「自分は子どものことをわかっていない」という不安とどう向き合うか

不安ベースで教育実践をすることの弊害を指摘した上で、自信と安心感を持って実践ができるために必要な条件についてまとめました。
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

昨日は人間の発達というものが複雑で多面的であり、その全貌を正確に把握しようということは一生かかっても難しいという話をしました。そういう限界があるとしたら、療育者・支援者として、あるいは保護者として、どういう心持ちで子どもたちと向き合えばよいのでしょうか。今日はそこを考えてみます。

2018-01-14 17:46:18
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

発達の全貌を捉えきれない。だから一生勉強だ、どこまで行ってもわかった気になっちゃいけないんだと指導者・支援者が思うのは、一見謙虚で誠実な姿勢に見えます。しかし、どこまで行けばわかったことになるのかもわかっていない状態で子どもを指導することが、本当に謙虚で誠実と言えるでしょうか。

2018-01-14 17:55:52
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

自分が子どもに提供している指導なり支援なりが、偏った価値観の押し付けではないのか、狭い視野に捕らわれた一面的なものでないのか、教室では上手く行くが一歩実社会に出たら通用しないおままごとをやっているだけではないのか。こうした不安を持たない指導者・支援者はいないと思います。

2018-01-14 18:02:35
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

しかし、その不安に惑溺すると、ダークサイドに落ちます。不安から逃れるために最新の知識を仕入れ、その先で新たな不安を「発見」し、その不安を乗り越えるためにまた勉強する・・・。そういうことを繰り返すことが専門家としての健全な成長だと考えると一生を棒に振ります。常に不安だからです。

2018-01-14 18:07:56
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

なぜ不安であってはならないのか。現実に対し率直に向き合えないからです。不安な人は指導が上手く行かないとなった瞬間に防衛機制が働いて、自らの責任を回避しようとします。たとえば子どものせい、同僚のせい、制度のせいといった具合に

2018-01-14 18:17:16
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

また自分のやり方を人から批判された時も防衛的になり、転じて攻撃的になります。議論のトピックそっちのけで相手の無知や人格を攻撃したり、特定の反社会的な派閥にその人をカテゴライズして足れりとします。不安に囚われた人は建設的な議論ができないのです。それはその人の成長を止めます。

2018-01-14 18:21:27
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

不安ベースで自分を成長させる(つもりになる)ことの弊害は20代ではわかりにくいです。若者が「何もわかってません、日々勉強です」と言うことには誰も意義を唱えませんし、少々他人や業界を批判しても元気がよくて結構、ということになるからです。

2018-01-14 18:27:11
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

が、30代、40代、業界も10年目を越えてきた所でツケを払うことになります。同業者を指導する立場になったり意思決定に関わる立場になることで、自分の理屈が通用しない人間と交渉したり、時には挑戦を受けたりするようになり、その時不安に起因する防衛機制が悪さをするのです。

2018-01-14 18:41:25
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

つまり、教育現場の子どもとの関わりには一定の評価があるけど、楽屋に戻れば上司と同僚、あるいは制度の愚痴ばかり、会議では自分勝手な意見を発して顰蹙を買う、それでいて「自分は誰よりも勉強しているんだ、周りがバカなんだ」と思い込んでいる困った中年指導者が生まれます。

2018-01-14 18:44:40
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

そうならないために、つまり不安ベースの仕事から抜け出すために必要な条件が、三つあると思うのです。二つはマストで、一つは努力義務です。①自分の理論と実践の間に一貫性があること ②自分の仕事についての説明責任を果たすこと ③自分の考えを世間一般に積極的に発表すること(努力義務)

2018-01-14 18:51:31
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

①自分の理論と実践の間に一貫性があること。たとえば私は「子どもが『自分はここにいても良い』と思えることが大切だ」といつも話しています。ところが松本の療育実践を見てみると、ルールを守らない子に「出て行け!」と怒鳴りつけていた。これはダメですね。言ってることとやってることが違う。

2018-01-14 18:54:12
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

②自分の仕事についての説明責任を果たす。他者から自分がなぜそういう指導をしているのか説明を求められた場合、その説明の労を惜しまないことです。また批判に対しては真摯に答え、誤りがあれば素直に認めます。しかし相手が間違っていると思ったらとことん議論し、安易に持論を譲ってはなりません。

2018-01-14 19:00:59
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

③自分の考えを世間一般に積極的に発表する。教育固有の問題として、実践相手が子どもであるために、②で言った説明責任をビジネスでいう顧客にあたる子どもから直接求められることが少ないのです。そのため、指導に対する自分の考えや実践を広く世に問い、意見を活発に交換することが重要になります。

2018-01-14 19:17:48
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

この3点、①自分の理論と実践の間に一貫性があること ②自分の仕事についての説明責任を果たすこと ③自分の考えを世間一般に積極的に発表すること を実践していると、必然的に知識も仕入れざるを得ない、考えも深めていかなければならないということが想像できると思います。

2018-01-14 19:49:55
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

その、自分の理論と実践を矛盾を解消しようとする過程で得た知識、人から説明を求められたり批判を受けてそこに答えるために身に付けた知識、自分の意見を世にわかりやすく伝えるために必要とした知識は、自分の一人の不安に応えるために得た知識よりもはるかに有用なんです。

2018-01-14 20:16:26
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

そうやって得た知識は、実践対象である子どもや、議論を交わした人々、あるいは自分が取り組んでいる問題としっかり結びついている。つまり自分と社会の関係をしっかり繋ぐフレームとしての知識である。そういう知識は安心と自信に繋るんです。 twitter.com/gameryouiku/st…

2018-01-14 21:07:46
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

不安ベースで知識を仕入れた人はどうしてもその不安が自分より無知な人への攻撃に容易に転化してしまう。「俺だって知らないのに、お前はもっと知らないじゃないか」という。関係性の中で知識を仕入れた人は、無知な人をみればこれまで知識を入れる必要のある関係性を経験してこなかったんだと考える。

2018-01-14 21:28:00
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

だから不安ベースの人は無知な人に対して、「アレもコレも知らないくせに教育者ぶるな」と言う。関係性ベースの人は「まずはアレやコレから学んでみたらどうですか」と提案する。指摘の内容は同じでも態度が違う。態度が違うというのはつまり人間性が違う。 twitter.com/gameryouiku/st…

2018-01-14 21:36:42
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

実際には、一人の中で不安ベースと関係性ベースが複雑に入り混じって揺れ動いているんです。これが不安のダークサイドに落ちないようにコントロールすることが大切なんです。まさにSWの世界です。

2018-01-14 21:40:43
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

かくいう僕も昨日は「みんな太田ステージわかってねえ!」みたいなこと言ってダークサイドに落ちかかりましたので、今日は朝から道場行って弓引いて邪念を払ってきました。その弓道場にはこういう額がかかっている。身につまされます。 pic.twitter.com/HIQMmn5MfR

2018-01-14 21:48:17
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

なんでいきなり弓道やねんと笑う人もいるかもしれないが、私は大真面目です。不安ベースで働く防衛機制は生理的には交換神経の緊張を意味するからです。歯を食いしばり、全身に力がこもり、呼吸が速くなる。そういう状態で弓を射ても全く当たらないんです。「正しくない」と弓に言われるんです。

2018-01-14 21:56:24

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