ライフ・アフター・デス ＃２

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KABOOOOOM！爆発！そして震動！「別室」から炎が噴き出し、客が悲鳴を上げて逃げ惑うさまを、もう一人のソウカイニンジャ……ホローポイントは、サーモン解体台から眺めた。「素敵」赤い肌の女が台に腰掛け、ホローポイントに優しく微笑みかける。「始まったじゃない。アナタも仕事しなきゃ」　23

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「黙れ」ホローポイントは女を睨んだ。この女は彼にしか見えない。幻影に過ぎない。彼は黒服に向かって無造作にサーモンを投げつけた。「イヤーッ！」「グワーッ！」チャカ・ガンを抜き、無差別に撃ち殺す。BLAM！BLAM！BLAM！BLAM！「アイエエエエ！」逃げ惑う客！　24

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彼はイタマエの死体を蹴り転がし、別の魚を置いた。ナムアミダブツ……それは……なんと冒涜的な事か！マグロの生首である！生首にはヒイラギの葉がデコレートされている！さらにホローポイントは懐からショドーを取り出し、ドス・ダガーで縫い付ける。クロスカタナのショドーを！　25

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「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」警報音が鳴る中、ロシアンクローンヤクザはホローポイントを敵と認識し、チャカやカタナを手に向かってくる。BLAM！BLAM！BLAM！BLAM！ホローポイントは淡々と撃ち殺す！「グワーッ！」「アバーッ！」　26

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KABOOOOM！再び別室方向から炎！「イヤーッ！」「アバーッ！」悲鳴！やがて、炎の影の中から二人のニンジャが現れる。ヴァニティとインシネレイトだ！ヴァニティはその手に持ったニンジャの……ヴイシバラの無惨な上半身を床に投げ捨てた。「サヨナラ！」ヴイシバラは爆発四散した。　27

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「やり過ぎじゃない」ホローポイントの耳元で幻の女が囁いた。「賭場を守っていたあのニンジャも、まさかこんな惨い死に方をするとは思ってなかったでしょうね」「ソウカイヤはオトシマエをつける」と、ホローポイント。女は腕に指を這わせる。「アナタはどんな酷い死に方をするんだろうね……？」　28

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BLAM！ホローポイントは真横に銃を撃った。銃弾は女をすり抜け、逃げる客の頭を撃ち抜いた。「アバーッ！」今や炎はカジノの絨毯を伝って広がり、ジゴクを作り出しつつあった。スプリンクラーが作動し、水煙が噴き上がった。「大漁、大漁」インシネレイトは漆塗りの重箱を抱えている。29

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「Отмывание中」は過冬の直営であり、闇資金の一時保管所としても使われていた。インシネレイトが奪取したのは店の奥の秘密金庫にしまわれた金塊や物理信用素子、エメツである。死屍累々のアビ・インフェルノの中、三人のソウカイ・シックスゲイツのニンジャは無言で視線を交し、堂々と退出した。　30

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プツン。UNIXが電子音を鳴らした。机に突っ伏して眠っていたタキはダルそうに顔をあげた。「アー……」タノシイ・ドリンクのボトルを探る。空っぽだ。壁に投げつけると、跳ね返ってくる。首を傾けて躱し、アラート内容に注意を向ける。彼は目を見開いた。「アア？」　32

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コールIDはコトブキだ。「アイツ……」マナウスから一報を入れてきたきり、再び音信不通になっていた。「ふざけるんじゃねえぞ、全くよォ」脂っぽい金髪を掻き、キータイプを行う。「今どこにいるんだ、このバカは」……シトカ？　33

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タキは流れる文字列にレスポンスを返した。セッションは短時間だった。舌打ちして立ち上がった彼は、ハシゴを伝って「ピザタキ」店舗に上がっていく。トイレの隠し扉を開けて、フロアに戻る。ブラウン管TVの音声が聞こえてくる。タキは顔をしかめる。「居たのかよ」カウンター席の二人がタキを見る。34

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「まあいい。手間が省けた」タキは呟いた。垢ぬけない女がタキを見た。「進展あったンスか」女の名はシキベ・タカコ。探偵。剣呑な目つきがタキの気に入らない。だが、隣に座っている男のほうがヤバさでは上。威圧はしてこないが、タキの動物的なカンがそう告げている。こいつがフジキド・ケンジだ。35

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【続く】