ポッシブル・ドミネイション ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

裸の男は走って逃げ出そうとした。しかし脊髄がチューブに接続されており、うまくいかない。チューブと格闘しているうちに、カメラの視界には、ツカツカと近づいてくるニンジャの姿が映った。『アイエエエエ！』「イヤーッ！」ニンジャは男をチョップし、昏倒させた。ナムアミダブツ。　47

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ザリザリ……【ココマデナ】の赤文字が黒画面に映し出され、映像は終了した。『な！？スッゲエだろ！？これがどうやらオマークだ！』タキがまくしたてた。『なんかこう……ヤベエことは確かだろ！人間をよ、集めてンだよ！納入ってのはそういう事で……どう考えても公のビジネスじゃねえ』　48

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「続けろ」ニンジャスレイヤーは低く言った。『ア？ああ、つまりだ！これの納入先はよっぽど覆い隠されてッからよ、どっかアラスカの外の、まあメガコーポの管理なのかとも思ったが、違うんだな。近いぜ！どこだと思う？……あ、そういうのはいいか。不自然な積み荷の移送先はエッジカム火山だ』　49

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『これ、何なんだろうな？何で関連データにエメツ鉱山の産出量の折れ線グラフがあンだよ？見るか？』モニタに映し出されたのは右肩下がりのグラフだ。『な？どうでもいいよな。とにかくよ、エッジカム火山に向かえ。知らねえけど、これだけ調べてシトカ市内にいねえなら、ボスもそこじゃねえの？』　50

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「近いですが……」共にモニタを見るコトブキが眉根を寄せた。「海を隔てています」「火山への行き方は？」ニンジャスレイヤーが尋ねた。『そりゃお前……知らねえけど、泳ぐなりボートなり、なんかあるだろ。そんなのオレに聞くんじゃねえよ。それから……』「また連絡する」通信を終了。　51

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうしました？まだ通信は……」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはチョップでUNIXデッキを破壊し、痕跡を抹消した。コトブキとゾーイを見て、言った。「来る」コトブキはそのアトモスフィアから察した。「……敵ですね」「奴か」ニンジャスレイヤーは呟いた。感覚が告げている。　52

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「奴……？」「ザルニーツァというニンジャだ。……速い」「ザルニーツァ」ゾーイが呆然と呟き、反射的に身を震わせた。「あのニンジャ……」「コトブキ」ニンジャスレイヤーはコトブキを見た。「は、はい！」「ゾーイを頼む。お前たちの事は必ず逃がす」彼は重々しく言った。「奴はおれが倒す」　53

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

S2第4話【ポッシブル・ドミネイション】終わり。第5話に続く