佐々木敦(@sasakiatsushi)さんの「マイナー、マージナルであることを自認している者は、」

深いと思いました。
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佐々木敦 @sasakiatsushi

マイナーであることマージナルであることを、良くも悪くも自認している者は、だからといって、自分(ら)が注目されないということを、注目しない者たちのせいにしてはならない。注目しないのは、彼らにとって損であるかもしれないが、けっして罪ではない。それを罪と思うのはルサンチマンでしかない。

2011-04-06 15:22:49
佐々木敦 @sasakiatsushi

せいぜいが出来ること、だが、だからこそやってみる価値があり、やってみなくてはならないことは、ただひとつ、ここにこれがあるよ、と指を指す、ということでしかない。そして、これはこういうものであり、だからここにある意味があるのだということを、自分なりに説明してみるくらいのことしかない。

2011-04-06 15:25:38
佐々木敦 @sasakiatsushi

それは自分を指差すのでもいい。だが、それでもひとが注目しなかったからといって、それは君になにか足りないものがあるということに直結しないのと同様、注目しない/できない側に何らかの落ち度があるということでもない。そう考えるのでなければならない。

2011-04-06 15:28:34
佐々木敦 @sasakiatsushi

けっしてしてはならないこと、恥ずかしいことは、わかってもらえない/わかってくれてない者を敵だと思ってしまうことだ。そうすることで、今はまだわかってない者が、やがていつか、わかる、という可能性を自ら閉じ、わかっている者同士の頷き合いに内向しているだけだということが、何故わからない?

2011-04-06 15:32:58
佐々木敦 @sasakiatsushi

いま思い出したけど、『テクノイズ・マテリアリズム』を出した頃だから十年も昔、確かアルヴィン・ルシエを聴きに川崎市民ミュージアムに行ったら、知人の現代音楽マニアの方とそのお友達方がいらしてて、その内のひとりにいきなり「本読みましたよ。まあまあ面白かったです」と言われたことがある笑。

2011-04-07 12:35:51
佐々木敦 @sasakiatsushi

まあまあ、って。。。でも「まあまあ」はまだその人的にはホメ言葉なのかもしれない、と思ってよしとしました笑。もうとっくにその人の顔も名前も忘れたけど、こういうことはひとは案外覚えているんだなあ。

2011-04-07 12:37:35
佐々木敦 @sasakiatsushi

だいたい僕は、マイナー/マージナル/マニアックとされるものを、しかし出来るだけ外側に向けて開陳してゆこうとしてきたし、たぶん色んな面でかなりマニアではあると思うが、性格的にはコレクター的な心性もオタク的な習性もあんまり持ち合わせていないので、そういう人々からは必ずしも好かれない。

2011-04-07 12:50:47
佐々木敦 @sasakiatsushi

これはもうねえ、どんなジャンルでもおんなじですね。

2011-04-07 12:51:13
佐々木敦 @sasakiatsushi

筋を通す、で思い出した。これまたその昔、某音楽雑誌と少しモメたことがあった。もう済んだことなので仔細は省くが、僕個人だけの問題ではなかったので引くわけにはいかなかった。相手側は編集者とライターだったのだが、久田氏も書いてるように編集はライターを庇護する。僕だってそうしただろう。

2011-04-07 13:00:04
佐々木敦 @sasakiatsushi

なので向こうの編集者と僕ひとりで、新宿の喫茶店で会った。こちらの考えを説明し、先方の事情を尋ね、お互いの主張を交換した。数時間も話しただろうか。あの頃、僕は今と較べたらずっとアグレッシヴだったかもしれないが、けっして喧嘩腰のものではなかったと思う。割と淡々とした感じだった。

2011-04-07 13:04:00
佐々木敦 @sasakiatsushi

で、もう話もかなりドン詰まってきて、でも僕は引かなかった。そしたら最後の最後に相手はこう言ったのだ。「佐々木さんの言うことはわかった。確かにそちらの主張が正しいのかもしれない。でもね佐々木さん、僕だって頑張ってるんですよ」

2011-04-07 13:08:06
佐々木敦 @sasakiatsushi

正直この時、突然の「頑張ってるんですよ」発言に、僕は内心思い切りドン引きした。知らんわそんなん、と思った。サーッと気持ちが醒め、もうどうでもよくなった。というわけで、結果的にこの編集者とその雑誌の勝ち(?)になったのである。かように筋というものは、通そうにも通らないことがある。

2011-04-07 13:11:18
佐々木敦 @sasakiatsushi

でもまあこれも相当昔のことだ。その編集者とはその後一度も話してはいないが、すでに某誌はとっくに辞められて(たぶん)フリーになり、最近もかなり良い本を造っていた。遺恨はかけらもありませぬ。

2011-04-07 13:13:49