1988年4月22日（金）の旅日記

桃岩荘人 @namihei1224

0600起床。昨夜、通海に行くことを決めた。でも朝起きると悩みだす。0630玉渓飯店一階の售票処に並ぶ。ひたすら迷う。「や～ると思え～ば～どこま～で～やるさ」気合を入れる。このまま行けば安穏として昆明に着き、大理もノープロブレム。小肥氏にも会えるし。通海はどうなのかわからん。

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しかし、乗ってきたバスも出発してしまい、追いつめられて、やっとふんぎる。情けない。0658頃やっと窓口開く。俺の中国語が通じない。おばさんの方言もわからない。何とか日本人であることを理解してもらって、通海行きの切符 買う。 pic.twitter.com/sI0gmAjMzg

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0820、1.7元。昨日買ったナイフの鞘に通海とあり、無性に行きたくなった。楽して旅するより、何事も経験だ！0830やっとバス来る。0840発。ほとんど乗客なし。通海への景色はgood。湖もあるし道には車があまり通らないのか、馬の飼葉？が干してある。 pic.twitter.com/9EHIjMgai0

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オッチャンに色々筆談で聞く。その話により0943西城で降車。オッチャンの話によれば、漢と通海の蒙古族は顔は同じ、服が色の特徴ありとのこと。通海に住んでいる人だから、かなり信頼度高い。が、何しろガタガタ道のため筆談の字も汚くなり、半分くらいしか理解できなかった。 pic.twitter.com/Mbbd8WoSNf

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春の、畑の中の道を歩く。雲一つないいい天気だ。爽やかな風、爽やかな朝。すれ違う人々に聞きながら、歩く。「我是日本人、我来了為見蒙古族在通海西城、你是蒙古族吗？」ついについに、一人のおばあさんが、「あたしゃモンゴウツウだよ」やった！来た甲斐があった！

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ずんずん行く。確かにばあさんたちの服が民族衣装だ。なんとなくモンゴルをイメージさせる服。若草色とか。川を渡る。これが蒙古村か？刈り入れの真っ最中。村の共産党員、つまり村の幹部に会わせてもらう。共産党委の建物の一室に招き入れられる。ソファでお茶まで。期待以上の待遇。 pic.twitter.com/8lEwXO4LaB

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外人記者や国内各地からの賓客なみだ。アルバムや資料を見せてもらう。アルバムには内蒙や各地蒙族自治県との交流。そしてここ、興蒙（新蒙）大隊におけるナーダム（12月上旬）の写真。80年代に入ってから毎年開催しているらしい。「○○集」という一見詩集のような小冊子。唯一の資料。 pic.twitter.com/4mcTLR8t4p

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雲南人民出版社から出てて、しっかりしたものかつ彼ら自身で書いたようなので、偏見なく詳しく彼ら4千余人生活が書かれてあるようだ。少し目を通して、これを買いたいと言うと、稀少なので売れないとのこと。その他、馬は蒙古馬ではないとか、男はいつ民族衣装を着るかとか。

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ナーダムのほかにもう一つ、男が民族衣装を着る祭があるらしい。30名ほど内蒙に留学して蒙話と文字ができる人がいるそう。主に答えてくれたのは、奎来団氏。村一番の幹部か。顔に蒙古の雰囲気感じられず。最後に来訪者名簿に名を記入。3月下旬に来た中国留学中の女性他6人の日本人が今までに来た。

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そのほか、米仏伊など10か国以上の記者や旅行者が来てる。漢族はもちろん、オロチョン族だかオングート族など東北からの客も。ソ連は？と聞くと没有。アルバムの交流相手は黒竜江省杜尓伯特蒙古族自治県。最後に蒙語で爽やかに辞する。

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ニイハオ＝ターペイノー（丁寧？）、セーペイノーはおはよう？（2年前の内蒙の記憶）、さよなら＝バイシタ（内蒙ではバヤルステと記憶）。村を散歩。成吉思汗像のある寺院を探す。幹部の机に成吉思汗の写真が飾ってあった。看板ほかのあちこちに漢字の隣に蒙古文字。

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幹部たちは民族を意識しているみたいだけど、村民はごく普通にこの辺りの漢やイ族同様に、刈り入れの真っ最中。馬の秣かと思っていたが、数種の豆をたたいて草からとってるらしい。 pic.twitter.com/1VrD4JPUck

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子どもたちの素朴さ。俺の周りにたちまち人だかり。カメラを向けると逃げていく。じいさんとばあさんが意外にもカメラに応じてくれた。貴重な、もうほとんどないスライドフィルムだけど、数枚撮る。どうやらばあさんたちだけでなく、若い少女たちまで民族衣装を着ているようだ。 pic.twitter.com/ENFQXkmCui

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全員ではないが。寺？は幼稚園の上に隣接していた。保母さんによると今、開門していないという。仕方なく幼児たちをしり目に去る。幼稚園の裏山、鳳山に登る。素晴らしい景色。ここに基がある。一軒中にいれてもらい、雲南一の建築技術を見る。確かに独特の造りだ。 pic.twitter.com/ph9NssGjDe

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ばあさんたちはなぜかみんな目を悪くしている。でも村中みんなが働いている。迷路のような村を汗をかきながら歩き回る。 pic.twitter.com/pBccqaRUvJ

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1230郷を去る。バイシタ。会う人ごとにあいさつしながら。暑くなってきた。やはり顔では漢との区別は難しい。しかし意外にも若い娘も祭じゃないのに民族衣装を着ている。確かに彼らは蒙古族なのだ。遊牧を知らぬモンゴル族。遠くに見える山も20分も歩けば着く。来てよかった。 pic.twitter.com/aUMS6RqyIp

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漢族の村で初めて纏足を見た。ばあさんたち杖をついている。汽車はなく、通海まで荷台バス。20分まって1305発。とりあえず通海まで行くことに。待つ間、菓子パン1個。朝、包子1個食ってから何もくってない。10人乗り。水を入れて、ぽっぽっぽっと走り出す。今日は俺の求めてた旅ができた。

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写真は真実とは限らぬ。一瞬に過ぎぬから。その雰囲気を一瞬に凝縮するのは少なくとも今の俺には無理だ。田舎の道。白っぽい並木道が続く。ゆっくりと走る荷台バス。自転車、荷馬車の少年、そして歩く人々。その顔を見ているだけで楽しい。途中、乗ってくる母子。畑と村の間を走る道。

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この白い幹、上の方に葉のある並木が最高。オリエントファイナンスの宣伝そっくりの景色。俺の心にポンポンの音とともに響いてくる。俺の心の原風景なのか。「異邦人」を一人唄う。「空と大地がふれあう彼方、過去からの旅人を呼んでる道～♪」

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1345着0.5角。降りる時誰も急がない。子どもを抱き上げて降ろしてやる。汽車駅へ。今日はもう昆明行きなし。明天になる。瞬時の判断で玉渓行きを買う。1.7元。1400発。いい道だから戻ってもいいや。玉渓なら昆明行きあるはず。 pic.twitter.com/6tcLKyyYL6

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ここまでgoodな日だったし、ここからは多少希望通りでなくても、昆明でゆっくりしたい。なんとしても今日中に行くぞ。1505曲它関通過。昔、元軍の鎮があったところ。本当に峠。1530油庫で降ろされる。ここから歩くのか？運ちゃんと喧嘩。

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ここは麦子地。氏家そっくりの女性が豆？麦？たたきしている。そーかわざと麦や豆を路上に置いて車で踏ませてんだ。1550着1600発の昆明行きにすぐ乗り換える。パスポート見せ切符買わずに乗る。そのかわり立ちんぼ。あと100km。good timing！

桃岩荘人 @namihei1224

井洪→昆明の切符を見せ、乗り遅れとみなされ、ただ乗りOK。雨。蓑と笠で牛追う人。バスは険しい道だろうとめちゃくちゃ飛ばすのと、ガス不足で、下りはエンジン切るなど、いかに安く到達できるか争っているみたいののどっちかだ。中国のポンコツトラックはしょっちゅう故障してる。1830座れる

桃岩荘人 @namihei1224

1915昆明着。歩いてGPOへ。夏時制で1930までやってる。1通は当然2通はあるかと思いきや、没有！！！！！！！（！の数で俺のショックを感じてくれ）肩を落として昆湖へ。5元。2000小肥氏と飯。1人4.3元。帰りに包子買う時、銭を落とす。後で気づいたが後の祭り。まあ2，3元かな pic.twitter.com/5BsqaklbGD

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次は4月22日、西双版納、通海の旅から昆明市に戻って再び泊まった昆湖飯店の宿泊代レシート。5元。 twitter.com/namihei1224/st… pic.twitter.com/urGhq4T3Qw

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