ベリアル・アンダーカバー ＃７
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
◆「イヤーッ！」カークィウスは振り下ろされる腕の内角に潜り込むように動き、肩から背中にかけてを衝突させた！カラテ奥義ボディチェック！ヴァニティは吹き飛びながらクルクルと高速回転、ウケミ着地でその衝撃を大地に逃がす！カークィウスの頭上、続けざまにインシネレイトが火球を叩きつけた！◆
2018-08-21 21:44:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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近年、過冬と我らソウカイ・シンジケートは一触即発の関係にある。常にネオサイタマに進出しようとしてくる過冬に対し、この機に乗じて先手を打つ。過冬のシマを荒らし、宣戦布告を行い、シンウインターを挑発し続けろ。ノコノコと表に現れれば、そのまま殺せ。……チバの非情なる命令はそれだけだ。1
2018-08-21 21:46:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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（シンウインターを殺るんスか？そりゃめちゃくちゃアツイッス！けど……オヤブンッスよね？呼んでも出て来ねえんじゃないスか？）（ア？）ネヴァーモアの目が曇った。そして嵐。（アッコラー！？シックスゲイツが人数揃えて殺せねえワケねえだろオラー！？シックスゲイツ何だと思ってんだコラー！）2
2018-08-21 21:49:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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（そりゃ当然ソウカイヤ最強のニンジャ戦士！つまり地球最強のヤクザッスよ！俺はその一人！）インシネレイトは目を血走らせ、叫び返した。するとネヴァーモアは畳みかけた。（ならカッたりいこと考えてんじゃねっぞコラー！弛んでんなオラー！幹部でも何でも殺せやコラー！やり続けろッコラー！） 3
2018-08-21 21:52:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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（ヤッチャラジャレッケラー！）インシネレイトは怒声で返した。彼にとってソウカイ・シックスゲイツ即ち英雄。そして今や彼自身がその末席にある。ならば、やるだけだ！オヤブンの、そしてネヴァーモア＝オニイサンの信頼に応え、名実ともにシックスゲイツの一人として他の五人の対等存在たるべし！4
2018-08-21 21:57:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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KA-BOOOOOM！カークィウスに叩きつけた火球が爆発し、熱と光が一杯に広がった。激痛と熱が全身を駆け巡る。身体はとうに限界を迎えている。問題なし！「イイイイヤアアーッ！」インシネレイトは炎を渦巻かせた。炎熱は風となって、影めいたクローンヤクザ達を燃やしながら押し返した！「アバーッ！」5
2018-08-21 22:05:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「シューッ……！」クロス腕でカトンを防ぎ切ったカークィウスは、鸚鵡めいたメンポの奥の謎めいた目をギラリと輝かせた。「まだ戦えるか？油断禁物といったところだな。さすがはソウカイ・シンジケートの精鋭戦士。しかし」「イヤーッ！」ヴァニティが襲いかかる！カークィウスは反応！ 6
2018-08-21 22:07:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」右ストレートを掌でガード！「イヤーッ！」捻り、アイキドーめいて投げつける！ヴァニティは逆さになりながら延髄にケリを繰り出す！「イヤーッ！」「イヤーッ！」腕でガード！「イヤーッ！」蹴り返す！「グワーッ！」吹き飛ぶヴァニティ！「しかし……満身創痍。自覚したほうがよい」7
2018-08-21 22:09:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」インシネレイトは遮二無二襲い掛かる！カークィウスは振り向きざまの蹴りで応戦！「グワーッ！」「イヤーッ！」ヴァニティが向かってゆく！追い打ちを許さない！「イヤッ！イヤーッ！」防御！そして短打！「イヤーッ！」ヴァニティは腹で耐え、カークィウスの頭を……掴む！ 8
2018-08-21 22:11:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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メキメキとカークィウスのメンポが軋む。ヴァニティとカークィウスの凝視が衝突する。「コイツ……！」ヴァニティは眉間に皺を寄せた。だが決断が必要だ。彼女は両手で頭を掴み、真正面から頭突きを叩きつけた！「イヤーッ！」「グワーッ！」倒れ込むカークィウス！ 9
2018-08-21 22:13:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「アッ……！ハアッ……！」ヴァニティは荒い息を吐き、出血する頭を反らして、後ろへ数歩下がった。追い打ちなど望めない。戦闘を継続するのが精一杯である。「ド畜生が……！」インシネレイトがカークィウスの後ろでカラテを構えなおす。前門のタイガー、後門のバッファローの位置関係である！ 10
2018-08-21 22:15:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ヴァニティは敵のカラテを吟味した。カークィウスは過冬のワイズマンを統べる者。一方ヴァニティとインシネレイトは抗争の中で徐々に中央区への後退を強いられ、今や気力だけで戦闘している状態。しかし、なお死力を尽くせば、この敵は倒せる。そう感じた。……だが、その希望が逆に訝しい……！ 11
2018-08-21 22:23:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「テメェは大したことねェ……！クチほどにもねえ……わかるぜ……」インシネレイトが言い放った。「テメェをキンボシ・オオキイすりゃ、シンウインターのクソ野郎も出てくるだろうがよ……アア……？」前かがみになり、両手に炎を握り込んだ。ヴァニティは唸る！然り、攻めるしかないが……！ 12
2018-08-21 22:26:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「シューッ……！」カークィウスは身構えた。大きな翼を、数度羽ばたかせた。何らかのヒサツ・ワザの兆候か！迷えば死！（クソッ……！）ヴァニティはインシネレイトとアイコンタクトし、同時に襲い掛かった！「「イヤーッ！」」「イヤーッ！」カークィウスは全方位にスリケンを放つ！否！羽根だ！ 13
2018-08-21 22:30:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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羽根のスリケンは挟み撃ちに襲い掛かる二者を激しく傷つけながら放射状に飛び、そのまま風に乗って、致命的な刃の壁で交差点を覆う！「イヤーッ！」「イヤーッ！」インシネレイトとヴァニティはカークィウスのワン・インチに達し、同時近接カラテに出る！「イヤーッ！」「イヤーッ！」 14
2018-08-21 22:32:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」刃の壁に囲まれた中で、ソウカイ・シックスゲイツの二人は過冬ワイズマンの最上位者に己顧みぬカラテを繰り出し続けた。「イヤーッ！」「アバーッ！」インシネレイトのカトン・パンチが背中から胸に貫く！ 15
2018-08-21 22:34:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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身悶えするカークィウスを前に、ヴァニティは限界まで上体を捩じり、右拳を固めた。そして、「イヤーッ！」側頭部！「アバーッ！」殴り抜ける！ヴァニティの拳はカークィウスの頭を打撃力で引きちぎり、吹き飛ばした！「ハ！ハハハハハ！」吹き飛びながら、首は笑う！「オタッシャデ！」爆発四散！ 16
2018-08-21 22:36:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「「グワーッ！」」ヴァニティとインシネレイトは全身を切り裂かれ、倒れかかった。カークィウスは確かに爆発四散した。だがそれは命の消滅を意味したとは思えぬ。その肉体すらも羽根のスリケンと化して拡散し、交差点を封じ込める刃の壁に加わったのである！ 17
2018-08-21 22:39:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「姉御ォ！」インシネレイトが駆け寄り、ヴァニティを支えた。爆散のダメージを特に受けたのは正面のヴァニティである。インシネレイトは歯噛みして周囲を見渡した。彼のニンジャ動体視力は羽の刃が荒れ狂うさまを見る。やがて、羽根が……彼らめがけ襲い掛かる！ナムサン！ 18
2018-08-21 22:41:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」インシネレイトは第一波をカトンで焼き払った。第二波が群れを成し、周囲を旋回する。「どうしろってンだよ！」彼は朦朧とするヴァニティを抱え、安全地帯を探す。交差点に面した、地下街入り口……？「クソがーッ！」ヤバレカバレ！あからさまに危険なその階段へ駆け込む！ 19
2018-08-21 22:43:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ナムサン！転がり落ちるように階段を降りた彼は、シャッター地下街の通路が岩盤事故めいて瓦礫コンクリート破片で封鎖されている事を見て取った。行き止まりである。「上等じゃねえか」インシネレイトはヴァニティを座らせ、階段に向き直り、見上げた。地上を荒れ狂う刃の風。「何でも来いや！」20
2018-08-21 22:47:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
……「ふむ……」カークィウスは己が作り出した羽根刃の致死的ドームをUNIXモニタ越しに眺める。その背後にはアンティークな鳥籠が複数。その一つ一つに、一羽ずつ鸚鵡が収められている。彼は顎をさすった。カラテで殺しきれればそれもまた一興であったが、やはり難。彼自身から現場が遠すぎる。 21
2018-08-21 22:51:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ともあれ、よくやったぞ」彼は呟き、空の鳥籠のなかにセンコを立てた。ナムアミダブツ。そしてモニタに向き直る。どちらにせよ、中央区を「清潔にする」プロセスはソウカイ・シンジケートの死亡・生存に関わらず、この機に行う。ジアゲは漁業利権やエメツと並ぶ過冬ヤクザの本懐である。 22
2018-08-21 22:54:55