じゃんごさんによるThe Indie Hackプレイレポート&システム紹介。

数ある描写駆動型(語り重視)のTRPGシステムの中でも、最もその要素を突き詰めた感のある作品「The Indie Hack」のプレイレポとシステムの紹介。
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django(中村俊也/ウィルダーネス・エンカウンターズ発売中!) @django88628676

The Indie Hackを、ひげくまの旦那、サイトウさん、やまさんをプレイヤーにお迎えしてプレイしてみました〜 pic.twitter.com/LPOlBjCpoJ

2018-02-25 21:21:55
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TIHはミニマルでルール軽量なファンタジーRPGです。初プレイということもあり、オフィシャルにリリースされているミニシナリオを使い、PCもプレロールド。 ・祓魔師(エクソシスト、サイトウさん) ・無法者(スカウンドレル、ひげくまの旦那) ・元素術師(エレメンタリスト、やまさん」 という布陣

2018-02-25 21:39:37
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シナリオの導入は「隊商を襲撃したゴブリンの盗賊団が昔に廃棄された劇場跡に居座っているとの噂。これを聞いたPCたちは廃劇場に忍び込んで、ゴブリンの稼ぎをちょろまかそうと思いたつ」というものです。退治して賞金をもらうとかではなく、略奪品の横取り目的ですw

2018-02-25 21:48:16
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無法者はともかく、それだけでは祓魔師や元素術師はあんまりなので、劇場には亡霊が出る噂もあり、それが本当だったら祓って欲しい(謝礼あり)と、祓魔師は持ちかけられたことに。元素術師は「魔法関連の何が存在する」という別の噂を聞いていることになりました

2018-02-25 21:54:43
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PCたちは、ゴブリンの1匹が用を足そうと外に出た隙に劇場内に侵入。そこはメインホールと思しき屋内で、もう1匹のゴブリンがマヌケにも眠りこけていました。これを無法者が手斧で容赦なく殺害。トイレから戻って来たほうも、扉を開けた瞬間に祓魔師の大メイスで頭をかち割られ、命乞いするはめに

2018-02-25 22:07:01
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いきなり目の前で展開する惨劇に「やべえ、来るとこ間違ったか?」となる元素術師でしたが、廃劇場内には確かに噂どおり、魔法関連の貴重なものが眠っていました。そして、祓われるべき亡者の類がいるという話も、真実だったのです…

2018-02-25 22:18:12
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こちらがシナリオの表紙で、まだ手斧で屠られたり、頭をかち割られていない、元気だった頃のゴブリンたちがポーズをとっていますw pic.twitter.com/el1xJ1X7Li

2018-02-25 22:57:51
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The Indie Hackのシステムの特徴は、PCの行動でダイスを振る(挑戦する)と、成否が判定されるのではなく、プレイヤーが勝てば物語を左右する描写細部を1、2つ追加する権利が得られることです。負けるとGMが(たいていはPCにとって不都合な)細部を追加することになります

2018-02-25 23:04:05
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例えば、今回の冒頭でゴブリンが1匹、用を足すために劇場内からでてきたのを決めたのはGMの僕ではありません。劇場の周りを調べる挑戦に成功した無法者のプレイヤー(ひげくまの旦那)が追加した細部が「酔っ払ったゴブリンが出て来るのを見た」だったからです

2018-02-25 23:07:26
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ちなみに中でもう1匹のゴブリンが寝ていたのは、これもまた無法者が扉の前で聞き耳を立てるのに成功した結果、「いびきが聞こえる」と細部を追加したため。このように、このゲームでは多くの場面でプレイヤーが物語の内容を制御することになります

2018-02-25 23:10:38
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ただしダイスロールの成功率はシビアに設定されており、キャラごとの得意分野でもけっこう失敗します。するとGMがPCにとって都合の悪い細部を追加するので、なんでもプレイヤーの思いどおりとはいきません。物語はプレイヤーとGMが半々ぐらいの割合で制御し合い、互いの細部が混交して織りなされます

2018-02-25 23:18:13
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The Indie Hackは、この「細部の積み重ねで物語る」というアイディアにすべてを収斂させています。戦闘も「ゴブリンをメイスで殴る」と宣言してダイスを振り、成功すれば「頭を割られた」というダメージを表す損害細部が相手(この場合はゴブリン)に追加されます

2018-02-25 23:22:57
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そして生物や物には「限界」が設定されていて、その値と同数の損害細部を受けると死亡、または破壊されます。PCは「昏倒」という細部を持っていて、これの限界は4です。損害細部を4つ追加されたPCは意識不明になって倒れます。パーテイ全滅などで、そのまま放置されると死亡です

2018-02-25 23:26:30
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盾や鎧で少しは防げるのですが、戦闘等でまともに4発食らうと三途の川が見える余力のなさ。ダイスを振れば、確実に物語を左右する細部追加の権利が得られるのですが…避けがたい戦闘等はともかく、無駄な危険に突っ込まない立ち回りを模索することになります

2018-02-25 23:38:03
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周辺を調べたり、NPCを尋問したりして情報を得ることは、とても重要になります。その際にもダイスを振ることになりますが、とりあえず直接の損害細部を受ける可能性は低いです。うまくすればプレイヤー側が細部を追加できるので、ここで自分に都合の良い展開へと誘導できればしめたもの

2018-02-25 23:40:53
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敵は「睡眠中」なことにして寝首をかいてしまったり、うまく脅して「怯えた」ことにして戦闘に持ち込まずに降伏させたりできるかもしれません。物語の筋道から、あまりにかけ離れた細部でない限り、GMはその追加を止めません

2018-02-25 23:45:19
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TIHのPCは他RPGと比較して数値的に見れば「打たれ弱い」です。しかし逆に敵もまたそうで、ゴブリンの「昏倒」限界は3、大型獣のクマですら6。状況をほんの少し良くするだけで、勝てそうになかった相手を打倒する目が見えてきます。それが力押しではない部分でのダイスロールと細部追加を呼び込みます

2018-02-25 23:56:23
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プレイヤーの知恵を絞った立ち回りで追加される細部は、それがダイスで勝った成果の良いものであれ、負けてGMが追加した悪いものであれ、物語の起伏を即興的に生み出していきます。この仕掛けは不安定なものを大いに含みますが、なかなかよく考えられいます

2018-02-26 00:00:01
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The Indie Hackのルールは「細部追加」という1つに、ほぼすべてを賭けたシンプルながらクセの強いものです。細部追加時の解釈等で柔軟な運用を求められるので、最初は様子を見つつ、コツをつかんでいく必要があるかもしれません。

2018-02-26 00:06:04
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しかしルール自体は極小とも言える分量なので、いったん「あ、こりゃ動かせるわ」となると一気に楽になります。あとはダイスの出目しだいで追加される細部の積み重なり、GMとプレイヤーの一人ひとりの思惑が交錯して、物語が展開する過程を楽しむだけです

2018-02-26 00:16:06
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今回はプレロールドキャラを使用し、PC同士やNPCとの互いの人物評価を積み上げる「関係」、PCの行動原理をなす師匠や理想を表現する「マスター」、新たな技能や呪文の獲得に独特の手続きを持つ「成長」等のルールはオミットしたので、それらも用いて、いちから作成したPCでまたプレイしてみたいですね

2018-02-26 00:24:23

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『ジ・インディ・ハック』ルールブックでは、なぜ場面細部の例に「左腕を切り裂いた」と書かれているのか(これは確定細部では)? その疑問について、わかったことを記してみました出発点だらけの島で: 「左腕を切り裂いた」が場面細部…? full-of-thresholds.blogspot.com/2018/03/blog-p…

2018-03-31 20:29:21