吹雪たちが使うグレネードよりも強烈な爆風が吹雪を吹き飛ばし、壁にたたきつける。 「うそっ……やっぱり強い……」 #fallout鎮守府
2018-01-09 10:57:31.44口径弾なら確かに貫通はできるが、心臓を打ち抜かなければ難しい。まして相手はグレネードランチャーよりも効果力の武装を持っているのだ。 艤装がなければ多少頑丈な程度の人間でしかない。吹雪は倒れながらも周囲を確認する。 #fallout鎮守府
2018-01-09 10:58:03「吹雪姉さんっ……!」 磯波が破損したパワーアーマーを脱ぎ捨て、吹雪を引きずってがれきの裏に隠れる。 「磯波……無事でよかったからもう1つお願いがある。」 「何?」 「中二階の死体がいいものを持ってるからそいつをネ級にぶち込んでやって。」 #fallout鎮守府
2018-01-09 10:58:30磯波はうなずくが、階段との間にネ級がいる。砲の装填中だが、対空機銃くらいは持っておりそれで狙うこともできるだろう。 「ネ級は?」 「私が援護する。行って。」 #fallout鎮守府
2018-01-09 10:58:58そういうと吹雪は.44口マグナムを発砲、ネ級はその音に気付きすぐに遮蔽物に隠れる。装甲を打ち抜く威力がある銃弾を目の当たりにして、これは危険だと思ったようだ。 #fallout鎮守府
2018-01-09 10:59:34その隙を縫い、磯波は階段を必死に駆け上がる。階下ではネ級が顔を出すたびに、吹雪が.44マグナムを発砲し顔を出さないように抑えている。 「えっと、えっと……」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:00:10中二階に磯波は到着すると、レイダーが持っている武器に目を付ける。巨大な爆弾を打ち出すカタパルトのようなランチャーだ。 搭載されている爆弾には?マークが付けられている。明らかに核弾頭だ。 「姉さん、これって……」 #fallout鎮守府 pic.twitter.com/ULhnFWw3zS
2018-01-09 11:01:59「いいからぶっ放して!」 明らかに危険そうな代物だが、吹雪に言われたまま磯波はトリガーに手をかけpip-boyのスイッチを押しVATSを起動させる。 構え方が補正され、扱ったことがないにも関わらず照準器は的確にネ級をとらえる。目標は足だ。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:02:17「発射……!」 磯波は右手でぐっとトリガーを押し込み、ヌカランチャーを発射する。 小型の核砲弾が放物線を描き、ネ級へと迫る。同時に磯波は近くの窓を突き破り、そのまま外へと飛び出す。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:02:46わずかな時間の後、光と強烈な熱線が窓を突き破り、そのあとで爆風が窓から一気にあふれ出し、窓ガラスの破片とともに噴き出す。 「っ……」 磯波は着地し、壁を背にする。壁は火傷しそうなほど熱くなっており、爆風も止む。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:03:12「ね、姉さん……?」 磯波はそっと扉の中をのぞく。室内は埃がまっており、視界が効かない。pip-boyのガイガーカウンターは高めの数値をはじき出している。 「こっち。どこ見てんの。」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:03:37後ろから小突かれ、磯波が振り向くと吹雪が立っていた。頭から血は流しており、セーラー服もボロボロだが元気に立っている。 「姉さん、よかった……!巻き込まれたかと……」 「大丈夫。ヌカランチャーくらいよけられないと一人前なんて言えない。」 「あれを……?」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:04:03磯波には想像がつかなかった。戦略級兵器ともいえる小型核砲弾を切り抜けるなんて想像もつかなかったのだ。 「まぁ、それよりあの2人を探さないとね。」 「そ、そうでしたね。」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:04:372人はガイガーカウンターを無視し、ヘブン内部を探り始める。ホールは完全に崩落し、隣の部屋も焼け焦げている。 しかし、地下への入り口は無事に原型を保っている。入り口はシェルターに使われる鉄扉で、爆風が入らないようになっている。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:04:58「……はいるよ。」 ピッキングで扉を開け、吹雪がレバーを回して扉を開けると、シェルター内部にみすぼらしい服を着た少女が何名も監禁されていた。 「……吹雪殿、でありますか?」 「朝潮。無事ね……」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:05:32吹雪は、声をかけてきた朝潮を見てほっと一息つく。Vaultで見た時よりも体の線が細く、声もどこか弱弱しい。 「はい、何とか耐え抜きました。潮も無事ですが、弱っていて……」 「本当……」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:05:58磯波は眠っている潮をみつけるが、彼女は朝潮以上に弱っているのが見受けられる。体のラインは以前見た時よりも細く、呼吸もやや細い。 「……磯波、どうする?」 吹雪は周囲を見て首をかしげる。同年代の少女も多くいるのだ。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:06:28「……とりあえず全員連れ帰ってみる?Vaultはまだ空き部屋があるし。」 「食料はどうするの?」 「適当に戦前の町とか、こことかあさって探せばきっと見つかる……はず。」 ふーん、と吹雪は目を細める。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:07:18「……まぁ、一緒に付き合ってもいいけど。私だってこのまま置いていくのも目覚めが悪いものね。」 「いいの、姉さん。」 「嫌じゃなければ。」 その答えを聞き、磯波はうれしそうにうなずく。 「いろいろとあったけど、姉さんと一緒の旅は楽しいから。」 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:08:12その後、2人は少女たちと、救出目標の潮と朝潮をVaultに連れ帰った。 彼女たちは、誰かを守るために、銃をとることに、命を懸けることにためらいはなかった。 吹雪と磯波、その2人の姿が心に焼き付いていたのだから。 #fallout鎮守府
2018-01-09 11:09:54