U-he Presswerkのマニュアルをちゃんと読んだら面白い発見が多数あったのでメモ

タイトルのまんま
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2年ほど前に買ったPresswerkのマニュアルを初めてちゃんと読んだら、わりと面白い発見が多数あったのでメモしてみた pic.twitter.com/0OatAsckZ3

2018-03-13 11:36:03
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■制作背景 以前から「コンプっぽさ」が必要なときにU-heで使われていた自社製モジュールが複数あった。(同社シンセやテープシミュで使い回してたコードかな?)それらDyn系社内モジュールを組み合わせたらどうなるだろ? 好奇心から試してみたところ、こりゃ単体コンプ作るしかねーべ!ってことになった

2018-03-13 11:37:54
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※ここからはUIを見る限りは自明でない機能を紹介するよ!

2018-03-13 11:38:41
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■プリセット機能について プリセットには、よくある「お気に入り」に限らず「ジャンク」タグもあるので、これで不要なプリセットを非表示にできるよ!

2018-03-13 11:38:41
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■検知器方式について Feedfoward…結果が予測可能な反面、「非音楽的」なところがあるので、2ミクスとか比較的複雑なソースに使うときには注意が必要だよ!

2018-03-13 11:39:33
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Feedback…ビンテージ機器によくみられる方式だよ! 検知器はゲインリダクション後の信号も参照するので、「おっ、やりすぎたな」と思ったら自律的にリダクションを軽減してくれるわけだ。(ヒーターとか航空機の自動制御にも使われてるよ) FFに比べて神経を使わずに済むし、音楽的になるね!

2018-03-13 11:39:34
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ただし欠点は、スレッショルドとレシオの影響範囲が通す素材によって変わってくるので予測が難しことね。

2018-03-13 11:39:34
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Interactive (INT)…FFとFB、両方のいいとこ取りだよ! トランジエントの多い素材に対してはFF寄り、そうでない素材はFBの動作をすることで、FBよりも高いレシオを得られるよ!

2018-03-13 11:39:34
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■DRPボタンについて Dual Phase Rotaterの略で、声のトランジエントを軽減するためにラジオ用のプロセッサなんかでよく使われるテクニックをエミュるよ! 他にも位相を濁す目的で使ってね

2018-03-13 11:39:53
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フツー、デジタルコンプは周波数特性、位相特性には影響を及ぼさないんだけど、コンデンサ/インダクタを積んだアナログ機器では、位相が変化するものなの。 DPRの仕組みを説明すると…入力段で200Hzあたりの位相をズラして、出力段でも低域をズラすよ。

2018-03-13 11:40:58
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こうすると入力段ではキックなんかが色付け/抑制されて、出力段では急なゲインリダクションにより低域のインパクトが失われることを防げるのね。

2018-03-13 11:40:58
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もちろんこの手法にはデメリットもある。もし高音圧のマスターがラジオ経由だと耳障りでショボく聞こえるか疑問に思ったことがあるなら、その理由はこういうこと:つまり位相を回転させることは、結果としてSymmetrical Distortion(波形の+-側に均等にかかるクリッピング)を強調することになる。

2018-03-13 11:40:58
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だからDPRは、クリッピングがない音源に対してこそ力を発揮するよ!

2018-03-13 11:40:58
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フツー位相回転によるトランジエントの変化は聴覚はできないもんだけど、低域の聴感には ゥモフッ!とした色付けとして現れることがあるのね。 あと、サウンド全体としては少し明るく、新鮮に聴こえることもある。

2018-03-13 11:42:00
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最終的にDPRを使用すべきかどうかは好みやプロジェクト次第…なんだけど、ひとつだけ注意してほしいのは、もしPresswerkをバイパスした信号と組み合わせてパラレル処理を行う場合、位相差が問題になる可能性があるから気を付けてね!

2018-03-13 11:42:00
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■Envelopeセクションについて 「RMS Window」…検知時間を設定するよ!フツーは1-5msの間で使うといいし、それより短いとリミッティング/積極的な音作り()に使えるし、10msを越えればオプト・コンプっぽい動作もできるよ! Electro/Optoとか選択可能なコンプよりも細かく設定できるね!

2018-03-13 11:45:20
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「Adapt」は、オートリリースの度合いみたいなもんだよ!よくあるAuto Release On/Offよりも細かく設定できるね!

2018-03-13 11:45:21
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■Saturationセクションについて 「Dynamics」…サチュレーションとゲインリダクションの関係を決めるよ!左端だとサチュレーションはかかりっぱなしだし、右に回すほどゲインリダクションがかかった時だけサチュレーションが加わるようになるよ!

2018-03-13 11:46:54
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「Warmth」…信号のエネルギーを高域にシフトするよ!…というとハイ上がりを想像するけど、実際は上げるほど高域をギュッと潰すから、むしろローが強調されるんだ。テープをドライブしたときのような効果だね。 AmountとDynamicsをうまく組み合わせると、より生々しく有機的なサウンドが得られるよ!

2018-03-13 11:46:54
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■HQモードについて オーバーサンプリングを有効にするよ! プロジェクト設定が44.1/48kHzの場合は4倍、88/96kHzの場合は2倍に、それぞれ内部処理時のSRが変わるからね!

2018-03-13 11:47:13
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■Mixセクションについて 「HP」…パラレルコンプ時に、Dryにだけハイパス・フィルタをかけるよ!コンプにより明瞭さが失われたときに役立つよ!Voを処理するときなんか、強めのハイパスをかけたDryをちょっと混ぜ込むと、エンハンサーなんかよりもエアー感のある高域が得られるかも!

2018-03-13 11:47:41
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「Expand」…ゲインリダクションの量に応じてDry信号を増減するよ!HPと組み合わせると、より躍動感のあるサウンドになるかも!

2018-03-13 11:47:50
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最後は… ■カスタム・ラベルについて Mixセクションの真下はラベルになっていて、ダブルクリックすると任意の16文字を入力できるよ!インスタンスの判別に使ってね! (し、知らんかった…!!) pic.twitter.com/yL3Z9YyaWp

2018-03-13 11:48:36
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