“美しい森”と“儲かる山”の印象

@yupcolor

同業者先輩来訪。5時間ほど林業談義。めちゃくちゃ頭使った。ココのところ，何人もの，職業的来歴や背景の異なる職人的林業人と飲んだり，会話をしたりしてきたが，「山で儲ける儲け方」に関する結論が，皆一定の方法に終始する。これは，まことに興味深いと先輩に報告。

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ゲルトリンゲン男爵は，非常に合理的に育林と，経済林業を融合させている。皆この方法に行き着くのが面白い。大きなスキームに行かない。そして面白い事に，以前（10年前）美しい森（ただしちゃんと経営管理されている）を否定していた人間たちも，ある一定以上の経験を経ると，考え方が変わる。

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考えが変わる契機の多くは，ある程度の生活の安定がきたされた時期である事，子供を遊ばせたり，見せたいと思うこと，それから，実際にその目で美しい森を見た事。これらが，契機となっているのが興味深い。あるとき一足飛びに，考えの転換が図られる。

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林業人が美しいと言う森は，よく話を聞いてみると，どこかに経済的な勝算込みで語られるのも面白い。ところで，自分は施業林は「山」と表現し，美しい森は「森」と書いてしまう。「森」と書いた瞬間に，そこでの経済性はない，と言う雰囲気になる。コレがいけないのか。ひとまず美しい山，とでも言うか

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自分の山にコナラがわずかに侵入していた。（プチ）山仕事をする以前は，そのコナラが大木になって育って欲しいと，残存木として伐らずにいた。ところが山仕事をしだすと，ホダ木にしようと，その木を伐りたくなった。美しさよりもしいたけを選択したわけだ。

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このときコナラを全部伐らず，数本を残したら，ただコナラだからと言う理由だけで，残していた林内（の景観？見た目？）よりも，利用のためにコナラを少し伐った時のほうが，なんだか見た感じがかっこよくなった気がする。気のせいだろうか。わからん。でもまあ，こんな調子で山仕事，続行してみよう。

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利用するためには，利用できるような生活の仕方も大事だー。利用によって，生活様式が変わるとも言える。その上，利用の仕方によっては，住環境が充足する可能性が含まれている。そりゃ，明るめの林内とかだと，ツツジとかきれいだしね。ま，あたりまえなんだけれども。林業ってのは，面白い　

@yupcolor

あ，そうそう。山の美しさは，よい山（もう，いわゆるよい山。説明はなし）を造った「結果」であって，人間ごときの好む美しさのために山はいじらないな。なんか，よくそこを誤解されるので，一応書いておこう。景観のためといって山を造っているのは，私じゃないよー。私はしがないプチ山仕事人だし。

@yupcolor

よい山を美しいと感じるためには，よい山を見る（体験する）必要がある。それもできれば日常生活の中で。それを考えると，世の中いろんな人の努力で多くの人の山の見方が，以前よりも人間のご都合主義ばかりになっていないのが嬉しい。そうなれば，いちいち美とか言う必要もなくなるね（嬉　ぐない♪

@yupcolor

生理生態の同業者，自分，修士持っている林業技術者，林務の退官したお役人，そして小学校から山仕事やっている作業班の方。お互いにいろんな山を見ているのに，「あそこはいい山」という山は一致する。全員の共通点は，山の来訪頻度が高く，科学的知識（体験的でも机上でも）を一定以上持っている事。

@yupcolor

山を知れば知るほど，普遍的な価値が生じるのかもしれない。ちなみに，近場でよいと皆が言った山は，南アルプスの天然カラマツ林。また，蛇足だけれども面白いのは，それぞれに，無名で，人に内緒にしている素敵な山を持っている（知っている）って事だ。なんかロマン。

@yupcolor

林内景観の写真だと，前掲の人間たちの「よい山」は一致しない。しかし，直接現場を知っていると（行った事があると）一致するのも面白い傾向。写真は撮っている人の意図や，見ている人の好みが反映するんだろうなあ。一方，知識や経験は，現場の情報を読み取らせる視点を総合的にせしめるのかなー