急かさず、「瀬踏み」する自由があると子どもは恐怖を克服する

息子がシャワー恐怖症を克服する様子の観察と、「瀬踏み」仮説。
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shinshinohara @ShinShinohara

今日、画期的な出来事が。息子がシャワーした! ずっこける人もいるかもしれないけど、顔が濡れるのが極端に嫌いな息子が。 シャワーを出したまま固定化すると、自らシャワーへ。顔が濡れても慌てず真下を向いて移動、顔をタオルで拭いて。 自分で少しずつ恐怖を克服している様子。

2018-01-22 19:52:47
shinshinohara @ShinShinohara

子どもが「トラウマ」を持たないように気をつけてきたのだが、シャワーだけ例外になってしまった。 滑り台で転んだときは気を紛らわせた後、もう一度滑らせ、予防注射で痛い目に会ったときはすぐに気をそらして「痛み」に耽溺しないようにした。そうすると、不思議と恐怖心は抱かなくなる。

2018-01-23 18:20:02
shinshinohara @ShinShinohara

苦手意識は「見つめる」ことで植え付けられる、というのが私の「仮説」。たとえば滑り台で転んで痛い目にあったとき、そのまま「痛い」を「見つめ続ける」と「滑り台=痛い」という回路が脳で形成され、以後、滑り台を怖がるようになってしまう。

2018-01-23 18:21:36
shinshinohara @ShinShinohara

そこで私は、痛い目にあったとき(ただし怪我はしていない場合)はすぐに抱き上げ、走り回ったりして「それどころではない」状況に息子を置いた。目の前の景色がめまぐるしく変わり、「それどころではない」息子は、転んで痛かったことをいつしか忘れてしまう。

2018-01-23 18:23:29
shinshinohara @ShinShinohara

そのタイミングでもう一度滑り台ですべるように勧めると、そんなに嫌がらずにすべる。そして滑ってしまえば、「滑り台=痛い目にあう」という回路は形成されずにすむ。トラウマはできずにすむ。

2018-01-23 18:24:45
shinshinohara @ShinShinohara

予防注射も同じ要領。注射を打たれる。うん?と腕の痛みを「見つめる」ことになりそうになったとたん、抱き上げて病室の中をグルグル回転し、「それどころでない」状態にした。痛みを見つめるよりグルグル回ることの方に気を取られているうち、腕の痛みは引いてしまう。すると泣かずにすむ。

2018-01-23 18:26:28
shinshinohara @ShinShinohara

泣かずにすんでしまえば、注射に恐怖することはない。息子の場合、予防接種は私が連れて行ったのだが、私が付き添っている間は注射を嫌がるようなことはなかった。

2018-01-23 18:27:17
shinshinohara @ShinShinohara

もし「痛みを見つめる」のを放置してしまうと、難しくなる。滑り台で転んだとき、注射で痛い目にあったとき、子どもは当然痛みを「見つめる」。見つめるとどう痛いのか、どのあたりが痛いのかなど、痛みを観察し、痛みに関する情報がたくさん脳に届いてしまう。その結果、「イヤだこれ」回路ができる。

2018-01-23 18:29:23
shinshinohara @ShinShinohara

痛い目にあっても「痛い」をあまり見つめずにすめば、子どもはさほどトラウマをもたずに済む。「痛い」を見つめすぎるがあまり、痛みとその行為が脳の中でつながってしまい、嫌いになる。それが私の観察であり、現時点での「仮説」でもある。

2018-01-23 18:30:58
shinshinohara @ShinShinohara

ところがシャワーに関しては失敗した。息子がまだゼロ歳のとき、シャワーの蛇口を息子が開いてしまった。運悪くシャワーのノズルは息子の方を向いていて、真冬に真水が勢いよく顔にかかった。もちろんギャン泣き。真冬でもあり、迎えに来た母親にバスタオルで拭かれながらお風呂場を後にしてしまった。

2018-01-23 18:33:17
shinshinohara @ShinShinohara

本当はこの事件が起きた直後に「シャワーは怖くない、むしろ面白い」ことを確認させていれば、シャワー=怖い、顔がぬれる=怖いという回路はできずにすんだろう。しかし夜ももう遅く、眠いのもあってそのまま眠ってしまった。かくて息子に顔がぬれるのイヤ回路ができてしまった。

2018-01-23 18:34:56
shinshinohara @ShinShinohara

ただし「イヤ回路」ができても克服する方法はある。同級生が平気でシャワーを浴びている様子は知っているから、本当は本人も克服したい。しかし脳の仕組みで恐怖回路ができてしまったものは、本人の意思でもそうそう容易に解消できるものではない。無理をすれば恐怖回路の増強をするだけになる。

2018-01-23 18:36:23
shinshinohara @ShinShinohara

恐怖回路、イヤ回路の解消には、おそらく「瀬踏み」が有効だ。嫁さんは少々もったいないから普段はしないのだが、シャワーの勢いを緩くして、出しっぱなしにしてみた。そして何もいわずにいた。やってみろとも何もいわずに。すると息子は自分のペースで挑戦できると思えたらしい。

2018-01-23 18:38:16
shinshinohara @ShinShinohara

自分にできそうなレベルから始めて、少しずつ「できない」を「できる」にぬりつぶしていく。自分のペースだと、他人から強制されるのと違って「戻る」自由があるから安心できる。そうして「瀬踏み」を何度もするうちに、シャワーに思い切り突っ込んだ。

2018-01-23 18:39:36
shinshinohara @ShinShinohara

子どもだって苦手なものを克服したいと願っている。しかし嫌悪、恐怖があると生理的に近づきにくい。たとえ親であっても、他人から「やってみなさい」と急かされると、自分のペースで進める自由がなくなって、恐怖を取ることができない。言葉の方が気になって、恐怖と向き合うことができない。

2018-01-23 18:41:32
shinshinohara @ShinShinohara

しかし誰も何も言わず、自分のペースで挑戦することができ、しかも自分にできる範囲で試して、怖くなればまた戻ることができるという「瀬踏み」する自由がある場合、子どもは「やってみよう」という勇気を持つことができる。瀬踏みを何度も繰り返し、さらに前へと進もうとする。

2018-01-23 18:43:06
shinshinohara @ShinShinohara

たかがシャワーと思う人も多いと思う。しかし私自身、恐怖をこじらせてそれを克服するのにひどく時間がかかってしまった体験があるので、なるべく早期にそれを解消する方法はないか、と考えていた。息子で図らずも「実験」でき、どうやら方法化できそうだ。

2018-01-23 18:44:30