- senaizu_oman10
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「うん、今日のカップケーキもいいできだねぇ……おまんじゅ用のアイシングには魔法の粉を混ぜて……」 そうです。今日でくまくんの魔法の粉は無くなってしまいました。これで、おまんじゅともお別れです。 もう、毎日お菓子を作ることはなくなるのです。
2018-04-27 19:19:35今日のお菓子は、最後の日にふさわしく、カップケーキにおまんじゅの顔をアイシングしたものでした 「はわー! 人型すごーい! おまんじゅそっくりー!」 「ふふっ、スゴいでしょ? ほら、食べてみな?」 「えー、でも、これたべたら、おまんじゅともぐいにならない?」
2018-04-27 19:25:55「いや、そこは関係ないでしょ? いいから、食べなって」 「うん、わかったー! いただくよー!」 おまんじゅは、カップケーキを食べ始めました。そして、半分ほど食べたところで、急に苦しみ始めました。 「んぐぐぐ……」
2018-04-27 19:40:17「え、ちょっと待って! おまんじゅ! しっかりして!」 おまんじゅがいなくなるのは、セッちゃんにとっては好都合のはずです。けれど、セッちゃんは慌てておまんじゅをにぎにぎしました。 「おまんじゅ、死んじゃダメだからねぇ!」
2018-04-27 19:49:21すると、どうでしょう。セッちゃんのにぎにぎのおかげか、おまんじゅの口から、カップケーキのかけらが出てきました。おまんじゅはかけらで喉をつまらせていたのでした。 「ほら、バナジウム水飲みな」 「はわぁ……おまんじゅせーめーのききだった! 人型ありがとねー!」
2018-04-27 19:54:51「今は、気持ち悪かったり、どこか痛くなったりしてない?」 「だいじょーぶ! おまんじゅげんき!」 とは言え、安心はできません。セッちゃんはセナハウスに急ぎました。くまくんは、相変わらずこたつで昼寝をしていました。
2018-04-27 19:57:37「ちょっとぉ、くまくん、起きて! ほは、早く!」 「んんっ……セッちゃんうるさいなぁ……ふあぁ……」 くまくんは、あくびをしながら起き上がりました。 「くまくん、解毒剤ちょうだい。ほら、魔法の白い粉の解毒剤!」
2018-04-27 20:00:16「魔法の白い粉の解毒剤なんてないよ~」 くまくんはのんきに言いました。 「えっ!」 セッちゃんは真っ青になりました
2018-04-27 20:01:39「どうしよう……おまんじゅが死んじゃう……」 途方にくれているセッちゃんを見て、くまくんは言いました 「セッちゃん、おまんじゅがいなくなったほうかいいんじゃなかったの?」 「それは、そうだけど……でも、あんな下ぶくれのつぶれおまんじゅでも、可愛いところもなくはないし……」
2018-04-27 20:05:21「あ、くまくんお得意のマンドラゴラで何とかならない?」 「それは無理……だって、あの魔法の白い粉って……」
2018-04-27 20:06:42「ただの粉砂糖だからねぇ……」 「粉砂糖って……えーっ! だって、憎たらしいおまんじゅがいなくなるって言ってたじゃん」 セッちゃんは、くまくんに詰め寄りました。 「だって、可愛いところもあるおまんじゅなんでしょ? 憎たらしいおまんじゅはいないじゃん」
2018-04-27 20:10:31「それは、そうだけど……」 「あ、そこは認めるんだ?」 「くまくん、チョ~うざぁい!」 セッちゃんは、そう言い捨てると、畝なハウスを出ておまんじゅのところに戻りました 「人型、どこいってたのー?」 カップケーキは、全部食べられていました 「んー……おまんじゅにはナイショ」
2018-04-27 20:19:40「えー、おまんじゅ、きになるんだけどー?」 「明日もおやつ食べたいなら、訊くのやめな」 「はわっ、おまんじゅきょーはくされた!」 それでも、おまんじゅはそれ以上質問することはありませんでした
2018-04-27 20:26:00それからも、セッちゃんはおまんじゅにおやつを作ってあげました。 そして、ときどきゆうくんのことで喧嘩をしながらも、基本的にはなかよく暮らしました。 めでたし、めでたし♪
2018-04-27 20:27:35