財産・共同体から見る欧米の個人主義と日本の個人主義

欧米のファミリーのガチさとか。
9
村山茂樹 @Clunio

中世末期、つまり所謂戦国時代になると社会の上層部から一般庶民に至るまで、自分たちの生存を確保し、他の社会集団と渡り合うために対等な資格で盟約を結んだ、強固な運命共同体の団体を結成する動きが全国的に強まります。 #manda_la

2010-03-31 16:30:39
村山茂樹 @Clunio

この盟約を結んだ団体の事を実は「一揆」と呼ぶのですが、現代では通俗的に誤った用法が(特に左翼的な用法で)広まってしまったので、誤解を避けるために(涙を呑んで)「盟約による共同体」と呼んでおきます。 #manda_la

2010-03-31 16:33:27
村山茂樹 @Clunio

実は地理学者が「自然村」と呼んでいる「村」、あれも自然にいつの間にか出来たものなんかじゃありません。この時代に明確な政治的意思で、この「盟約による共同体」を結成して出来たものなんです。だから私はあの「自然村」というタームが胡散臭くて嫌いです(笑)。 #manda_la

2010-03-31 16:37:29
村山茂樹 @Clunio

ごくごく大雑把に言って、この「村」における本来の「盟約による共同体」の範囲は、「大字(おおあざ)」の範囲と一致する事が多いと言っておきましょう。かなり大雑把な言い方なので、例外は多々あります。内部が水利共同体毎に分割されていてそれぞれが大字にという例も。 #manda_la

2010-03-31 16:42:05
@AmaniNao

@Clunio 返答ありがとうございます。お話の途中割り込んだようなかたちになり失礼いたしました。権威的な「御家システム」と技術体系やマインドシップでつながる「家々」との対比、ネットワークでつながるスモールワールドという私の理想に近くとても参考になりました。

2010-03-31 16:44:06
村山茂樹 @Clunio

都市部になると、「町(ちょう)」という単位がそうした「盟約による共同体」の単位になっていたようですね。ただ私は都市部の民俗学的な調査に疎いので、根本的な誤解があるかもしれないというアキレス腱を予め晒しておきます。 #manda_la

2010-03-31 16:44:42
村山茂樹 @Clunio

そして、こうした「家」の外側のシステムが、どうも「家」が伝える「家職」だの「魂・マインドシップ」だのを外から必要とし、絶えるのを避けるよう支援体制を作ってきた。つまり養子の世話を焼いたり嫁の世話をしたり、システムの中に溶け込んだ血縁により「血の保障」を肩代わり #manda_la

2010-03-31 16:49:35
村山茂樹 @Clunio

こうしたシステムの強靭さには、今でも目を見張る事があります。例えば房州の漁師にはO姓やT姓が多いのですが、これが内房・外房問わず広がっている。知人に内房船橋系のO姓の漁師の家系の方がいらっしゃるのですが、最近外房勝浦方面のT姓の方と姻戚関係を結ばれたとか。 #manda_la

2010-03-31 16:54:57
村山茂樹 @Clunio

つまり、房州漁業者の古来の「システム」というのはそれぐらいの広域のものであって、それが現在まで脈々と維持されているという事なのですね。中世から江戸時代をまたいで平成にまでちゃんと生きているわけです #manda_la

2010-03-31 16:57:38
村山茂樹 @Clunio

このシステムがあるからこそ、日本人は「血」に拘ることなく、「家職」「魂」「マインドシップ」に集中して「家」の中でそれを継承し続けてきた。そう言えるのではないでしょうか。 #manda_la

2010-03-31 16:59:39
村山茂樹 @Clunio

欧米社会がその強固な血族社会の土俗性に基盤を置いて、その公共圏を建設しているのなら、恐らくそれをそのまま日本に移植するのは難しいでしょう。ただし、学べる部分は非常に多くある。それだけははっきり自覚しておく必要があるでしょう。 #manda_la

2010-03-31 17:05:38
村山茂樹 @Clunio

ならば、日本では日本の強靭な土俗性に基盤を置いて、なおかつ欧米の公共圏の普遍的な武器の部分から学べるところは学びつつ木に竹を接ぐような真似をしないよう細心の注意を払って、何らかの公共圏構築が行えないものか。 #manda_la

2010-03-31 17:08:10
村山茂樹 @Clunio

確かに日本の土俗性にはその中に身を置けば嫌らしい面も多々あります。しかし同時に強固なセイフティーネットでもある。これは欧米でも同じです。欧米の強固な血縁共同体は嫌らしい面も多々あると同時に強固なセイフティーネットでもある。 #manda_la

2010-03-31 17:10:12
村山茂樹 @Clunio

ある意味、現在の日本はかなりの崖っぷちに立たされています。だからこそ、火事場の馬鹿力じゃないですが、いい知恵がどこからか出てこないものでしょうか。勿論私も学びつつ、研究しつつ、またMANDA-LAの電子ガリ版活動をしつつ、必死に考えていきたいと思います。 #manda_la

2010-03-31 17:13:02
村山茂樹 @Clunio

いえいえ!ちょうどいいタイミングでのちょうどいい刺激でした! RT @AmaniNao: @Clunio 返答ありがとうございます。お話の途中割り込んだようなかたちになり失礼いたしました。権威的な「御家システム」と技術体系やマインドシップでつながる「家々」との対比、ネットワークで

2010-03-31 17:14:25
村山茂樹 @Clunio

ありがとうございます。私の長崎県森山町での学芸員としてのフィールド皮膚感覚体験を文献調査、郷里の千葉県での「口伝」で補強したものですので、半分は私自身の実体験に根ざすものです RT @tweets10916: @Clunio 今日のお話は、一部は実体験として非常に面白く拝読しまし

2010-03-31 17:32:30
村山茂樹 @Clunio

RT @AmaniNao: @Clunio 私は田舎で育ち両親は村に馴染まない人でした。また帰国子女の友人が訴える「空気」の息苦しさも私に公共圏や普遍的なルールというものを考えるキッカケでした。たいへん興味深いお話でした。本当にありがとうございます。

2010-03-31 17:41:30
村山茂樹 @Clunio

どうしても「場」に従わせる嫌らしさは強固にありますから耐えられない人には非常に辛い場になります。ですからそういう方のための「逃げ道=アジール」も用意されて初めて有効なシステムとなる。実際前近代社会はそういう構成でした RT @AmaniNao: @Clunio 私は田舎で育ち両親

2010-03-31 17:38:32
村山茂樹 @Clunio

近代社会ではその「逃げ場=アジール」が都市での立身出世or近代国家における近代的福祉への帰依となっていったのかもしれません。問題はその変化が余りにも破壊的で急激だった所にあるのかもしれません RT @AmaniNao: @Clunio 私は田舎で育ち両親は村に馴染まない人でした。

2010-03-31 17:41:24
村山茂樹 @Clunio

私の場合、目の前で広大な食料生命線(=干潟)を二度も破壊して見せられた事が必死になる駆動力の源泉でしょう RT @ALICE_VISCONTI: しかし一度崖から落ちて本当に必死にならないと「公共性」を考えるモチベーションがないかもなあ。RT @Clunio #manda_la

2010-03-31 17:45:06
ヤマケン(山学校の) @gcyn

そういやいくつもの漫画等の題材になったりしてますね。そうかあと改めて。 QT @ALICE_VISCONTI 「公共性」を考えるモチベーションがないかも QT @Clunio プロセスは明治維新から…町村合併、神社合祀… RT @ALICE_VISCONTI: #manda_la

2010-03-31 17:55:56
村山茂樹 @Clunio

公共性を意識し続けるには文化的な再点火装置が必要なのかもしれません RT @gcyn: そういやいくつもの漫画等の題材になったりしてますね。そうかあと改めて。 QT @ALICE_VISCONTI 「公共性」を考えるモチベーションがないかも @Clunio #manda_la

2010-03-31 18:06:15
村山茂樹 @Clunio

面白い視点ですね。確かにそうかも RT @mianaito: インドのカーストとITへの進出の関係をふと思い出す RT @Clunio: 近代社会ではその「逃げ場=アジール」が都市での立身出世or近代国家における近代的福祉への帰依となっていったのかもしれません @AmaniNao

2010-03-31 18:08:11