ライフ・アフター・デス ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ライフ・アフター・デス】#7

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

（あらすじ：その超自然力ゆえにシンウインターにさらわれたゾーイを、ニンジャスレイヤーはカラテで奪取。スーサイドはニンジャスレイヤーに攻撃を仕掛けるが、そのイクサのさなかに過去と現在の自分を直視することを強いられる。スーサイドの胸の奥底にくすぶっていた火はいまだ消えてはいなかった）

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「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」殺到してくるクローンヤクザを迎え撃つべく、コトブキは足を止め、カンフー・カラテを構えた。「コトブキ＝サン」「仕方ありません」コトブキはゾーイに言った。どの路地を使っても追手が待ち受けている。包囲網が確実に狭まってきているのだ。　1

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「逃げる先に逃げ道無し、そういう状況です。これは兵法の考え方です。無理をしてでも突破して、流れを変えましょう」「これを！」ゾーイは青龍刀を作り出した。コトブキは受け取り、ヒュンヒュンと振り回した。「ついてきてくださいね！」「わかった！」　2

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「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」クローンヤクザが飛び出した。コトブキは回転跳躍からの斜め斬撃を繰り出す。「ハイッ！」「グワーッ！」「ハイヤーッ！」「アバーッ！」噴き出す緑の血飛沫！「スッゾ！」「アッコラー！」ヤクザはドスを抜いて襲い掛かる！「ハイヤーッ！」「グワーッ！」3

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「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」「ハイッ！」「グワーッ！」「ハイハイハイヤーッ！」「アババーッ！」ゴウランガ！コトブキは苛烈なカンフー・カラテで血路を切り開く。クローンヤクザが吹き飛ばされるたび、路上の壺が割れ、屋台が壊れた。「スゴイ」ゾーイは驚いた。「強いんだ……！」4

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「わたしは修行を怠っていないんです。旅の間も！」コトブキはゾーイに頷いた。「以前、悔しいイクサがありました。それ以来わたしは……」「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」ヤクザがチャカを構える！「ハイヤーッ！」コトブキはゾーイを抱えて壁を蹴り、跳び蹴り連続攻撃！「グワーッ！」　5

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「シツレイします！このまま行きます！」コトブキはゾーイを肩に抱え上げ、細い路地に走り込んだ。「ミテンゾコラー！」「ドコイッタンデスカ！」後にした路地ではヤクザスラングが聞こえてくる。「このまま包囲網を突破すれば大丈夫！タキ＝サンに再度通信しましょう」「腕利きのハッカーね？」　6

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「そうです。だから安心して」コトブキは請け合った。路地を這い出し、金網で仕切られた裏通りに出る。金網には青や赤のペンキで「おつまみローン」「完全です」とグラフィティされていた。コトブキがゾーイを降ろそうとしたとき、KRAASH！民家の壁を破ってスモトリが出現した。「ドッソイ！」　7

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コトブキは慌ててゾーイを降ろした。「ひとまず安全な場所に隠れてください」「わかった！」ゾーイは駆け出した。スモトリはコトブキに残忍な殺意を向け、ショルダータックルをかけた！「ドッソイ！」「ハイヤーッ！」コトブキは回転跳躍でタックルを飛び越え、頭頂部をストンプした。「グワーッ！」8

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うつ伏せに倒れたスモトリの背中に流麗に着地したコトブキは、ハッと表情を凍らせた。走るゾーイの前方、KRAAASH！民家の壁を破ってスモトリが出現した。「ドッソイ！」「アイエエエエ！」ナムサン！もう一体！コトブキは走った。スモトリはゾーイを掴んだ。「ドッソイ！」　9

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「アイエエエ！」スモトリはゾーイを高く掲げた。「イヤーッ！」「グワーッ！？」スモトリの分厚い胸板から、血濡れの手が飛び出した。「イヤーッ！」引き抜く！「アバーッ！」スモトリは死！落下するゾーイをコトブキが受け止めた。そこにニンジャスレイヤーが立っていた。「無事か」　10

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「よかった！ニンジャスレイヤー＝サン！わたし達はほぼ無傷です」コトブキは噛まれ傷を隠した。ニンジャスレイヤーは頷いた。「話は後だ」只ならぬアトモスフィアがあった。コトブキはすぐに気づいた。ニンジャスレイヤーは立っているのもやっとなのだ。「スッゾ！」「アッコラー！」声が近づく！　11

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「スーサイド＝サンとのイクサで……！」コトブキは気づかった。ゾーイが取り出したマグロ・スシを、ニンジャスレイヤーは掴み取り、咀嚼した。休息が必要だ。だが追手は絶え間なく向かってくる。コトブキは緊迫した面持ちで懐を探り、サワタリ・カンパニーのニンジャ・ピルを取り出す。「あった！」12

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「……それは」「色々あったのです。ニンジャのカンパニーですから、効果がある筈です！」緊急事態だ。ニンジャスレイヤーは四の五の言わず薬を飲み込んだ。焼けるような感覚のあと、枯れかけた力が徐々に呼び戻され始めた。ニンジャスレイヤーは深く呼吸した。動けるか。　13

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「行くぞ」ニンジャスレイヤーは促した。コトブキは慮った。やはり劇的効果は望めないのだ。「どうしましょう……」「一度シトカを出る。ゾーイを帰す」ニンジャスレイヤーは言った。ゾーイはすがるように言った。「早く戻らないと、アイツが消えちゃう！アタシがいないと……！」　14

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ニンジャスレイヤーはタキに通信をリクエストする。「合流した。経路をくれ。シトカから脱出する」『脱出だと？お前……今こうやって通信を繋げてきて、お前……お前、何がどうなってる？畜生め！』三人は走り出した。ガード下をくぐり、坂道を曲がる。水路の橋を越える。　15

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BRATATATA……BRATATATA……断続的に聞こえてくる銃声が気がかりだった。過冬の目標となっているニンジャスレイヤーとゾーイは揃ってここにいる。別の戦闘が起こっているのか？コトブキもその音に気付いていた。「ここは……戦争中では無いと思うのですが……」　16

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『定点の観光カメラを幾つかザップしてるんだがよ！』タキが通信してきた。『お前ら、何をやらかした？あちこちでメチャクチャだぞ！』「それ、半分なんです！」コトブキは抗弁した。ニンジャスレイヤーとコトブキは手短に現状を伝えた。「何が起きているか調べられますか」コトブキは尋ねた。　17

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『アアー……まあ、調べちゃみるがよォ……で？シトカを出て、ゾーイとかいうガキを送ってやるッてか？送迎バスかお前らは。それ、絶対やらなきゃいけないやつなのか？』「腰抜け！」コトブキが怒った。「困っている奴を助けないのは腰抜けです！どうしてそんな無慈悲な事を言うのですか」　18

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ゾーイがコトブキを見た。コトブキはにっこり笑い、（大丈夫です）と囁いた。『あのなァ！お前らはシトカで波風立てずに待ってりゃ、それで良いんだよ！来週には……お前ら、探偵のシキベ、覚えてッか？アイツともう一人、フジキドって奴がよ、お前らをネオサイタマへ連れ帰る為にそっちに着く！』　19

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「シキベ＝サンが？何故……」『ウキハシ・ポータルが使えねえから、お前らは簡単にゃ帰ってこれねエんだよ！オレが気ィ回して手配してやってンだ、奴らがニンジャスレイヤー＝サンに会うとかどうとか言ってッから……オレに恩に着なきゃいけねえのにお前ら、ガキがどうとか、聞いてねえッつうの！』20

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「頼む」ニンジャスレイヤーは言った。タキは狼狽した。『そのまま真っすぐ２区画進んで、迂回路を右に行け。何か邪魔な奴がいても、そこまでは責任持てねえ。適当にやれ。貸しだぞ畜生』「シキベ＝サン達がわたし達に会いにくる事と、タキ＝サンの直接の関係は……？」コトブキは混乱した。　21

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タキは咳払いした。『い、色々オレが調整とか、色々やってンだよ。決まってんだろ。この話はここまでだ。お前ら、歩きで突破できると思ってンのか？過冬の奴らから、バイクか何かブン取れ。簡単なんだろ！オーバー』通信が終了した。　22