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世界最初の人工衛星SF「レンガの月」

19世紀アメリカの作家エドワード・エヴェレット・ヘイルによる世界最初の人工衛星SFにして宇宙コロニーSF「レンガの月」のあらすじ紹介。 読みやすいように自分でまとめてみました。
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カスガ @kasuga391
先日アップした「手を触れるなかれ」の反響が思ったより大きかったので、同作者の人工衛星SF『レンガの月』のあらすじも紹介してみようと思ったけど、50ツイートぐらいになりそうなので諦めた。
リンク pixiv 2 users 「手を触れるなかれ」/「カスガ」[pixiv] ▼アメリカの作家にしてユニテアリアン派の牧師エドワード・エヴェレット・ヘイル(1822年~1909年)により、1881年にハーパーズ・ニュー・マンスリー誌三月号で発表された短篇“Hands Off”の拙訳です。 ▼時間を超越する能力を持つ存在の手による歴史介入が描かれる本作は、ブラッドベリの「雷のような音」を彷彿とさせる歴史改変SFの嚆矢であると同時に、その架空宇宙の描写は、ハミ..

カスガ @kasuga391
なんか需要があるみたいなので、E・E・ヘイルによる世界最初の人工衛星SF「レンガの月」(1869年)のあらすじを、思い切って20ツイートぐらいで連ツイしてみることにします。まあ、深夜だし。 pic.twitter.com/y6hnAKnzJr
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リンク Wikipedia 9 The Brick Moon "The Brick Moon" is a short story by American writer Edward Everett Hale, published serially in The Atlantic Monthly starting in 1869. It is a work of speculative fiction containing the first known depiction of an artificial satellite."The Brick Moon" is
カスガ @kasuga391
レンガの月の計画は、語り手であるインガムと友人たちとの学生時代の雑談から始まる。
カスガ @kasuga391
地球上のある地点の緯度を求めるのは簡単な仕事である。その場所での北極星の高度を測ればいいのだから。しかし、経度を求めるのはずっと難しい。経度の測定には、北極星のようなはっきりした目印が使えないためだ。
カスガ @kasuga391
それならば人間の手で目印となるような星を作ってしまえばどうだ? 巨大なレンガ製の月を建造し、地上からも見える高度に打ち上げて子午線上を公転させればいいのだ。これが“レンガの月”計画の要旨である。
カスガ @kasuga391
レンガの月の打ち上げには、水力で動く巨大なはずみ車を使う。莫大な運動量を持って高速回転しているふたつのはずみ車の間にレンガの月を転がし落とし、天高く抛り投げるという寸法だ。ふたつのはずみ車の回転速度を変えることで、レンガの月の軌道は調整できる。
カスガ @kasuga391
さて、17年後に教区牧師となったインガムの許を、鉄道事業で成功したオーカットが訪れたことから、机上の空論だったレンガの月は実現に向けて動き始める。この資金調達の部分が物語の1/4くらいを占めるのだけど、ここはレンガの月建造の場面まで割愛する。
カスガ @kasuga391
物語の本題までの経緯に長々と紙面を割くのは19世紀SFのありがちで、ヴェルヌの『月世界へ行く』にしても、現在広く読まれてる月旅行譚は二部作の後篇にあたる話で、月旅行計画の発足や資金調達を描いた同じくらいの長さの前篇があるんだよ。
カスガ @kasuga391
で、インガムによるレンガの月の構造の説明が入るが、これがいまいちよくわからない。文章から察するに、レンガの月の中には稠密立方格子の要領で詰め込まれた13個の小球室があり、この小球室でレンガの月の表面を支えるという構造のようだ。
カスガ @kasuga391
そしてインガムがレンガの月を塗装するための資金調達にボストンへ出かけている間に、地盤の緩みで建造台からはずみ車に転がり落ちたレンガの月は、その中に住居を移していたオーカットや人夫とその家族を乗せたまま打ち上げられてしまう。
カスガ @kasuga391
レンガの月が行方不明になってから一年余りが過ぎた頃、インガムは天文記録から最近発見された奇妙な軌道を持つイオ-フォイベという小惑星の記述を見つけ出した。イオ-フォイベこそがレンガの月であるとあたりを付け、軌道計算の末にレンガの月を再発見する。
カスガ @kasuga391
天体望遠鏡の視野の中で、太陽をバックに飛び跳ねる月の上の住人の動きがモールス信号であることに気付いたインガムは、指示に従ってソーミル・フラットの平原に巨大な文字でメッセージを描く。ここに地球とレンガの月の通信は回復された。
カスガ @kasuga391
定期的な信号のやり取りで、レンガの月の上の生活が明らかにされる。決まった時刻に降る雨を小球室のひとつに貯めてあること、小重力のもとで地衣類が変化したヤシやバナナのような熱帯植物や、飼っていた鶏で自給自足の生活を送っていること。
カスガ @kasuga391
気温を変えたいときはレンガの表面を赤道から極まで移動すればよいこと、月の内部には温度の変化のない快適な小球室があること、月の上で生まれた赤ん坊にイオとフォイベと名付けたこと、など。
カスガ @kasuga391
三十数人の住人により築かれたレンガの月の理想的な小社会を知ったインガムは、大都会や複雑な制度から構成される地上の社会は、果たして人間にとって必須のものかと思いを馳せるのであった。おわり。
カスガ @kasuga391
ちょっと原文を読み返してみたら、コリオリの力の部分は間違っていたので削除。ヘイルjはレンガの月の軌道の偏りは、レンガの月の質量の不均質さに由来するものと書いてました。

カスガ @kasuga391
@JESFTV ちなみにこの小説の語り手はフレデリック・インガムというヘイルの他の短篇にも登場する牧師なんですが、いきなり「例の私の『分身』の事件では」とか、他の短篇での出来事を読者が読んでること前提で語り出したりします。多分、この辺がなかなか翻訳が出ない理由じゃないかと思います。
カスガ @kasuga391
なおネタバレになるからあんまり詳しくは書けないけど、このヘイルの「レンガの月」(1869年)は、ヴェルヌの『インド王妃の遺産』(1879年)のクライマックス場面の元ネタになっているんだそうな。

コメント

田中 @suckminesuck 2018-01-18 23:06:05
なかなかおもろそやな
BUFF @geishawaltz 2018-01-19 10:31:53
人類最初の人工衛星は植木鉢の敷き皿じゃなかったんだ。
メー @haruhiz 2018-01-19 13:06:13
13個の小球室 たぶん六方最密構造で3個7個3個の三層
鮎麻呂 @aymro 2018-01-19 19:30:18
「飛雄馬よ、あれがレンガの月だ」 ―― 長屋の発明王・星一徹。ローラーホイール式のピッチングマシンを思いつくも、一足先に特許が取られ人工衛星発射装置として実用化されていた。夜空を見上げる父子3人の頬に涙の筋が伝った。[第一部・完]
nekosencho @Neko_Sencho 2018-01-19 20:25:23
そのころ日本は明治になるかならないか
枝豆歯車な緋蓮@低浮上? @hiyokurenri688 2018-01-19 20:46:20
『月世界旅行』1部と2部の間、『月世界最初の人間』より以前なのか。
CD @cleardice 2018-01-20 10:30:42
冒険小説とかも行く前の準備が念入りに描写されるよね
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2018-01-20 15:55:29
お、初出探偵カスガがまた難事件に着手したか。いま「カスガ」タグ(「設定」タグも)追記したけど、興味ある人は他の事件簿も。⇒https://togetter.com/t/%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%AC
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2018-01-20 16:00:00
ものを宇宙にブーンとブン投げて、遠心力と重力が釣り合うと、その物は宇宙を回り続けますよー、という概念自体は、ニュートンの発見当時から導き出せたのかしらん。ウィキペ解説のこのことは⇒「第一宇宙速度(理論上、海抜0 mでは約 7.9 km/s = 28,400 km/h[注 1])に加速させることで、地球の重力と重力から脱出しようとする遠心力とが釣り合い、その物体は地球周回軌道を回り続ける」
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2018-01-20 16:01:39
@kasuga391 様 最初に触れている「手を触れるなかれ」のツイートも追加してもらえれば幸い。
カスガ @kasuga391 2018-01-20 18:20:21
gryphonjapan そもそもアイザック・ニュートン本人が、『プリンキピア』第3版(1726年)の序文で「高い山の頂上から十分な速度で大砲の弾を水平に発射すれば、月のように地球を公転する軌道を持つだろう」という思考実験を行っていますよん。
カスガ @kasuga391 2018-01-20 18:21:03
gryphonjapan あの最初の紹介ツイートは、「告知文がネタバレ全開」という指摘があったので……。
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