遂に書かれないで終わる指原莉乃論の断章（又は「アイドル界のたけし、指原莉乃」についてのちょっとした考察）

ＵＷの落日 @uw_susu

@uw_susu たけしが出演した映画は初期からずっと観ているけれど、結局「戦場のメリークリスマス」の演技がベストだと思う。それ以外は、自分の作品に出演している時も、映画の中に入り込めず、居心地悪そうにしている。しかし演技の不器用さは、彼の監督としての才能と表裏一体なのだと思う。

ＵＷの落日 @uw_susu

@uw_susu たけしの映画作家としての独自性は、暴力描写を始めとする「描写」や「語り口」からそれまでのワザトラシサを排除して、新たなリアリティを見せたことであり、「存在自体がポストモダン」みたいな人なので「役という虚構」に入りこめないのだ。指原莉乃という人にもそんな所がある。

ＵＷの落日 @uw_susu

HKTのドキュメンタリー映画で興味深かったのは、指原莉乃自身が編集で試行錯誤しているシーンを映すシネマヴェリテ的な構成があったこと。おそらく指原莉乃さんはシネマヴェリテなんて知らないで、無意識でやっているのだと思うけれど、これは、私の「指原莉乃＝たけし」説を裏付けている気がする。

ＵＷの落日 @uw_susu

たけしは本質的にシネマヴェリテの人なのだけれど、知らないうちに「ゴダール風」になってしまう指原莉乃も、そうなのではないかと思う。 HKTのドキュメンタリー映画の印象は、マイケル・ムーアというよりヌーヴェルバーグに近い感じがする。

指原 莉乃 @345__chan

今日の夜は室内でできるお仕事だったので、ゆったり。最近はよく映画を観るようにしてる。映画見るの苦手なんだけど、クリエイティブな観点が出てくるらしいので観る。今の所でてきてない、役に対する悪口だけがどんどん捗る。。最低。。

ＵＷの落日 @uw_susu

指原莉乃さんは、以前から「映画には興味ない」と言っていたけれど、役を演じることだけでなく、そもそも映画を観るのが苦手だったのか。 面白いなぁ。 徹底したリアリストなのだろう。フィクションを観るより、ドキュメンタリーの方が向いているんじゃないかな？ どうでしょう？

ＵＷの落日 @uw_susu

指原莉乃さんは、今のところ、それほど演技が上手くない。 それは、彼女が「ドラマというフィクションを信じきれない」リアリストだからではないか？と思っていたのだけれど、どうやら、それほど的外れでもなかった気がする。 twitter.com/uw_susu/status…

ＵＷの落日 @uw_susu

第31話「もう一人の面会人」 指原莉乃には役者の素質があると思うが未だ演技に目覚めてはいない。フィクションという枠組みを信じ切れない人なのだろう。だからドラマの人物になり切れず「お芝居」になってしまう。そういう所もたけしに似ている。 pic.twitter.com/QmeVR5fJtL

2016-01-28 22:30:10

ＵＷの落日 @uw_susu

私は、以前から「指原莉乃=たけし」説というのを唱えていて、いずれそれについて書く、書くと言いながら、ずっとペンディングになっている。😅 twitter.com/uw_susu/status…

ＵＷの落日 @uw_susu

@uw_susu なぜ、たけしの名前を出したのかというと、指原莉乃を「AKBにおけるたけし」みたいな人だと思っているので。これは、必ずしも完全な褒め言葉じゃないのですが、長くなるのでいずれ書きます。 ところでアンタッチャブルになっているけれど、たけしって演技の出来ない人ですよね。

2016-01-28 22:35:14

ＵＷの落日 @uw_susu

指原莉乃さんの演技における不器用さが、たけしと同じ理由によるのなら、それは彼女のユニークさの証明であり、欠点ではなく、むしろ「武器」になり得るものだと思う。 twitter.com/uw_susu/status…

ＵＷの落日 @uw_susu

指原莉乃さんは、少し前に「映画を観るのが苦手」と呟いていたのが面白かった。「映画（演技）に興味がない」とは以前から言っているから、本当なのだろう。でも、映画を観ること自体が苦手というのは、一般社会にはたまに居るけれど、芸能に携わる人ではなかなか居ないよ？非常にユニークだと思う。

ＵＷの落日 @uw_susu

指原莉乃さんの発言からは「身も蓋もないリアリズム」を感じることがあって、そうしたリアリストであることが「映画という虚構」に没入することを妨げているのではないか。でも「アイドルという虚構」は好きなんですよね。虚構であることを前面に押し出せば良いが、本物の振りをされるのが嫌なのかな？

ＵＷの落日 @uw_susu

「身も蓋もないリアリズム」というのは、例えば須藤凜々花さんの結婚宣言について、峯岸みなみさんが「総選挙の場でなければ違ったよね？」と言った時「ファンはアイドルに恋愛されること自体が嫌なんだよ。女性ファンも同じ」と斬り捨てた場面だ。賛同するかどうかは別に、一つのリアリズムだと思う。

ＵＷの落日 @uw_susu

指原莉乃さんの演技には「お芝居をしている自分」に対する照れ（自意識）が顔を覗かせてしまう瞬間がある。「役になりきる」というのはある意味で自意識を捨てることなのだが、それが出来ないのだ。そこが、とてもたけしに似ている。虚構を演じる自分とそれを醒めた目で見る自分が、常に共存している。

ＵＷの落日 @uw_susu

たけしは指原莉乃さんと違って映画の好きだけれど、たけしの映画的ルーツは既存の映画文法を破壊したヌーベルバーグであり、たけし自身もヌーベルバーグ的映画作家だ。指原莉乃さんはヌーベルバーグを知らないと思うが、監督を務めたHKTのドキュメンタリーはヌーベルバーグの香りがする作品だった。

ＵＷの落日 @uw_susu

ヌーベルバーグの特徴の一つは、映画の途中で役者がカメラに向かって話しかけて「これが映画である」ことをバラしてしまう手法だ。ヌーベルバーグ作家は、これを虚構を解体するための論理的な方法論としてやったのだが、たけしと指原莉乃には、論理ではなく「生理でそうなってしまう」ところがある。

ＵＷの落日 @uw_susu

「生理的な行為」だから、たけしも指原莉乃さんも、映画だけでなく自分の演技も解体してしまう。頭の中で常に「あんた何カッコつけて演技してんの？」という声が聞こえるセルフ突っ込み体質とも言える。これは演技者としては欠点なのだが、その醒めた視点が表現者としては武器でもあるという二律背反。

ＵＷの落日 @uw_susu

つかこうへいや蜷川幸雄の圧迫型演出には「役者を追い込んで余計な自我を捨てさせる」意図があり、だから新興宗教の洗脳手続きと似ている。つまり、自我を捨て「神」（自己の外部にある何か）に身を任せることが出来るのが優れた役者とも言えるが、たけしや指原莉乃さんは、そこから一番遠い人だろう。

ＵＷの落日 @uw_susu

「指原莉乃=たけし」説についてのまとめを作ってみて、指原莉乃さんが「タレントとしてのタイプ」がたけしに似ている説明はしているが、「在り方」がたけしに似ている話しはしていないことに気がついた。「在り方」を語るのは難しいけれど、両者は不可分なので、触れないまま、という訳にも行かない。

ＵＷの落日 @uw_susu

たけしがコペルニクス的転回だったというのは「お笑いだけどカッコいい」ではなくて「お笑いだからカッコいい」という在り方を、初めて確立してしまったからだ。たけし以後は、それまでの「有名になりたいから、とりあえずお笑い」ではなく「カッコよくなりたいからお笑い」を目指す若者たちが現れた。

ＵＷの落日 @uw_susu

たけしは最初に「上から目線で大衆を斬った」コメディアンだ。それまでのコメディアンは、世相を斬る場合でも「ワテもバカやけど、あんたらもバカやろ？」と自分を一旦低い場所に置いたが、たけしは「こんなギャグで笑うって、お前らバカじゃないの？」と斬り捨てた。それは初めてのカタルシスだった。

ＵＷの落日 @uw_susu

それは、たけしなりの屈折を経た社会批評だった。世の建て前や約束事の「ワザとらしさ」を斬っていたのだが、たけしのフォロワーの 「カッコよく有名になりたい若者たち」は、たけしの言動の表面だけをなぞり、ただ上から目線で大衆を蔑視した捻りのない罵言を「笑い」だと考えてしまうようになった。

ＵＷの落日 @uw_susu

実際、お笑い芸人が「有名人」という高みから「大衆をバカにするようになる」のは、たけし以後の現象だ。たけし本人は（少なくとも昔のたけしは）そんな単純な人間ではなく、諸刃の剣で大衆を斬りながら同時に自分も斬られているニヒリズムがあった。しかし、フォロワー達にはその衒いがなかったのだ。

ＵＷの落日 @uw_susu

そして、指原莉乃さんもAKB（アイドル）の在り方にコペルニクス的転回を起こした。スキャンダル報道を機に、ファンの理想や願いの容れ物であるアイドルという器を自ら撃ち壊し、人間宣言をした。普通、人間宣言をするとアイドルから降りるのだが、指原莉乃さんは人間宣言をしつつ頂点を目指したのだ。