くまくん劇場その２～くまくんの秘密の白い粉

おまんじゅうと時々遊ぶ朔間凛月 @ritz_tokidoki

突然だけど、くまくん劇場始まるよ～♪

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今日のお話は「くまくんの秘密の白い粉」だよぉ♪

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聞いたことのある名前かどんどん出てくるけど、フィクションなので気にしないでねぇ♪

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ある日、いつものようにくまくんはセナハウスのこたつでお昼寝をしていました。すると、セッちゃんがドタドタと入ってきました。 「あー、もぉ、チョ～うざぁい！」

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「ふぁ……あふ……セッちゃんうるさい……目が覚めちゃったよ…」 「はぁ？　今までさんざん寝てたんだからいいでしょ？」 セッちゃんは、イライラしていることをまったく隠しません。くまくんは面倒くさいと思いましたが、怒りの矛先が自分に向くと面倒です。仕方なく起きることにしました。

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「何か、最近ゆうくんのまわりをおまんじゅがウロチョロしてて、チョ～うざぁい！」 「おまんじゅねぇ……」 セッちゃんによく似たおまんじゅが、ゆうくにまとわりついているのは、くまくんも見たことありました。同族嫌悪という言葉がくまくんの頭をよぎりました。

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さて、セッちゃんは真剣に悩んでいました。 セッちゃんがゆうくんに近寄ろうとすると、どこからもなくおまんじゅがあらわれて、ぽよぽよ攻撃してくるのです。 しかも、追い払おうとすると、ゆうくんが可愛そうなことしないでと、おまんじゅの味方をするのです

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「あーあ、あんなつぶれおまんじゅ、いなくなっちゃえばいいのに！」 くまくんは、ス～ちゃんのお菓子をつまみ食いしながら、セッちゃんの愚痴を聴いていました。 「ふぅん……セッちゃん、それ、本気で言ってる？」

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「もちろん、本気だけど？　いなくなったら、せいせいするしぃ」 「セッちゃんがそこまで言うなら、協力してあげようか？」 くまくんは、にんまりと笑いながら言いました

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「えっ、くまくんが何かいいアイディアがあるの？」 「んんっ……じゃあ、明日の同じ時間にここに来てくれる？」　 くまくんは、普段は寝てばかりいますが、Knightsの参謀です。セッちゃんは、くまくんの言葉にうなずきました

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翌日、セッちゃんは約束通りに同じ時間にセナハウスにやって来ました。くまくんは、珍しく起きて待っていました。 「さすがセッちゃん、時間通りだねぇ……♪」 「いいから、サッサとおまんじゅを始末する方法を教えてよ」 「慌てない、慌てない……♪」

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くまくんがこたつの上に置いたのは、ビニール袋に入った白い粉でした。 「……何、これ？」 「ふふっ、魔法の白い粉だよ～♪」 「まさか、マンドラゴラ……？」 「マンドラゴラじゃないけど、効果はてきめんだよ……ふふっ」 くまくんのいつもと違う笑顔を見て、セッちゃんはドキッとしました。

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「……これを少しずつ食べさせると、憎たらしいおまんじゅはいなくなるってわけ」 「えっ、まさか、これって砒……」 「セッちゃん、しーっ！」 くまくんが、口の前で人差し指を立てました

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「いい、セッちゃんは、ちょっとでも食べちゃダメだよぉ？」 「うん……」 「大丈夫、絶対にバレないから。セッちゃん、お菓子作りが得意なんだから、何か作っておやつだよってあげればいいよ」 「うん、早速明日試してみるよ。くまくん、ありがとねぇ」 「どういたしまして～♪」

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おまんじゅに毒入りのお菓子を食べさせるのは、気がとがめないわけではありませんでしたが、ゆうくんの周りをウロチョロするおまんじゅが悪いのです。セッちゃんは、ドーナツを作って白い粉をまぶしてみました。

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さて、セッちゃんは、次の日の放課後、おまんじゅを見つけました 「ちょっとぉ、そこのつぶれおまんじゅ、こっちに来な！」 「はわっ！　おまんじゅ、ゆうくんさがすのにいそがしーの！　人型じゃましないでー！」 「ゆうくん探すのにも、お腹すくでしょ？　ドーナツ作ってあげたんだけどぉ！」

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「おまんじゅ、ばいしゅーなんかさへないしー！」 「ちょっとぉ、人聞き悪いこと言わないでよねぇ！　こっちは、あんたがお腹すかせてたら可哀想だと思って作ってあげてるんだからねぇ！」

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二人がすったもんだしているところへ、ゆうくんが通りかかりました。 「泉さんにおまんじゅ泉さん！」 「ゆうくん！」 二人は同時に叫びました。 「二人とも、いつの間にか仲よくなったんですね」

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ゆうくんにそう言われると、目の前で喧嘩はできません。 「おまんじゅ泉さん、泉さんの作るお菓子は美味しいから、たくさん食べさせてもらうといいよ」 「ゆうくん、やさしー♪」 ゆうくんは、放送委員会の用事でいなくなりました

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「人型！　人型の作ったドーナツ、たべてあげるー！　はやくちょうだいよねぇ」 「はじめから、素直になればいいのにねぇ」 「ゆうくんのまえでは、すなおになる！　人型にははんこーきなの」 「意味わかんないんだけど……ほら、全部たべていいからねぇ」

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「どう？　美味しい？」 「むぐぐぐぐ……」 おまんじゅは、難しい顔をしています。早速効果が出てきたのかと、セッちゃんは思いました。 「ゆうくんがうそつくわけないから、おいしくないわけないしぃ！」 「何それ。美味しいって正直に言いなよねぇ」

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「人型なんて、ぺっぺだからぁ！」 おまんじゅは、ドーナツを全部たべてから、どこかに行ってしまいました 「もぉ、本当に憎たらしいおまんじゅだよねぇ！　でも、計画通りだから、まぁいいか……」

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セッちゃんは、それからもいろいろなお菓子をおまんじゅに作ってあげました。 「ちょっとぉ、人型！　人型がつくるおかし、カロリーたかすぎなんじゃないのぉ？　おまんじゅ、ゼリーとかプリンがいいんだけどぉ！」 「はいはい、今日のおやつは玉子たっぷりプリンだけどぉ？」

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「はわっ！　おまんじゅのすきなやつ！　人型、あり……ありんこがこないようにきをつけてよねぇ！」 「口のまわりちゃんと拭かないと、ありんこに襲われちゃうよぉ？　ほら、拭いてあげるから、こっち向きな」 「こどもあつかいしないでー！」 「口のまわりにカラメルつけてよく言うよねぇ」

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いつのまにか、おまんじゅは３時になるとゆうくんではなく、セッちゃんを探すようになっていました。 セッちゃんも、気がつけば明日はおまんじゅに何のおやつを作ろうか考えるのが日課になっていました。 そして、くまくんの魔法の白い粉は、だんだん残り少なくなっていきました