日向倶楽部世界旅行編第40話「ハイパー料理バトル!日向VS必殺料理人」

香港を発ったヒューガリアンは航海を続け、タウイタウイ泊地へと降り立った。 そこでは料理大会が開催される事となっているのだが…
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三隈グループ @Mikuma_company

「料理大会があるらしい」 「料理の味を決めるのは食材じゃねえ」 「用意された食材を全て使わなくてはならない」 「消しゴムを…料理に…」 「いつか太陽すら料理し、盛り付ける男だ。」 「食事とは誰が作るものか、言ってみろ!」 「…お待たせしました。」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/faja82q91a

2018-03-27 20:45:37
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【前回の日向倶楽部】 扶桑です。 操縦は機械に任せ、私はのんびりと映画を見ていました、ジョーズinジュラシックワールドという映画です、面白かったですね。 それはさておき、三隈さん達は何やら不思議な騎士の人と出会ったそうで、その方と剣の試合もしたとか。 あのおっとりとした彼女が剣を扱

2018-03-27 21:00:40
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【前回の日向倶楽部その2】 香港を発ったヒューガリアン、その航海の途中であきつ丸達はリリィレオンと名乗る謎の騎士と出会う。 ハイドロ団の刺客と思しき怪しげな風体に一同は警戒するも、そんな事はなく彼は三隈と決闘をして立ち去った。 それはさておき、鈴谷は三隈に話があったのだが…

2018-03-27 21:01:35
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第40話「ハイパー料理バトル!日向VS必殺料理人」

2018-03-27 21:02:34
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〜〜 ハイドロ団の基地 「ダイダリア…オカマだが実力はあり、見た目は女とそれなりに張り合える奴すら敗れたか…」 「なら俺が行く!」 「むっ!お前が行くのか!悪の料理力を持ったお前の力はワシが保証しよう!皆の分まで勝ちまくるのじゃ!さあ行け!」 また一人、悪が旅立つ… 〜〜

2018-03-27 21:03:34
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〜〜 タウイタウイ泊地、ミンダナオ自治地域タウイタウイ州に作られた、フィリピンに多数ある対深海棲艦拠点の一つである。 香港を発ち航海を再開したヒューガリアンは、この泊地へとやって来ていた。 そして到着と同時に、ここを発つ者がいた…

2018-03-27 21:05:57
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「お気を付けて」 「サンキュー、なるべく早く戻るよ」 緑色の髪に瑠璃色の瞳、鈴谷は軽い手荷物を持ち、誰と一緒でもなく一人で、日向達に手を振りながら飛行場へと歩いて行った。 「行ってしまいましたな…」 「ふふっ、大丈夫よ、すぐに戻って来ますわ。」

2018-03-27 21:07:28
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去りゆく背を寂しそうに見送るあきつ丸を三隈は優しく宥める、というのも、鈴谷が一時的にヒューガリアンを離脱する事となったのだ。 「義手のメンテだっけ?」 訊ねる最上達にあきつ丸は頷く 「ええ…鈴谷殿の義手には色々なものが入ってますから、きっと整備や修理も大変なのであります。」

2018-03-27 21:08:45
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彼女の言うように、鈴谷の義手は本人が「特注品」と豪語するだけあって、極めて複雑な構造をしていた。 「然るべき場所でないと整備は不可能」というのは本人の弁だったが、仕込まれた無数の装備を踏まえれば納得出来るものだった、故に彼女は、一人整備に戻ったのである。

2018-03-27 21:10:36
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「しかし鈴谷の義手…あれはどこで作られたんだろうな、まるでオーパーツだ、どこで整備するとか聞いてないのか?」 日向の言葉に三隈は首を横に振る 「いいえ、今回は三隈の方で飛行機などを手配させていただいたけれど、行き先は大まかにしか話して下さらなかったわ。」 「むうん」

2018-03-27 21:12:00
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むうんな日向をあきつ丸は諭す 「鈴谷殿はお仕事の関係で多くは語れないのでありましょう、多分」 「そうか…アレを作れる技術、気になるんだがなぁ…今度教えてもらうか」 と、そんなこんなで鈴谷とはいったんお別れ、一行はタウイタウイ泊地に滞在する事となった。 〜〜

2018-03-27 21:13:27
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〜〜 さてさて、あの後日向達は三隈とあきつ丸と別れ、タウイタウイ泊地を見物していた。 「二人は何しに行ったんです?」 「あきつ丸がトレーニングしたいらしくてな、三隈はその付き添いだ。」 「まあ…あきつ丸さんは努力家ですね。」 「船でも訓練してたし、すごい頑張りよね。」

2018-03-27 21:15:26
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最上、日向、扶桑、初霜、いつもの四人とも言うべきメンツは、訓練に励む彼女とは逆にのんびりとタウイタウイ泊地を歩く。 「そういえば鈴谷が言ってましたけど、この辺って治安悪いんです?」 「うむ…良くはないな、泊地内はまあ安全だが、もし外に行くなら私と一緒の方が良いだろう。」

2018-03-27 21:16:55
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タウイタウイ州のあるミンダナオ自治地域は、フィリピンの中でも経済と治安が不安定なエリア、深海棲艦出現後はそれが更に進んだ事もあり、泊地の警備はかなり厳重なものとなっている。 「全体的に物々しいですね…戦中のようです。」 泊地全体から感じられる軍隊色に、扶桑は複雑な表情を浮かべる。

2018-03-27 21:18:35
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そんな光景に、最上もふと言った 「深海棲艦が落ち着いて来るとあれですよね日向さん、海賊とか領海問題とか」 「ああ、深海棲艦で有耶無耶になっていた問題がぶり返すんだ、面倒だよな。」 「ですねぇ、この先そういうの考えて艦娘やらなきゃいけないのかなぁ」 「かもな、ハハハ」

2018-03-27 21:19:55
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二人は肩を竦めながら苦笑いした。 と、そんなこんなで喋りつつ歩いていると、四人は道中に大きなポスターを発見した。 「なんか書いてありますね、外国語で読めないや」 「どれ私が読もう、何々…」 早々に読む事を放棄した最上に代わり、日向は料理と老シェフの描かれたポスターをジッと読んだ。

2018-03-27 21:21:35
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「…なるほど」 「何が書いてあったのですか?」 「あの有名シェフ、フォウ・A・グーラ氏主催の料理大会があるらしい、まだエントリー受付中のようだ。」 日向はそう言うと、ポスターの側に置かれていたチラシを取った。 「出るんですか?」 「当たり前だ、面白そうだしエントリーだよ」

2018-03-27 21:22:54
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日向は案内のチラシをハンドバッグに突っ込み、また歩き出した。 すると、何やら人だかりが出来ていた。 「なんだなんだ、美味そうな匂いがするぞ」 四人がのこのこ行くと、そこには屋台のようなものがあり、ムキムキ筋肉質で顎の割れた料理人が、慣れた手つきで何やら料理を作っていた。

2018-03-27 21:24:27
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「お祭りの屋台にしちゃ随分盛り上がってますね」 最上がそう言うと、近くで見ていた日本人の男が小馬鹿にして言った 「おいおい、お祭りの屋台とはなんだよ、ビストロ艦アポロン号の必殺料理人、クックアポロンシェフを知らないのか?」 「誰だろ、日向さん知ってますか?」

2018-03-27 21:25:37
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知らない最上に日向は思い出しつつ頷く 「ああ、聞いた事はある。ビストロ艦アポロン号…ものすごく美味いと評判だが、あちこち回って店を開くからなかなか食べられないというあの。」 「その通り、そのアポロン号とクックアポロンシェフがこのタウイタウイに来てるんだ、ラッキーだよな!」

2018-03-27 21:27:01
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日本人の男が興奮して言っていると、クックアポロンは皿に料理を盛り付け、待っていた客に手渡した。 「あんた達も食べたいなら俺の後ろに並びな、シェフの料理は場所を選ばず最高だぜ!」 「うむ」 日向達は言われた通り並ぶ事にした、待っている人はかなり多く、彼等の後ろにも大勢並んでいった。

2018-03-27 21:28:29
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だが調理スピードも速く、日向達の順番はすぐに来た。 すると、日向を前にしたクックアポロンが話しかけてきた 「そのチラシ…あんた、料理大会出るのかい?」 「ん?ああ、そのつもりだ。」 日向がすんなり答えると、彼はニヤリと笑った。 「そうか、なら良いものを作ってやろう」

2018-03-27 21:30:01
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そう言うと彼は何やら不思議な食材を取り出し、パッパパッパと団子のように調理し、小皿に盛り付けた。 「サービスだ、ここで食ってみな」 「良いのか?ならありがたく頂こう…いただきます」 アポロンに言われるがまま、日向はその団子のような料理を割り箸で摘み、食べた。 「…どうだ?」

2018-03-27 21:31:34
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彼が自信ありげに訊ねると、日向は満足げに頷く 「うむ、不思議な食感だが美味いな、何の肉だ?」 「アゲハチョウの蛹の中身をミンチにして固めて焼いた団子だ」 「むっ、アゲハチョウ…」 味とは裏腹にとんでもないゲテモノ、味は良かったし嫌ではなかったが、日向は目を丸くした。

2018-03-27 21:33:33
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「ギョッて顔してるな…でも美味かっただろう?」 「ぬぅ、正直また食べたい味だ」 日向がそう頷くと、アポロンはしたり顔で言った 「フッ…それが料理の本質だ、料理の味を決めるのは食材じゃねえ、料理人の腕前なのさ。」 彼のその言葉は、他ならぬ彼自身の腕が証明していた。

2018-03-27 21:34:59
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