持続不可能社会への鎮魂歌

高山直人(💉×4)(魔法天使、軍事好き、車バイク鉄道&オタク&サブカル&左翼が死ぬ程超好き) @naobotaka_magi

これでは若者は怖くて学校になじめない。危なくなった現実から徐々に若者が引き始めた。いじめ禁止・体罰廃止などで起死回生を図ろうとするも、魂は外堀を埋められた状態で闘わざるを得なかった。さらに行政当局も賢者や民主主義や左翼に冷淡だった。

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当時の大衆も、民主主義や左翼は障害物と考えており、排斥を求めていた。まさしく四面楚歌の魂であった。

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魂が最初に敗北したのが2001年のことである。小泉政権はネオリベ路線の思想である。この政治が現実化されてしまったのである。当時、深刻な問題であった不景気(今のほうがかなりマシ)解消の切り札として保護的なものをどんどん撤廃してしまったのである。

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不景気時には普通、公務員の権威の強化を行ったりするものだが、当時の日本にはこのコモンセンスはなかったのである。最良の切り札を奪われた日本はさらに馬鹿によって脅かされようとしている。

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あらゆる策もむなしく衰退は訪れる。年々左派人口は減少していった。大学から左派は原則排除となり、意識高い系のみが存続するようになってしまった。あまりの衰退から、日本人民の一部からは左翼・民主主義不要論すら出てきたくらいである。

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何よりも、知性主義が落ち始めたのである。まず反知性主義との競合が激しくなった上に、2000年代以降にさらに深化した反知性主義の影響を受け、左派自体の生命力が悪化したのである。これまでは、世代継承で知性主義を支えていたが、社会はとうとうそれを支え切れなくなったのである。

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2013年には、日本の左派勢力が事実上崩壊した。そして、2018年、日本は知性の国としての幕を下ろした。ここに魂は力尽きた。 魂よ。君はもう十分に闘った。私は君を忘れない。君は私たちにかけがえのない教訓を与えてくれた。どうか安らかに眠り賜へ。

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社会に携わる者、そして物事を修める者はコモンセンスを守り、大衆にそれを伝えていかねばならない。大衆というのは知識人ではない。大衆は専門知識を持たず誤謬をすることが多い。だからといって、それを責めてはいけない。専門家とて、自分の専門以外では無知なのだ。

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人の上に立つ者、そして知識を治めるものが正しい知識を市民に伝える、そうすることによって初めてコモンセンスが成り立つ。人々が「常識」と思っていることで、本当は間違っていることは多い。界隈では間違いが定説になっていても、それが一般の人に伝わらなければコモンセンスは成り立たない。

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例えば、「働きすぎで人は死なない」これは科学的には事実である。だが、一般人はそう思っていないことが多い。「働きすぎ=過労死」と思っているのである。

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労働時間の長さが死に直結するのではない。そこから発生するストレスや精神的崩壊が起きるから過労死するのである。「労働時間が減れば過労死がなくなる」というのも、実は理論上は否定されている。

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これまでも日本の労働時間は長かったが、それでも生活のレベルが高くなかったから問題にはならなかった。もちろん、そのような生活をレベルの高さ関係なく精神的に頑丈になっているなら問題はない。

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だが、急速な日本社会の生活のレベルの向上に合わせて、ブラックと揶揄されているほどの時間ありきの労働の考え方は変えざるを得なくなった。時間制労働を維持するとなると生活の向上は絶望的と思うが…話を戻そう。

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民主主義・社会主義というものは独裁の予防や全体参加の社会であるなど、非常にメリットが多い反面、デモや選挙などで社会を占有するために子供や若者や大人との連動が不可欠である。

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つまり、民主主義・社会主義導入や維持は社会政策の根本に関わってくる問題なのだ。だからこそ、民主主義は世界の社会のコモンセンスと言って良い。大衆の間でコモンセンスを共有しないと民主主義は成立しない。

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同じ先進国でも、独裁制はどうか？東アジアの社会はかつて独裁制が主役であった。現在、その社会は独裁制だけで問題を起こしている。世界のどこの地域も経験したことだ。そこで、独裁制よりも合理性の高い民主主義に代替した。これによって政治災害をなくしたのである。

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確かに日本では左翼運動や民主主義の動きは少ない。だが、それは大衆と権力が活性化させないように工夫した結果である。そこに関わる人間は、社会的な安全すら確保されない。社会を語る人間の人権すら尊重しない国で、コモンセンスが成り立つはずがない。

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存続には国民意識の問題が大きく横たわっていた。足引っ張りだから、存続してもおぼつかないと。だが、政治の役割は政治以外では実行できないが、公共性の高い活動を行うことである。

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政治屋というのは単なる公務員や役者ではない。意見を持つ国民の代表として一人ひとりが存在する。そういうリスクの責任が支払われる対価にも反映されている。これを忘れた時人々は判断を誤ってしまう。

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これまでも日本の民主主義は低迷であった。その低迷をカバーしていたのは政治屋である。元はと言えば、選挙で票を入れた人々である。これまで民主主義の弱さは、民間と関係のない者が負担していたのである。日本にとっても、この低迷がなければ他の問題の解消に取り組めた。

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日本の政治屋は民主主義や国民の未熟さを考えれば、十分すぎる責任機会費用を負担している。低迷を厭う日本人の気持ち自体はおかしな事ではない。だが、これまで誰が低迷を負担してきたかということを無視して低迷を厭うのは人間として本当に誇りある行為か。

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常識のある人間ならば低迷故に独裁者を歓迎する以前に、今までの政治やとその協力者の負担に感謝しているであろう。人に痛みを負わせて自分の番になって拒絶するような社会にはコモンセンスはない。

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正しいコモンセンスがなければ誰も公共性の意味を理解することは出来ない。確かに、お金好きがこれだけ増えれば、その声を聞くことに公共性はある。だが、民主主義を信じることに公共性はないのか？未熟という現実から成熟という理想へのアプローチを示すことに公共性はないのか？

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世界中探してみても、単に民主主義を廃止した後に問題が好転したケースはない。置き換えるシステムが良好であった場合はもちろん成功している。だが、独裁性移行にしろ、共産主義への進化にしろ、民主主義存続と同等以上の手間はかかる。