日の朝。「実は私、貴方のことが好きなの」と、彼に告げた。それは嘘のように見せた本当の気持ち。そうとも知らずに、彼は笑って言う。「実は僕も君が好きなんだ」それは本当にならない嘘の言葉。それでも今日一日、私はその言葉に騙される。愚かに胸を躍らせ、今日を過ごす。
2011-04-01 23:35:35#twnovel 明日から1年間は決して嘘をついてはいけません。そのためにエイプリルフールがあるのですからね。それでは正直者の皆様、おやすみなさい。
2011-04-01 23:37:03男「好きです。結婚してください」女「えぇっ!?本当に?」男「ヤダなぁ、今日は4月1日。エイプリ…」女「嬉しい…ありがとう…待ってたわ」男「えっ…いや…」女「式は?両親にはいつ挨拶する?」男「うあ…」こうして軽い嘘のつもりで結婚したのが現在の妻である。 #twnovel
2011-04-01 23:39:14#twnovel 新しい相手の話になったとき、嘘はつけなかった。「おれはずっと一人だよ」あのときから、ずっと一人。「格好つけた嘘なんてやめてよ」彼女はウイスキーをあおって笑った。「エイプリルフールだからって」「…嘘じゃない」――届かない。爪痕すら、残せない。
2011-04-01 23:40:17時計の針は午前零時過ぎを指している。「エイプリルフールじゃ…ないよな」と父が視線を落とした先にあるのは、今さっき母に手渡されたばかりの離婚届だ。「愛想が尽きたのよ」母はそう言って席を立つ。しかしその母が楽しそうに家中の時計を半時間進めていたのを、私は知っていた。 #twnovel
2011-04-01 23:40:34今年はより一層楽しい嘘を。馬鹿馬鹿しいと鼻で笑われるようなとびきりの嘘をついておいで。そう言って送り出した道化師が戻ってきた。「お疲れ様」と声をかけると派手な衣装がくにゃりと折れる。その中から這い出てきたマングースを抱き上げて、不思議な魔女は笑う。万愚節は回る。 #twnovel
2011-04-01 23:44:24他に好きな人がいるから、と君は笑顔で僕の前から去っていった。今日がなんの日だったかは考えないことにした。前の日に見たあれはきっと嘘じゃなかった。もーヤだーとか言われたら今日はそういう日だからと笑ってすませるところだった。はずだった。そういう作戦だったのに。 #twnovel
2011-04-01 23:45:03#twnovel そういや今日はエイプリルフールだったっけ。日付が変わろうとする頃に思い出した。腐れ縁の幼馴染に電話する。『…何よ、寝てたんだけど』「いや、お前に言いたいことがあって。俺、実はお前の事が…」カチリ。時計が0時を過ぎた。「好きなんだ!」『ありがとう!』…あれ?
2011-04-01 23:48:50友達キットが僕に「お前は俺がいなくても大丈夫。明日ここを出る」という。急にそんなこと言われても、と半泣きになったら「エイプリルフール」と頭をなでられた。あのね。ついていい嘘とダメな嘘があるんだよ。誰も幸せにならない嘘はついちゃダメ。これだけは絶対に忘れないで。 #twnovel
2011-04-01 23:56:24#twnovel そろそろいいだろう。ホテルをチェックアウトして、終電に乗り込む。帰宅する頃には日付も変わっている。携帯電話の電源はまだ切ったままだ。昨夜、日付が四月一日に変わった途端に電話してきたあなたが、わたしに告げた言葉を反芻する。「今日は何の日?」なんて言い訳はさせない。
2011-04-01 23:56:394月1日。僕は彼女にプロポーズした。彼女は快諾。そして着々と準備を進め、ついに式当日―。彼女は来なかった。彼女に連絡を取る。「どういうことだ?結婚するんじゃないのか?」「あらいやだ。エイプリルフールの嘘よ。貴方もそのつもりだったんでしょ?」「そうだよ。ハハ…」 #twnovel
2011-04-01 23:58:23何を言っても信じてくれないならば、何も言わない。何も言わせない。口をふさいで抱き締めて、離さない逃がさない。息苦しさと引き換えに酸素と熱を交換し、互いに心が読めるまで目と目を合わせて溺れてく。遠く遠く、無限の彼方に感じる距離を越え。深く深く、この空と宇宙の底で。 #twnovel
2011-04-01 23:58:51#twnovel 「今日は4月1日、嘘をついてもいい日じゃよ」「おじいちゃん、それは昨日ですよ!」
2011-04-02 00:01:26うそかもしれないし、うそのうそかもしれないし、だから安心して「すき」って言える日。 #twnovel #twpoem (3分遅かった残念!)
2011-04-02 00:02:26#twnovel 「好きだ、付き合ってくれ」「いいよ マジで!?」「何本気で喜んでんの?今日は4月1日でしょ?」「時間 ・・・」「あ・・えっと・・・喜んで///」 そんな、0時過ぎのメールでの会話
2011-04-02 00:16:23「あんたなんかキライ!」と枕をばふばふ叩きつけていた彼女が急に黙り込んだ。視線を投げた時計はとうに日付けが変わったことを示している。「そんなに俺キライ?」枕を退けながら尋ねてみる。「……っ」突っ伏して赤い顔をシーツに埋める。「もうエイプリルフールじゃないもん!」 #twnovel
2011-04-02 00:39:39