- Gocome1968
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01 百合ゾン島、研究所入り口前 時刻は丁度おやつ時に差し掛かろうというくらい。待ち人はのんびりと歩いて帰って来た。いつもはポニーテールに纏めている髪は今日はおろされており、身につけた純白の服はやぶれなどは無いものの所々土で汚れていた。一仕事終えて来た所なのだろう。
2018-02-07 22:51:21「ちょっと用があって。」
03 「用?どうしたの?研究所の中の誰かかな?呼んでくるから待っててね! …え?何これ?私に?」 バレンタインチョコの入った包みを手渡すと少女は不思議そうに眺めた後にジワジワとその表情が笑顔に変わって行く。
2018-02-07 22:58:5604 キュッと包みを胸に大事そうに抱え幸せそうな顔をしているのを見るとこちらも渡して良かったと思えた。 「ありがと!すっごーく嬉しい!そっかそうだよねバレンタインだもんね!配る方にだけ夢中だったよ!嬉しいなぁ…あったかいなぁ…。」
2018-02-07 22:59:3505 その様子から普段の年上じみた雰囲気はすっかり消え、見た目相応の少女のような無邪気さが見えた。本当に自分がチョコを受け取る側でもあることを失念していたらしい。 一通り喜んだ少女はハッと気付いたように身を固まらせる。
2018-02-07 23:00:2606 「某ゲームだと渡されたら何かお返ししてたよね。ホワイトデーのはまた別として…そうだ!これ、持ってて!」 少女が服のポケットから取り出したのは長めのリボンだった。一端は乱暴に切られたようになっており、もう一端にはピンク色の宝石のような物が付いている。
2018-02-07 23:01:2007 少女は切れたもう片側と思われるリボンも取り出した。 「今日のお仕事中に切れちゃって…。片方あげるね!もうリボンとしては使いにくいから、お守りとして。持っている限りは私がしっかりと貴女をお守りしましょう!」
2018-02-07 23:02:0008 えっへんと言った具合に無い胸を張る少女はどこか誇らしげだ。本当にお守りとしての効果があるかはともかくとして、少女の白と瞳の赤を彷彿とさせるピンク色の宝石は確かにこの少女に見守られているかのような安心感を感じる。
2018-02-07 23:03:06「心強いよ!」
09 「そう?そう言ってもらえるなら今日切れちゃって良かったと思えるよ♪あ、そうだ。これから少しショッピングに出かけようと思うんだけど、一緒にどう?」 少女の温かい微笑みに反射的に頷いた。
2018-02-07 23:09:4910 嬉しそうに頬を染める少女は「ちょっと待っててね!」と言いながら研究所へと駆け出して行った。無理をしていない心からの笑顔に思わずこちらもつられて笑顔になってしまった。
2018-02-07 23:10:09【ローズクォーツの付いたリボン】 ごーかむが日常的に使用していた両端にローズクォーツの付いた長めのリボン。半分に切れてしまっており、その片方を持たされた。自身の誕生石で縁起が良く、自分の色にも合っているからと使い続けていた。
2018-02-07 23:10:42本人は無意識であろうがローズクォーツの宝石言葉は平和、愛の告白、真実の愛、美である。 何本か同じように切れてしまったリボンがあるが、ほとんどはむーんちゃんが持っている。おそらくむーんちゃんは宝石言葉を知っている。
2018-02-07 23:11:05