日本国憲法と自民党改憲案とセクハラ問題について(2018.5.5作成)

切り取り線 @kiri_tori

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asadori_Qly @AsadoriQ

雨。日本国憲法97条。「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」

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自民党2012年「改憲」草案で「削除」とされている条文。現在の改憲の動きも憲法順守義務に反する。

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少しベタなお話し（そして一部は多少解像度を下げる）。人は生まれたその瞬間からそれぞれの生を生きる。生はそのように規定され、そしてそれはそもそも侵害されえない。でも生の営みは侵害されうるからそれを権利として確認しましょうというそれが権利。

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その権利には義務は伴わない。生まれたばかりの人はほぼ何もできないからその時点で何の義務も果たせないし将来にわたって何らかの義務を果たす保証はない。でも「義務を果たすかどうか」と考える周囲とは無関係に生きている存在としてあってしまう。それは単にrespectされざるをえない。

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つまり（ちょっと乱暴）権利はそれを私たちが評価したり操作したり許容したり否定したりできるものではなく、人が生きて世界を認識するということそのものにおいてある。私たち自身においても生きて認識してご飯を食べたりすることそのものそしてその条件としてある。

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でもいつの時代にも勘違いして権利が否定可能であるように考える人が出てくるから確認しましょうということ。97条は、世界において動かしようのない硬い存在を確認している。

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それを侵害したり制限することは、存在を、生を、世界を、その都度、破壊することになる。誤った力でそうできてしまうけれどそれはやめましょう、そもそも本来はできないことですから、ということ。

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自由には責任は伴わない。奴隷的拘束からの自由のような消極的自由を考えればそれはすぐわかる。誰かに嫌なことをされることを免れる自由はそのまま100％誰もが有している。というかそもそもそれが私が私であること。

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それを侵害することを正当化するものは、「倫理学」で思考実験的に導入される状況を除けば、何一つない。そのような状況に実際に置かれたときの行為を日々起きる侵害と地続きであるように考えるのは侵害を取り逃がす。

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痴漢を正当化する状況は存在しない。 セクハラを正当化する状況は存在しない。 （本来は少し間を埋めなくてはならないけど）痴漢やセクハラをめぐって被害者に「落ち度が」などというのは「自由には責任が伴う」という思考と対応している。

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自由には責任が、権利には義務が伴うといった思考は、他人の自由と権利を侵害する痴漢や暴力の正当化ととても近い。

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日本国憲法97条。「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」

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ほとんどの学術的分析では見えてしまっている側から見てしまうので見えていな側にとって世界はどのようになっているかが把握できないことになる。そして把握できないことが見えないことにも。

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「改憲」の方向性、現政権の仲間内への便宜供与とその対応、セクハラとその対応から、「改憲」を先導している人たちはセクハラやパワハラが放置される状況を続けたいのだろうしセクハラやパワハラをしたい人たちは改憲をしたいのだろうことがわかる。

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そうした人たちが目指す「美しい国」では、セクハラやパワハラの被害者が声をあげたら非難され、二次的加害の標的にされる。加害者はそうした二次的加害を通して自分は加害していないという幻想を保つことができる。そんな社会は適切なものではない。

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母から聞いた話。父方の祖父には（時期をずらしてと思う）複数の愛人がいたらしい。自宅に同居してそこから「嫁に出す」こともあったらしい。夜、父が目を覚ますと、祖父と祖母が喧嘩して祖父が祖母を部屋の外に押し出していたといったこともあったという。

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で、「厳格」な人だったらしい。子どもは正座して「ただいま帰りました」とか。厳格で、しつけに厳しくて、子どもたちの礼儀が適切でないと不機嫌だったとか。

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自分が機嫌よく過ごせる環境を作るのは周囲の人間の役割。周囲の人間は自分が機嫌よく過ごすための道具、というのは典型的なモラハラの世界観。ポイントは、本人は「道徳的に厳格」だと考えていたらしいこと。

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ハラスメントを温存しかつ加害者側が自分がハラスメントをしていると意識しないですむ社会。それを変えるための共通の基盤が憲法。

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それが邪魔だから、ハラスメントを温存しかつ加害者側が自分がハラスメントをしていると意識しないですむ社会に適したかたちに変えようというのは、喩えて言うと犯罪をなくすために刑法を撤廃するというようなこと。

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日本国憲法を今の自民党案の方向で変えたい、戦前に戻したいという人たちの多くは、自分たちが加害とハラスメントをそうとさえ意識しなくてよいまま実行できた社会のあり方を、日本国憲法が否定したことに、被害者意識を持っている。

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「それ、セクハラですよ」と指摘されて「気持ちよくセクハラする権限を侵害された」と逆ギレするのと同じで、かなり実際にそのように振舞う層と重なっている。

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