ピコピコ/トムラアツシ

ピコピコ製作所
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#NoWar(人民)HiroshiHootoo @HiroshiHootoo

大伴の『図解・怪獣図鑑』は、今上天皇が学習院初等科2年生の春に、初めて店頭で自ら選んで買い求めた本として新聞、TV、週刊誌、さらにはニュース映画などで報じられたため、図らずも日本中にその存在が知れ渡ることとなった。 youtube.com/watch?v=OyybwT…

2022-04-06 15:17:41
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その内容は、実在した恐竜と円谷怪獣を半々の比率で構成をした“羊頭荼毘”な代物であったが、怪獣ブームの追い風もあり、月ごとに2刷づつ増刷する大ヒットとなる。ここぞとばかりに大伴は、即座にウルトラ怪獣をメインに編集した『図解・怪獣図鑑』を出版。この時点から自分名義の著書とした。 pic.twitter.com/nP07ysYFGi

2022-04-06 15:06:50
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…さらには怪獣の解剖図などの創案にも手を染め、手際良くも独善的に少年誌の怪獣特集記事として纏め上げていった。 1966年11月初旬、大伴は東宝の特撮監督であり、円谷プロの代表者でもある円谷英二の名を“監修者”として表紙に大書きした日本初の怪獣図鑑『怪獣画報』を出版する。 pic.twitter.com/TDiLdBhree

2022-04-06 14:59:02
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『ウルトラマン』制作の舞台裏を取材しつつ、放送前の怪獣の写真、デザイン画、各話の脚本など、なんでも集めるようになり、着ぐるみ怪獣の制作工房まで取材に押し掛けた。そして、集めた資料を駆使しつつも、脚本家や演出家でさえ決めていなかった怪獣の身長や体重などのデータを勝手に算出しだし… pic.twitter.com/FWn17FAaQd

2022-04-06 14:56:15
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…それを凄く象徴していますよね。いわゆるアートもそういうことでしょ(笑)」 さて、TV番組『ウルトラQ』放送以降、週ごとに新怪獣に接することが日常となった1966年のこと。1回の放送で姿を消してしまう怪獣たちのデータを収集し、「図鑑」として纏めようと目論んだ無名の“パロディスト”がいた。 pic.twitter.com/rFB2fkVakt

2022-04-06 14:39:23
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再びピコピコの発言に耳を傾けよう。 「誤解してほしくないのが、『怪獣』の活躍を描く『怪獣作品』が好きなのではなく、『怪獣』そのものが好きで、自分にとって大事だということ。『怪獣』っていろんな境界……現実とファンタジーだったり、意識と無意識の狭間だったりの向こう側からくるもので… pic.twitter.com/SXzbDnmHFv

2022-04-06 14:25:58
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『キングコング』や『ゴジラ』1954 といった興行的にも作品的にも大成功を収めた作品は怪獣を主役として真剣かつ丁重に扱った。TV番組『ウルトラマン』(1966~67)大成功の秘訣も、毎回、手を変え、品を変えて現れるウルトラ怪獣を、主役より格上の「Special Guest Star」扱いしたところにある。 pic.twitter.com/4mppmZvt1Q

2022-04-06 14:19:26
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その内容は、未知の孤島に住む「コング」と呼ばれる巨獣を、米国の記録映画撮影隊が生け捕りし、ブロードウエイで見せ物にして一攫千金を画策するも、舞台上のコングは鎖をちぎって逃走。当時の最先端文化の象徴である摩天楼によじ登ったが、攻撃機の機銃掃射を受け、墜落死するというものであった。 pic.twitter.com/X15lVqDg3D

2022-04-06 13:54:56
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これらの例から、ピコピコ怪獣に限らず、“怪獣という存在は主役でなければその存在価値が損なわれる”という結論は感じとれないだろうか。 20世紀の表現者が産んだ様々な表象のなかで、こと“怪獣の代名詞”といえば、1933年の特撮映画『キングコング』と、その名を冠した巨猿をおいて他にないが… pic.twitter.com/BRiR1PQ2RV

2022-04-06 13:41:37
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先に揚げたMVへの客演仕事の殆どが、ピコピコ怪獣を主役ミュージシャンの盛り立て役としてエキストラ扱いをしていた。しかし、ミュージシャンは、そのパワーを受け取って輝いていたか?そうは思えない。 例外的な『Monsters High!!!』は、ベッコスを主演とすることで、その芸術的完成度を高めたのだ。 pic.twitter.com/2S6SXWTJxr

2022-04-06 13:29:16
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それは、かつて「ゴジラ」を産んだ名門・東宝が、世界的な映画産業の落ち込みの真っ最中の1973年にTV向けに製作した着ぐるみ怪獣喜劇『クレクレタコラ』への敬愛に基づいた真摯な再現だと感じられたからで、同番組登場の着ぐるみ怪獣とピコピコ怪獣は、皮膚感やカラフルさにおいて親和性が高いからだ。 pic.twitter.com/tubsWjMkEf

2022-04-06 13:11:15
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『Monsters High!!!』NVは、最初から最後まで、疾走感と開放感で貫かれ、自由な表現の精神が満ち溢れている。しかも、画面に映る着ぐるみ怪獣たちが、ピコピコ怪獣でなければ成り立たない必然性さえ感じた。その必然性とは? youtube.com/watch?v=Nv8zXn…

2022-04-06 12:46:27
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路上でカツアゲに勤しむ「粘獣ネバー」は、ベッコスが強盗で入手した札束に目が眩み、金属バットでベッコスを殴打。他のピコピコ怪獣たちも大挙入り乱れての疾走劇が展開した挙句、ベッコスの着ぐるみの中からMARUOSAが飛び出す。それを見下ろす巨大怪獣・ベッコスがMARUOSAを踏み殺して“THE END”! pic.twitter.com/W8h710XAQg

2022-04-06 12:37:18
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ここまで述べたようにピコピコ怪獣が起用されたMVは数多ある。そんな中で、唯一、“芸術家としてのピコピコの核心”を捕まえることに成功できた映像がある。斉藤洋平が2011 年に演出したインディーズ・アーティスト「MARUOSA」の『Monsters High!!!』だ。 youtube.com/watch?v=Nv8zXn…

2022-04-06 12:17:07
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以降もピコピコ着ぐるみ怪獣軍団は、2019年「FUNK THE PEANUTS」の『SPOIL!』や、2020年「BiSH」の『スーパーヒーローミュージック』といったメジャー系アーティストのMVに大挙駆り出されては、キュートさとグロテスクさの混じり合う独特な雰囲気を日本のショウビズ界に提供してきた。 pic.twitter.com/hNntDmkK9i

2022-04-06 11:53:53
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一連の活動は再びTV関係者の目に留まる。2013年4月、日本テレビのドラマ『ST 警視庁科学特捜班』の監督・佐藤東弥の依頼を受け、人体解剖模型を戯画化した「ガッキーくん」の着ぐるみとフィギュアを製作。フィギュアは大手メーカー「メディコム・トイ」によって商品化、累計1000個以上を売り上げた。 pic.twitter.com/O5LOizt0OZ

2022-04-06 11:46:24
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勢いづいたピコピコは、ゴッホ今泉主催のクラブイベント「デパートメントH」で毎月のように怪獣ショー出演、さらに映画監督・中野貴雄が開業した“怪獣がホステスを務める”という趣向の店「大怪獣サロン」にも参画。同店専用の着ぐるみ「小悪獣ムーチョ」を製作…と表現活動の幅を広げていった。 pic.twitter.com/WKTvpUXMY7

2022-04-06 11:32:39
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2007年にはピコピコ怪獣ワールドのフロントマン的存在となる「諧獣ベッコス」の着ぐるみも完成し、ピコピコ怪獣軍団はロックバンド「RIZE」のMVに大挙出演。これを皮切りに、「L.M.C」、「V6」、「乃木坂46」、「RIP SLYME」、「HOWL BE QUIET」、英ロックバンド「MUSE」らのMVへの客演依頼が続いた。 pic.twitter.com/sD6YD5o2Gr

2022-03-27 22:21:58
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増田氏による初のヴィジュアルショー『FAIRY TALE』のために8体の新怪獣をデザインし、その内の3体をウレタンとラテックスで着ぐるみ化したのである。それは特撮映画の怪獣と同等の素材で作られたにも関わらず、ありがちな怪獣になることを拒絶し、自ら徘徊する“奇妙な立体オブジェ”であった。 pic.twitter.com/OekUWA8rUe

2022-03-27 22:17:06
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8年後の2005年、それまで布素材だったピコピコの着ぐるみ怪獣が、ウレタンとラテックスの併用によって作られることになる。原宿のブティック「6%DOKIDOKI」のプロデューサーで、のちに「きゃりーぱみゅぱみゅ」のアートディレクターとして有名になる増田セバスチャンからの製作依頼がきっかけだった。 pic.twitter.com/2Iv3PVE0Cr

2022-03-27 22:03:39
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同時期、彼はバンド活動も行っていたのだが、それはメンバー全員が布製の怪獣着ぐるみを着てロック演奏するという特異な表現行動だった。これがフジテレビの番組関係者の目に留まり、その名も「ぬいぐるみバンド・ピコピコ」は、同局の深夜番組『よいこっち』のエンディング曲を担うこととなる。 pic.twitter.com/hfcS3ONtxp

2022-03-27 21:57:18
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ここで述べている《自作の「怪獣図鑑」》とは、彼が1997年に参画した合同アート展のテーマが「アーティストブック」であったときに、初めて本格的に装丁して作った「アート作品としての怪獣図鑑」のことで、その名もズバリ『怪獣』という作品であった。 pic.twitter.com/OojquEpfy2

2022-03-27 21:49:33
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無数の落書きで埋められた教科書は、現在の《一日一怪獣》の原点だ。ではなぜ図鑑好きだったのか。 「動物が好きで、動物図鑑が大好きでしたから。図鑑は一冊に全てが詰まっているところがたまらなかった! だから怪獣映画より怪獣図鑑が好きだし、自分でも怪獣図鑑を作ってしまったんですね(笑)」 pic.twitter.com/T4zHvgIzAz

2022-03-27 21:44:49
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教科書より厚みのある辞書はパラパラ漫画=アニメーションを描くのに最適だったし、漫画や絵本を読むこと以上に、何よりも動物図鑑を眺めるのが好きだったという。 義務教育の工程をひっくり返して“遊戯”化していたピコピコ少年の行動は、そのまま彼の今日の創作活動の基本フォームとなった。 pic.twitter.com/hjbJ9jifBL

2022-03-27 21:36:46
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ピコピコが、独自の怪獣を作り始めたのは、小学校での授業中のことだった。教科書の余白部はキャンバスとなり、練り消しゴムは粘土になった。奔放な子どもの行動や思考を絶えず抑圧してくる勉強道具は、ピコピコ少年の手に掛かると、ことごとく怪獣を生み出す原材料となった。 pic.twitter.com/rjPFdn4k0y

2022-03-27 05:04:15
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