「経済学的な家族」ツイートまとめ　その２２

本の虫（本体） @honnomusi

政治経済学的な最終決戦１１：息子「そうなんだ、どこを探しても見つからなくて・・・」悪友「どうするんだよ、最終弁論は昼休みだぞ！」息子「とにかく探すしかない・・・」彼らの様子を見て、風紀委員は昨日の自転車のカゴの光景がフラッシュバックする。息を呑む風紀委員。慌てて教室を飛び出す。

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政治経済学的な最終決戦１２：風紀委員は転校生のところへやって来る。転校生「どうしたんだ？そんなに息を切らして。」風紀委員「あなたでしょ？」転校生「は？」風紀委員「彼らの原稿を捨てに行かせたのはあなたでしょ？！」転校生「さて、何のことやら・・・」風紀委員「とぼけないで！」

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政治経済学的な最終決戦１３：風紀委員「もう時間がないの。お願い、どこに捨てたか場所を教えて。」転校生「知らないな」風紀委員「お願い・・・」すがりつく風紀委員。その手を振り払う転校生。転校生「知らないって言ってるだろ。」チャイムが鳴る。転校生「さっさと教室に戻れ」転校生は席につく。

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政治経済学的な最終決戦１４：風紀委員は走り出し、階段を駆け降りる。後ろから聞こえる教師の制止は無視した。学校を飛び出し、ゴミ置き場を漁る。風紀委員（私はなんて弱いんだろう。あんな奴に屈して大切な仲間を裏切って。今になってその重みに耐え切れなくなってる。生徒会に入る資格なんてない）

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政治経済学的な最終決戦１５：生ゴミの臭いや、汚れなど気にする暇もなかった。脳裏には裏切ったときの息子と悪友の顔が浮かぶ。風紀委員（こんな薄汚れた格好じゃあ、風紀委員長には当選できない。でもそれでいい。せめて、せめて、納得いく形で選挙を終えたい。逃げてばかりの自分から決別したい。）

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政治経済学的な最終決戦１６：そのとき、風紀委員の横に人が立つ。悪友だった。無言でゴミを掻き分ける。横ですすり泣く声が聞こえても無視した。ただ一言、悪友「・・・早く手を動かせよ。あいつが待ってるぞ。」会場の整備が行なわれる体育館。候補者が並ぶが、風紀委員の席は空いていた。

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政治経済学的な最終決戦１７：泥だらけになって走り回る風紀委員と悪友。方で息を切らして立ち止まる風紀委員。悪友は汗をぬぐう。悪友「駄目だな。これじゃあ埒が明かねえ・・・」そのとき、二人の背後に人影が立つ。声「何やってるんだ？」二人は背後を振り返る。悪友「あんたたちは・・・」

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政治経済学的な最終決戦１８：椅子に座って祈る息子。時計の針は開始２分前を指していた。ニヒルな笑みを浮かべる転校生。しかし、その表情は会場入り口に目を向けたときに一変した。泥だらけになり、肩で息をしながら立つ風紀委員の手には、原稿の入った封筒が握られていた。

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政治経済学的な最終決戦１９：息子は風紀委員のところに走る。息子「どうして・・・」風紀委員は息子に封筒を渡す。風紀委員「お願い、勝って。」声「勝てよ！」息子は体育館の外を見る。そこには、かつて息子を助けてくれたホームレスたちの姿があった。ホームレス１「事情は聞いた。絶対に勝てよ！」

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政治経済学的な最終決戦２０：ホームレス２「ゴミ漁りは俺らの専門分野だ。隣近所にも知らせて探してもらった。」悪友「新聞配達の兄ちゃんとかも手伝ってくれたぞ！みんなお前のこと覚えてるってさ！」風紀委員「それだけじゃない。あなたのお母さんや妹さんも、近所に呼びかけて探してくれたの」

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政治経済学的な最終決戦２１：風紀委員「あなたは一人じゃない。今まででこんなにたくさんの人に支えられている。だから負けないで。あんな奴に、生徒会を任せちゃいけない・・・」息子は封筒を受け取る。息子「ありがとう。君も頑張って。」息子は風紀委員をエスコートしながら席に戻る。

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政治経済学的な生徒会選挙２２：司会者「ただいまより、候補者同士による、最終弁論を行ないます！」息子（俺はこの三ヶ月、いや、今までの学校生活全てに感謝した。ひ弱な頭でっかちの自分に、行動する勇気を与えてくれた。かけがえのない仲間を与えてくれた。逆境を乗り越えることを教えてくれた。）

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政治経済学的な最終決戦２３：息子（見返りを期待しない贈与。そして、そこでできた”借り”は、どこかで次の贈与を発生させる。そうやって人は贈与のリレーの中で、歴史を紡いできた。）息子は立ち上がり、壇上へと歩き出す。（今度は俺の番だ）壇上に立つ。（人には、戦わなきゃいけないときがある）

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政治経済学的な最終決戦２４：司会者「ただいまより、生徒会長候補者による最終弁論を行ないます。まずは互いの決意表明をお願いします。」転校生「私はこの一ヶ月でグループを分割・縮小し、信用不安への対応に努めてきました。痛みを伴うものでしたが、みなさんの生活が最優先と判断した結果です。」

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政治経済学的な最終決戦２５：転校生「今回皆さんと顔を合わせてお話をする中で、生徒会長候補としての原点に戻ることができました。生徒会長になったら、今まで以上の逆境に直面することが山ほどあるでしょう。しかし、もし選んでいただけたら、私は皆さんの学校生活をきっと良いものにして見せます」

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政治経済学的な最終決戦２６：転校生「こんな私に、清き一票をお願いします。」拍手が沸き起こる。その様子を冷静に見つめる息子。息子（俺は考えた。この原稿を捨てたのが彼であることは明白だ。となれば、この内容について彼が反論を用意している可能性が高い。シナリオ通りにやったらやられる。）

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政治経済学的な最終決戦２７：息子（一か八か、アドリブでやるしかない・・・）息子「私はここ最近、ずっと考えていることがあります。『自分は一体誰の代表になろうとしているのか？』ということです。全校生徒の代表？それだと曖昧すぎる。勉強好きな人間の代表？ならば図書委員になればいい。」

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政治経済学的な最終決戦２８：息子「辿り着いた結論はシンプルです。私は、転校生の彼が無視した人々の代表でありたい。」転校生「僕がいつ誰のことを無視したって？」息子「まず、切り捨てられた事業部の人々。彼らは司令塔を失って途方に暮れている。リーダー格の人材を全て新聞部が独占したからだ」

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政治経済学的な最終決戦２９：息子「続いて、債務整理で順番が後回しになった人間。資金が手元にない彼らは、補償を受けることもできずに活動を続けなければいけない。その間に卒業する人間からすれば、取り返しのつかない機会損失だ。何より、順番の選定基準が公表されていない。」

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政治経済学的な最終決戦３０：息子「事態収束のために必要な処置だったというのは確かにそうです。しかし、その中には選挙活動を念頭に置いている分、事後的なケアの不徹底な部分が見え隠れする。これは氷山の一角に過ぎません。私はこういった人々の声を拾い上げて、学校生活を設計してゆきたい」

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政治経済学的な最終決戦３１：司会者「では、決意表明が終わったところで、討論のほうに移りたいと思います。」転校生「まず、今挙げられた人々に関しては、現在フォロー体制を構築している途中です。必要に応じて変更します。彼が言っているのは言いがかりにすぎない。」息子は手を挙げる。

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政治経済学的な最終決戦３２：息子「ここで参考資料を提出します。」スクリーンが下ろされ、映像が映し出される。会場がどよめきに包まれた。そこでは、転校生が教師に資金を提供して、債権者を止めるように依頼する様子が映っていた。息子「これは彼が返済対応をしていた時期の映像です。」

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政治経済学的な最終決戦３３：息子「信用不安に全力で対応すると言っておきながら、彼は債権者の苦情をシャットアウトするように依頼をしていました。返済の順位が後回しになった人というのは、おそらく彼の機嫌を損ねた人でしょう。極めて恣意的な対応です。」転校生「出鱈目だ！俺は認めんぞ！」

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政治経済学的な最終決戦３４：深夜の学校に忍び込んでカメラを外していたとき、悪友「なあ、このカメラさ、あいつのよく行く部屋のは残しておかないか？それで後で映像を回収しよう。何か映るかもしれん。」息子「確かに、面白いかもな」悪友「そこで映った映像が俺らの手元に届くようにしよう。」

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政治経済学的な最終決戦３５：息子「そんなことできるのか？」悪友「お前、俺を誰だと思ってるんだ？」息子はカメラに映る教師の姿と、席に座る本人を見る。動揺は明らかで、額から汗が噴き出している。息子「私は真偽を確かめた後で投票をするのでも良いと思っています。皆さん、いかがでしょうか？」