個人的な映画アマデウスその他のこと色々
つい我々凡人や腐女子はサリエリさんに肩入れしてしまうけど、宮廷の連中が独占する贅沢品としての音楽の世界をモーツァルトはぶち壊したいと足掻いてるのも分かるので、普通にあのモーツァルト像が好きな人はやっぱりサリエリは皇帝や時勢を味方につけてるだけの体制側の悪人だと断罪することになる
2018-04-12 18:36:29しかしその悪役像も当時のゴシップ的な濡れ衣を舞台化、映画化して広まってしまったもので…後進の育成もしている史実の様子とは真逆の性格なので訂正したい人も出てくる。でも世間の凡人の望む悪役像を背負っているかのようなサリエリの台詞も映画の最後にあって、そこがしんどい
2018-04-12 18:49:02映画で多分史実を知りながら意図的に肯定してしまってる嫉妬に飲まれた悪人としてのサリエリ像が、本当に誰にとってもいいもので許されるやり方なのかは分からないです。事実を知ってなお好きな話だし個人的には肯定したいけど
2018-04-13 02:12:34もはや脚色された映画サリエリと史実の人の共通点、甘い物好きしか無いんじゃないの…という気がして来ますが、たしかにお菓子を食べるシーンおいしそうなんですよね…相談に来たモーツァルトの奥さんにお菓子をすすめるサリエリの顔めっちゃ可愛いので見て pic.twitter.com/L7knvMYbeR
2018-04-12 11:37:16おまけ。モーツァルトのスパイとして送ったメイドの娘にもお菓子をすすめるサリエリ pic.twitter.com/kUxj8JFmCd
2018-04-12 11:40:00『アマデウス』の映画評で印象深いのは世界正食協会(マクロビの普及団体)の機関誌にのった「皆のべつまくなしに甘い物を食べている。モーツァルトの軽薄さもコンスタンスの思慮の浅さもサリエリの嫉妬深さも白砂糖摂り過ぎの兆候である。この作品は白砂糖の害を見事に描いている」というもの
2018-04-12 16:07:33「凡人の神」とは何者か
サリエリさんのようになる条件1 秀才なので、当時の評価は高い。成功者 その世界の天才と大きな関わりがある 目を掛けて世話した後輩の多くが大成する 苦境に陥った天才から、こんな境遇なのはこいつのせいだ、と変な期待からの逆恨み、を吹聴されたり書き残される
2018-04-12 12:43:03サリエリさんのようになる条件2 天才の死後、天才が秀才に向けた一方的な愚痴や非難などが発見されて、秀才が悪役と世間に信じられる 天才の業績と名前が語られる度に、秀才が引き合いにされる 後世において、秀才自身の業績や作品より、天才の関わりでしか需要がなくなる 悪評がもはやテンプレに
2018-04-12 12:47:51アマデウスの描写を信じちゃう心の動きは凡人→天才の羨望の物語に肩入れするように見えて実は曖昧かも知れない天才の証言をあてにしてるって思うと、結局は大衆が持ってる才能のある人に対する幻想の問題な気がしてくる
2018-04-12 12:28:57史実の人はともかく、映画サリエリは生まれたときから神童で神に愛されてるモーツァルトと、キリスト教の神様とか音楽そのものを重ねすぎなんだよね…ひとりの人として見れてない。そしてそれはモーツァルトに対して大衆が持ってるイメージの距離感とあんまり変わらないという。だから面白く感じる
2018-04-12 12:32:43世のアイドルやスポーツ選手は神聖視されるけど、取り巻きの事務所とかプロデューサーとか指導者は冷たく見られがちなのと似てるかな…?
2018-04-12 12:47:14チャーミングな天才がそこにいるという幻想を守りたいからこそ、近くにチラつく取り巻きの人間は自分と同格の凡人だったり才能なし人間である必要がある。本当は縁の下の力持ちとして凡人なりに頑張ってるかも知れないのに
2018-04-12 13:06:49映画サリエリさんは最後に自分のことを「凡人の神」と言い、精神病院の他の患者たちに「お前たち凡人の罪を許す」と言うのね。あの有象無象の人間たちって誰なのかな?って考えるとやっぱり映画としても偶像のサリエリさんの与えられた役割としても本当に良く出来てる
2018-04-12 13:21:22映画アマデウスの時も衣装とか時代考証がしっかりしているだけにサリエリの性格の悪さと罪を信じる人が多かったんだけど「こんなサリエリ像、史実ちゃう!」という申し立てが起こったそうで…でも名誉回復した所でゲームで再び羨望に身を焦がすキャラとして復活するサリエリさん、逆にたくましい
2018-04-12 13:45:24映画サリエリがモーツァルトの才能を神聖視して、ひとりの人として見れてないことにすら気づけないのは、なまじ女たらしな面とか下品な面を見てこれがこいつの本性だと思い込んだ所にも原因があるし観客もそこに意外性を感じてそれ以上モーツァルトの内面に踏み込めないんだよね
2018-04-12 14:23:17最後の方で二人で楽譜を書くシーンがすごいのは、初めて生でモーツァルトが作曲する現場を見てるサリエリの好奇心に完全に観客が同調するからかな…ストーリー上は謀略の真っ最中なんだけど、どうみてもサリエリさんがワクワクして側にいるのを喜んでるようにしか見えない
2018-04-12 14:30:22愛憎をどれだけ向けてもいい幻想の人からちょっとだけリアルに踏み込めたときめきの瞬間があのシーンなんだけど、そこまでの謀略のせいでもう時すでにおすしという悲劇性…次の日サリエリがモーツァルトの息子のベッドで小さくなってスヤってたのもちょっと示唆的…
2018-04-12 14:39:49まだ映画の話なんですけど、モーツァルト側もサリエリに心を許すのが遅いんだよね。下品な面とかサリエリをバカにしてるところを見られたのはサリエリが見てるって知らなかった時だし、二人が直接会話する時はお世辞や建前でなかなか本音を言わないソーシャルな壁がある
2018-04-13 09:27:00