ポッシブル・ドミネイション ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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◆ジジージジジ。「ホノカ」の「カ」のネオンが爆ぜ、消えた。だが闇はひときわ明るく照らされた。インシネレイトが掌に炎を生み出したのだ。照り返しを受けてヤクザ伊達メガネが白く光った。「やるしかねェッてか！」炎を投げつける！「イヤーッ！」KA-BOOOOM！◆

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◆爆炎の中から、先陣を切ったオーガフィストが飛び出す！　インシネレイトは次のカトンを生み出そうとしていた。その表情が凍る。己の死の運命を否応なくわからされた者の顔だった。オーガフィストの拳がインシネレイトの顔面を粉砕するビジョン…を……破ったのは、シガーカッターのイアイだった！◆

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【ポッシブル・ドミネイション】#7

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「イアイ！」シガーカッターが動いたとき、彼の立ち位置は決してインシネレイトの近くではなかった。だが、イアイのタツジンは実際のカタナの長さ以上の間合いのものを斬る。くわえて彼のカタナは長さ4フィート。くわえて彼の肩甲骨はサイバネティクスであり、超電導でスライドするのだ。1

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オーガフィストが拳を出すのがもう一瞬早ければ、彼の頭部は水平に切断され、切断面から脳味噌が宙を飛んでいた事だろう。だが十二分に場数を踏んだ彼のニンジャ第六感は事前に殺気を捉えていた。「アバーッ！」彼に続いて飛び出した舎弟ニンジャの頭が水平に断たれ、脳味噌が宙を飛んだ！　2

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「サヨナラ！」舎弟の爆発四散を後ろに、オーガフィストはタイミングを遅らせた強烈な拳をあらためてインシネレイトに打ち込んだ。「イヤーッ！」「イヤーッ！」インシネレイトはカトン・ファイアフィールドを前面に展開し、かろうじてその拳を防ぐ。後方10メートルにノックバック！「チイーッ！」　3

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「ハッハアー……」オーガフィストは両手を顔の横に向け、中腰姿勢を取る。小柄でずんぐりした彼の身体が比喩的には豆粒のようになった。「イアイ！」容赦ないシガーカッターの斬撃が襲いかかる。「イヤーッ！」オーガフィストは腕にカラテを集中して、斬撃を相殺した！タツジン！　4

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「ネオサイタマ何するものぞ」オーガフィストはシガーカッターをぎろりと睨んだ。シガーカッターのカラテにも動揺は見られない。冷徹な目で敵を見据えるそのアトモスフィア。彼の周囲の気温はシトカの冷たい空気よりなお10度は低かろう。火と煤が舞うなかで、ソウカイヤと過冬は互いにアイサツした。5

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「チェラッコラー！」反動で地面を滑ったインシネレイトは動揺を粗暴な怒りで上塗りし、カトンを地面に叩きつけて高く跳んだ。「ブチ燃やしてやらッコラー！」空中から小火球を投げつける！ナムサン！「アバーッ！」「アバババーッ！」ニンジャ達は散るが、クローンヤクザは焼けこげる！　6

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BRATATATA！BRATATATA！過冬のタルナードは両手に構えたスリケン・サブマシンガンをインシネレイトに向け、フルオートで撃ちまくった。空中にあっては移動を制御できず、いい的である。だがインシネレイトはジェットめいてカトンを後ろに放ち銃撃を回避！　7

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タルナードは咥えタバコをふかしながら、引き金を引きっぱなしで撃ち続ける。BRATATA……BRATATA「イヤーッ！」「グワーッ！？」ナムサン！その横面に叩き込まれた強烈な拳によって、メンポがひしゃげ、左眼球が飛び出した。タルナードは回転しながら吹き飛び、地面を転がった。ヴァニティである！　8

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」すぐさまカバーにまわり、ヴァニティに襲い掛かったのは巨大なサイバネ爪を閃かせるスノーレオパルド！ヴァニティは容赦なく打撃で応えようとしたが、そのとき地中から生えた手が彼女の足首を掴んだ。ブラックソイルのドトン・ジツである！「グフフ……！」　9

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「チイッ……」ヴァニティは眉をしかめた。動きが封じられ、適切なカウンター攻撃が繰り出せぬ。「イヤーッ！」ヴァニティは咄嗟に両腕を交差してサイバネ爪を受ける。血飛沫！「ンンンンッ！」ヴァニティは奥歯を噛みしめ、目を血走らせ……蹴り上げた！地中のブラックソイルごと！「イヤーッ！」10

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「グワーッ！？」アスファルトを爆ぜながら、ヴァニティの右足首を掴んだブラックソイルは上へ跳ね上げられた。そしてスノーレオパルドと衝突！「グワーッ！」そのとき既にヴァニティは身体を捩じり終えており……強烈な回転ミドルキックを叩きつけていた！「イヤーッ！」「「グワーッ！」」　11

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二人まとめてくの字に吹き飛ぶブラックソイルとスノーレオパルド！だがその隙に乗じ、地を這うようなダッキング姿勢で接近してきたのはオーガフィストである！「イヤーッ！」ヴァニティはチョップを打ち下ろした。オーガフィストはカエルが跳ぶようなアッパーで迎え撃った！「イヤーッ！」　12

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KRAAASH！ヴァニティの右手が裂けた！「ウヌッ！」怯むヴァニティ。オーガフィストの拳がメキメキと音を立てて軋む。ヤクザニンジャの目には破壊の喜悦がある。ニンジャ二人を弾き飛ばした直後のヴァニティは、ワイズマンのカラテを防ぐにあたって万全の姿勢ではなかったのだ！「喰らいおれ！」　13

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ヴァニティのニンジャ第六感は一瞬後の死線を感じ取る。彼女は鋼めいた腹筋にカラテを込め、備えた。オーガフィストは腰を捩じり……「イヤーッ！イヤイヤイヤイヤイヤーッ！」左回転フック！右回転フック！左！右！左！右！左！「ヌウウウウッ……」「イヤイヤイヤイヤーッ！」「グワーッ！」　14

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ついにヴァニティのニンジャ耐久力が閾値を超える。食いしばった奥歯がひび割れる。ヴァニティはこの小男を強敵と認め、高速回転するニューロンは反撃の糸口を探ろうとする。挟み込む打撃から逃れねば……！オーガフィストの背中には、怒れるオニの刺青が、服越しに燃え上がっている！「死ィィィ！」15

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ヴァニティは耐えながら、身を屈めた。その後ろから……インシネレイト！「シネッコラーッ！」飛び越えながら、斜め上から最大火力のカトンをオーガフィストに叩きつける！KA-BOOOOM！「グワーッ！」　16

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火だるまになりながら吹き飛ぶオーガフィストはゴロゴロと後転して火を消し、不敵に起き上がった。「こりゃあ意外よの！ただのサンシタでもないか」「ザッケンナコラー！」両手に作り出したカトン・ファイアボールを立て続けに投擲する！「イヤーッ！」オーガフィストが躱す！KABOOOM！　17

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「スッゾオラーッ！」三発目のカトン・ファイアボール！カーブを描く！避けられない！「ヌウッ！」オーガフィストは防御する！KABOOOM！「チェラッコラーッ！」四発目！オーガフィストは……「グワーッ！」KABOOOOM！　18

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焼け焦げながら防御姿勢を取るオーガフィスト！「ヌウーッ……！」「姉御ォ！」乱れ髪を炎そのもののように逆立て、インシネレイトは目を白熱させながら突き進む！伊達メガネ融解！両手には五発目、六発目のファイアボールが育つ！「俺がビッと守ってみせますからよォ！任せたってくださいやァ！」　19

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」だが、オーガフィストの両脇から飛び出したのはスノーレオパルドとブラックソイル！「イヤッ！イヤーッ！」ファイアボールを二連発するが、オーガフィストには届かず！「アバーッ！」松明めいて燃え上がるスノーレオパルドが叫ぶ、「オニイサン！ヤッテクダサイ！」20

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「オウヨ」オーガフィストはフットワークで急角度からインシネレイトに襲いかかる！「イヤーッ！」インシネレイトはファイアボールを繰り出すが、ブラックソイルが燃えながら掴みかかる！「アバーッ！」迫るオーガフィスト！インシネレイトの動きを阻むブラックソイル……の上半身が切り離された。　21