どストレートにこの本がすばらしく感動したというだけの個人的な読書感想文。
- iciinoseyayoi
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小説にしてもそうで、『リアル鬼ごっこ』や『JKハル』を好きになった人が大勢いるのはしょうがないことだと思う。もちろん、僕の小説を「つまらない」とけなす人がいるのも(笑)。いや、けなしたっていいんだよ。あなたが本当にそう感じたのなら言っていい。
2018-04-10 14:50:33たとえば僕は『さよならジュピター』を何度も批判しているけど、眠田直氏は『さよならジュピター』が好きであることを表明している。その文章を読むと「なるほど、そういうところが好きなのか」と納得する。でも議論はしない。誰でも、何でも、好きになるのは自由だから
2018-04-10 14:46:16でも、読みもしないで「山本弘の小説だから」という理由で拒否する奴だけは、強い不快感を覚える。それは「感想」じゃなくて「嘘」だから。
2018-04-10 14:52:36「いい・悪い」と「好き・嫌い」が違うのは、アニメだけじゃない。実写映画やドラマ、小説やマンガ、歌なんかにしても、一般的な評価の低い作品を好きになったり、逆に評価の高い作品を好きになれなかったりするのも、人それぞれ、個人の自由だ。
2018-04-10 14:40:53このツイートに描かれたマンガみたいに、ある作品を最初から「まずアラ探して、それをネットでどうディスるか」と考える人って悲しいと思う。その作品の作者にとって失礼なだけじゃなく、「いい」作品にめぐりあえる機会を自分から拒否するって、すごくもったいない。
2018-04-10 14:57:13山本氏の事を何であれ批判する人たちはせめて『詩羽がいる街』『神は沈黙せず』ぐらいは読んでほしいのである。この気持ちに嘘偽りは一切ない。
2018-04-19 09:51:35詩羽のいる街 山本弘
P204
この人は『戦まほ』を読んでない。
それまでも、何かトンチンカンなことを書く人だな、とは思っていた。ちゃんと作品を読んでいれば絶対に抱くはずのない感想をいくつも書いていたからだ。「キャラクターが薄っぺら。人間の心理が描けてない」とか「戦場のまっただ中で主人公にだけ弾が当たらないなんてご都合主義だ」とか(しいちゃんが魔法で身を守っていることは、ちゃんと読めばわかるのに!)。でも、『戦まほ』の実物を読みもせずに、掲示板に書かれた他の人の感想を基に適当なことを書いていたのだとしたら、納得できる。
あたしは打ちのめされた。作品を読んだうえでそれを嫌いになるというなら、まだ話は分かる。感性の違いというやつだ。でも、読んだこともない作品についてデタラメな批判を書いて、そのうえ作者を中傷するデマまで流して愉しむってどういう心理? どう解釈したらいいの?
純粋な悪意。
そんなものはマンガやアニメの中だけの話だと思っていた。貧しさから犯罪に走ったり、ふと出来心で悪いことをしたり、正義感が暴走して他人を傷つけたりすることはあっても、純粋に悪を悪として愉しむ人間なんてものは、現実にはそうそう存在するわけがないんだと――でも、そうじゃなかった。『戦まほ』に向けられた悪意、あたしに向けられた悪意は、勘違いでも歪んだ正義感でもなく、混じりけのない悪だった。
『詩羽がいる街』にある少女がいた。少女は連載されていたファンタジーマンガ「戦場の魔法少女」に感動するのだが、ネット掲示板を見るとそのファンタジーマンガに対する罵詈雑言が並べ立てられている。
2018-04-19 09:51:57実際には書かれていない描写を揶揄するデマまで書かれていて、そのファンタジーマンガを読んだこともない人間が悪意を持ってデマを流し炎上させていることに少女は気がつく。
2018-04-19 09:52:21始め少女は一生懸命そのファンタジーが本当はどのような話であるのか訴える。ネットに書かれている「こんなデタラメな話ww」というのはデマを根拠にされているんだと訴える。
2018-04-19 09:52:38叩きたい人は叩くことが面白いのであり、実際に何が書かれているかなど気にしないのだが、少女にはその悪意が理解できない。実際に最後まで読んでみてほしい、そんな小さな願いすら届かず、掲示板の流れを変えることは出来ない。
2018-04-19 09:53:43それどころか擁護している少女の年齢などの人格攻撃をして掲示板は盛り上がる。そのファンタジーを自分をおもちゃにして楽しんでいる掲示板の人たちをみて少女は絶望し自殺を決意する。
2018-04-19 09:53:59一方その頃、そのファンタジーマンガのデマを拡散し掲示板が炎上するよう謀った老人は……。という小説である。他人の作品に対するデマは誰かを傷つけるとても悲しい事だとこの本で学びました。
2018-04-19 09:54:50「神は沈黙せず」。主人公の兄は「神の沈黙」についての説を細々としたサイトを開設し説明していたのですが、ある日その掲示板に大量の罵詈雑言が書き込まれます。
2018-04-19 09:55:47理由を調べると、主人公にフラれた小説家が兄に対する盗作騒ぎを起こし、扇動された小説家のファンがデマを信じてサイトを攻撃していることがわかります。掲示板は「さっさと閉鎖しろ」といった非難で埋め尽くされます。
2018-04-19 09:56:42兄は露骨な荒らしコメントすら削除せず、一人ひとりに長いコメントを残していきます。サイトの開設の目的を果たせず掲示板は荒れてしまいますが、兄はこう考えます。わずかながらでも自分の言葉が届いている人はいる
2018-04-19 09:57:33もう少し続けていけば冷静な議論をすることが出来ると。人と議論していれば自分の説の問題が明らかになると。兄は掲示板を閉めることなく議論を続けていきます。
2018-04-19 09:58:04「抱腹絶倒一回は三段論法千回に勝る」という言葉があります。世の中には扇動的でキャッチーなフレーズで相手の人格攻撃をして勝利し大衆を味方につけることに快感を覚える人もいるでしょう。
2018-04-19 09:58:46でもこの兄のように千回の三段論法を用いて説明をすれば誰かにはきっとその真摯な言葉は届く。そして自分の説を真摯に理解をしてくれる誰かはきっと現れる。私はそう信じる事の大切さをこの本で学びました。
2018-04-19 10:00:27ふたつの小説に登場する老人・小説家がなぜこのようなことをするのか。なぜ信者を扇動して個人サイトを攻撃させるのか、なぜ焚き上げて炎上させる事に喜びを感じるのか。
2018-04-19 10:00:50それはネタバレになるので書くことは出来ません。ですが、このふたつの小説のストーリーを忘れていたあなたは、ラストその真実に驚愕する。 かもしれないし、しないかもしれないけど、読まないで批判するのはよくないよなぐらいには思って下さい
2018-04-19 10:01:58