ずっと好きだった

∞深唯♡妄想∞ @yasumico83

25 無邪気にはしゃぐ姿が可愛くて 俺は手を引かれるまま… 高いとこが苦手なくせに観覧車に乗り 強がって乗ったジェットコースターで泣きじゃくり 怖がり俺にしがみついたお化け屋敷 「ちょうだい？」 勝手に俺のソフトクリームを食べ 得意気に微笑む #ずっと好きだった #エイトで妄想

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26 『俺の喰うなや…』 「だってチョコ食べたくなったんだもん」 『お前がバニラ頼んだんやろ？』 「でもそっちが食べたくなったの！交換しよ？」 俺の返事を聞く前に 持っていたソフトクリームが入れ替わる 『わがままな女やな…』 「憎たらしいでしょ？」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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27 「章ちゃん、今までありがとう」 『急になに？』 「いっぱいわがまま言って…迷惑かけちゃったね」 『アホか…』 「章ちゃんが隣に住んでてくれて本当に良かった」 夕日に照らされたベンチに座り まるで もう2度と会えないような言葉 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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28 「写真…撮らない？」 『嫌や…』 「いいじゃん、ね？」 俺に寄り添い座り直すと 頬を近づけスマホを向けた 「笑ってよぉ！カメラちゃんと見て！」 その後すぐ届いたLINEに添付されてた写真 とびきりの笑顔のアイツと 真顔の俺が並んでいた #ずっと好きだった #エイトで妄想

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29 知ってるか？ その写真が 俺のスマホにまだ入ってることを… 「来てくれたの…？」 『暇…だったから』 「そっか…」 一緒に生まれ育った街を出ていく彼女を見送った日 心も距離も 遠くなってしまう気がした 「元気でね？」 『お前もな…』 「うん…」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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30 すべてを忘れるために 仕事に打ち込んだ俺 上司にも気に入られ 大きな仕事も任されるようになった 〔章大？ご飯できたよ〕 3年が経ち 俺は同じ部所の後輩と付き合い 同棲を始めていた 仕事も順調で 幸せな日々を過ごしている 誰が見てもそう感じてたと思う #ずっと好きだった #エイトで妄想

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31 〔旅行どこに行く？〕 『好きなとこ選べばええよ？』 〔いつもそう…〕 『ん？』 〔いつも私が決めてる…〕 ちょっと不貞腐れながら俺に隣に座り 旅行会社のパンフレットを開いた 〔じゃあね…札幌〕 『国内でええの？』 〔雪が見たいの〕 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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32 微笑んだ彼女が一瞬 アイツに見えた 「章ちゃん、雪が見たい！」 『ここは降らんの！』 「やだ、雪が見たいの！」 まだ幼稚園の頃 アイツはそう駄々をこねた 『お前はアホやなぁ～雪が降るとこちゃうんやで？』 「やだ！雪だるま作りたい！」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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33 『だから雪がないから作れんやろ？』 「雪だるま…欲しいのにぃ…」 庭にあるブランコに座り 頬を膨らませて 涙をいっぱい目に溜めたアイツ 『おい！雪だるま来たで！』 「わ…ホントだ…」 俺はアイツの為に 氷を砕いて丸く固めた雪だるまを作ったんだ #ずっと好きだった #エイトで妄想

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34 「なんか…ちょっと丸くないけど…」 『ごめんな…下手くそやな…』 「でも可愛い！ありがとう、章ちゃん！」 そう言って小さい手の上に乗せた氷の雪だるまを嬉しそうに見つめてた 「ずっと大事にするね！」 『溶けるんやで？』 「やだ！溶けたらやだ…」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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35 「ねぇ…」 『ん？起きたんか？』 「覚えてる？雪だるま…章ちゃんが氷砕いて丸めて雪だるま作ってくれたの」 『うん…』 「雪が降ると思い出すよ？私…冷凍庫に入れといたの解けないように」 『アホ…』 「だって大事だったんだもん」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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36 おでこに手を当てると 少しだけ熱が引いてるような気がした 「下がったでしょ？なんか少し楽になった」 『汗かいたやろ？着替えよな？』 「いいよ、大丈夫…」 タオルと俺のTシャツとスエット上下をベッドに置いた 『自分で着替えられるやろ？』 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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37 「借りていいの？」 『今さらなんやねん…子供の頃いっつも俺の服着とったくせに』 「だって章ちゃんの服ぴったりだったんだもん…小さくて」 『相変わらず一言余計やな…』 あの頃は俺と背も変わらなくて… いつも一緒 何をやるにも一緒だった #ずっと好きだった #エイトで妄想

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38 『帰っとったん？いつ？』 地元を離れてから数年 久しぶりに見たアイツ 急に俺の前に現れたアイツは 顔色も悪くやつれていた 『何か…あったんか？』 「うん…」 アイツらしくない浮かない顔 今にも泣きそうな悲痛な表情 「彼女…元気？」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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39 「結婚…するんだって？」 『なんで？』 「章ちゃんママがが言ってた」 しばらく沈黙になりアイツは席を立った 「会えて良かった、じゃあ…」 『え？ちょ、待てって…』 座らせて重い口を割らせた俺は 怒りしかなく震えが止まらなかった #ずっと好きだった #エイトで妄想

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40 『会わせろ、その男に』 「サインだけしてくれたらいいの」 『お前…アホか？こんなんおかしいやろ？』 「だったらいい…」 出した用紙をたたみ 鞄にしまうアイツから涙が溢れた 『どうすんねん』 「産むよ」 『1人でか？無理に決まってるやろ？』 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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41 「迷惑かけないから」 『産みたいなら俺が話つけてやるから』 「不倫…なの…」 アイツは相手に会わすことも 文句1つも言わせなかった 結局俺はサインをして 病院に付き添うことしかしてやれなかった 『大丈夫？』 「居てくれたの？」 『当たり前やろ？』 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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42 「彼女に怒られちゃうね、ごめんね」 『心配いらんから』 麻酔から目が覚めたアイツは寂しそうに笑った 「出なくていいの？」 『ん？』 「電話だよね？ずっとバイブになってる…」 『気にしなくてええから』 「だけど…」 『ここに居ったらええよ』 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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43 「でもここ…一緒に住んでるんだよね？」 『心配すんな、大丈夫やから』 「迷惑かけたくないよ」 『今まで散々やったくせに』 このまま帰すのが心配で なんて綺麗事だったのかも知れない ただ一緒に居たかっただけなのかも 今になってはそう思ってしまう #ずっと好きだった #エイトで妄想

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44 薄暗い寝室に大きなベッド 彼女が実家に帰ってると言われて 章ちゃんには珍しく 少し強引にこの部屋に連れてこられた 〔どこに行ってたの？〕 『急用が出来てん…本当にごめんな』 〔電話くらい出れたよね？かけ直して欲しかった…〕 『ほんと…ごめん…』 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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45 話し声で目が覚めた 謝り続ける章ちゃんと 優しい声で章ちゃんに詰め寄る彼女の声 〔大事な日だったのに…〕 『明日の朝、謝りに行くよ…ホテルどこ？』 〔今から会えないの？〕 『朝行くから一緒に待っててくれないか？』 いてもたってもいられなかった #ずっと好きだった #エイトで妄想

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46 だけど部屋から出ていくわけにも行かなくて 私は息をひそめるしかなかった 章ちゃんが何とかなだめ 彼女が出て行くのを待って私は寝室か出た 「章ちゃん！」 『どした？気分どうや？』 優しく声をかける章ちゃんに私は… 「なんなの？何してんのよ！」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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47 『なに…どうしたん…』 「馬鹿なの？彼女のご両親にご挨拶する日だったんでしょ？」 黙り込んでソファに座り込む章ちゃんに さらに苛立ちを隠せなかった 「ねぇ、なんで？私、付き添えなんて頼んでなかったよね？」 『そうやな…』 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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48 「サインだけだよ、頼んだの…こんな大事な予定があったのになんでよ！」 チラッと私を見て章ちゃんは 珈琲を入れに立ち上がった 「ねぇ、聞いてるの！？」 『聞こえとるよ』 「なに珈琲なんか飲もうとしてるの？早く彼女のこと追いかけてよ！」 #ずっと好きだった #エイトで妄想

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49 『もうええから…ちょっと落ち着けって』 「良くないって…」 章ちゃんの腕を掴んで 力ずくで玄関まで引っ張った 「私すぐ出ていくから、ちゃんと彼女連れ戻して？」 『…』 「聞いてる？」 『俺な…』 「早く！」 『どうしたらいいかわからんし…』 #ずっと好きだった #エイトで妄想