山口二郎氏は多くの研究者を集めて何がしたかったのか?

科研費を一方的に叩くのではなく、「情報化/民主化/説明責任・参加」による市民の参加を強く打ち出している山口氏の議論をまず、少し読んでみよう。 (まだ前半だが、とりあえず公開する)
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野原燐 @noharra

#科研費 #科研費叩き については、3つもマトメを作った。 togetter.com/li/1223886 ヤン・ヒューリック氏との対話 togetter.com/li/1224763 理系研究者田中氏による科研費の実態 togetter.com/li/1225830 山口氏が好きな「情報化/民主化/説明責任・参加」がモンスター市民を作った?

2018-05-10 10:23:45
野原燐 @noharra

☆領収書は誰が保管 >実際は大学の事務の人か?という論点については mext.go.jp/a_menu/shinkou… に 「科研費を管理している財務会計システムを改良し、基金の経理・管理に対応。 研究者の所属を問わず、科研費執行に関する事務窓口は学内で一本化し、常に科研費の制度に熟知した職員が対応し、

2018-05-10 10:25:03
野原燐 @noharra

誤った判断を行わないよう、科研費の柔軟性を生かした執行のアドバイスができるようにしている。」から、推測しているが、大学内部の方の発言を期待したい。 特に、事務職員、非常勤事務、教授秘書などからの発言も欲しい!

2018-05-10 10:26:31
野原燐 @noharra

その4)#科研費 #科研費叩き 「グローバリゼーション時代におけるガバナンスの変容に関する比較研究」:2002年度~06年度 lex.juris.hokudai.ac.jp/global-g/index… というのは、連続して行われた3つの大きな科研費研究の一つ目である。なんだか、炎上しているがまず素直に読んでみたい、サイトの総括的文書を。

2018-05-10 10:27:08
野原燐 @noharra

まず 1,「様々な政策課題について学際的に迫り、将来の政策モデルを構築しようという野心的なプロジェクト」と社会に直接働きかけうる成果を目指している。科研費というものがどういうものか知らないのだが、アカデミズムとしては異色と感じる。lex.juris.hokudai.ac.jp/global-g/openi…

2018-05-10 10:27:29
野原燐 @noharra

2,「この研究にともなう様々な活動(公開シンポジウムなど)を紹介する」 成果を目指すとともに、研究プロセス自体も直接市民に公開していこうとしている。

2018-05-10 10:27:54
野原燐 @noharra

3,「この社会に直接働きかけうる成果」と「研究プロセス自体も直接市民に公開」という2点において、高い志をもっていることを私たちは高く評価したいと思う。これは、(同じく炎上している)牟田和恵さんの下記のプロジェクトも共通するものだ。 movie-tutorial.info

2018-05-10 10:29:16
野原燐 @noharra

4,「A グローバリゼーションに伴う社会経済的構造変化の把握 A1 市場化、リスク増大に伴う社会、経済的ストレスの把握 グローバリゼーションは、市場競争の浸透や、情報、資本、財の高速移動に伴うリスクの拡大として現れる。これが人間の経済生活や生態系、生活環境にどのようなストレスをもた

2018-05-10 10:29:50
野原燐 @noharra

らしているかを明らかにする。」 グロバリは、A1、A2に二分して捉えられている。端的に言えばアマゾンのせいで本屋や市場がほぼ消滅することがこの16年で起こった。出版や大学も急変しなければ生き残れない。選択と集中・「科研費システム」もその回答の一つであるが、16年経ってどうなのか?

2018-05-10 10:30:16
野原燐 @noharra

5,「A2情報化、民主化に伴う市民性(citizenship)の発展の把握 グロバリは、80年代末以降の冷戦構造の崩壊、各国の民主化によって加速。こうした情報化、民主化、公開や説明責任などに関する制度の国際的標準化にともなって、市民の政策課題に関する認識や社会参加意欲がどう変わったかを解明する

2018-05-10 10:32:17
野原燐 @noharra

今回のモンスタークレーマーめいた科研費攻撃はまさに、「情報化、民主化」に当てはまっていると考えられる。すなわち彼らはインターネット(TWITTERなど)を利用しそこでグループと自分たちのエネルギー、運動の論理を自己生成していく点でまさに「情報化」の産物である。

2018-05-10 10:34:50
野原燐 @noharra

さらに「説明責任・参加」と民主化「納税者が税金の使い道を知るのは当然の権利だ」を振りかざし、今まで市民が興味を持っていなかった「科研費」というものに切り込んでくる。これはまさに「市民性の成長」というしかないものだ。 ただ研究が前提とした「市民性の成長」とは全く逆の有害なものだが。

2018-05-10 10:35:44
野原燐 @noharra

6,「A1で捉えられたストレスに反応して、既存の政府は様々な対策を行った。90年代の様々な改革を中心に、それらの政策や制度改革は、旧来のレジームの自己保存のための反応という性格を持っている。」

2018-05-10 11:29:17
野原燐 @noharra

この二十年間の最大のキーワードは「改革」であろう。ところがこの研究ではそれらは、むしろ「グーバリゼーションA1に対する旧来のレジームの自己保存のための反応B」と評価される。(「改革」の意味を変えたのは小泉氏か。) #科研費

2018-05-10 11:30:32
野原燐 @noharra

7,「A2で指摘した市民性の成長を基盤として、国際組織・国家・地方自治体の意思決定・実施システムの改革や政府と市民社会との協働システムの開発が様々な国、地域で試みられている。」そこから「ガバナンス(市民社会の自己統治活動)のモデル」を作り出していく見取り図は、明確なものだ。

2018-05-10 11:30:57
野原燐 @noharra

ガバナンスとかのカタカナ言葉を聞くと、ついつい中身のない言葉だけの「改革」プロジェクトと受け取ってしまうが、こちらの方が本家であり、堕落形態が後に広まったということなのだろう。

2018-05-10 11:31:07
野原燐 @noharra

8,「i ガバナンスを担う市民に注目する」 戦後日本の思想界において「市民」は最大のキーワードだった。日本にはまだない成熟し個性を確立した市民を作るための「啓蒙」が重要であった。しかし戦後73年、民主主義も市民も少数派に押し込められたままのようだ。

2018-05-10 11:31:29
野原燐 @noharra

この研究では、そうした思想から入る市民把握ではなく、身近なドブ板レベルでの公務員と弱者、活動家たちによるガバナンスの形成を見ようとしているのだろう。 lex.juris.hokudai.ac.jp/global-g/kenky…

2018-05-10 11:34:54
野原燐 @noharra

9,グローバリゼーションに対抗する原理 「グローバリゼーションを制御する際の基本的理念として、市場化圧力に対する人間的価値の擁護、巨大化するリスクの逓減と管理、地球的問題群の解決という3つ」。 3つの原理をちゃんと提示できたのか?

2018-05-10 11:35:51
野原燐 @noharra

10、次に、5年後の「終了に当たって」を読む。lex.juris.hokudai.ac.jp/global-g/index… 「当初の研究計画は、体系的網羅的な構想を示していましたが」「現実政治を観察する中で新たな問題を発見」し展開していったらしい。

2018-05-10 11:36:23
野原燐 @noharra

「小泉政治の5年間とほぼ重なった」「取り組むべき課題を次々と突きつけられた」、これは要するに、「6 旧体制自己保存のための反応」という規定にまったく反するものが政権側から出てきたことに、対応しきれなかったということだろう。こういうところはもっとはっきり書かなければいけない。

2018-05-10 11:36:31
野原燐 @noharra

11,「福祉国家から福祉ガバナンスへのパラダイムシフト」って何だろう? 「グローバル化にともなう労働市場の柔軟化と雇用構造の変化、女性の自己実現要求の高まりにともなう家族の変容や介護、育児のニーズの高まり、高齢化など大きな社会経済変動の中で、リスクも多様化しました。

2018-05-10 11:37:09
野原燐 @noharra

ここにおいて福祉政策の課題は人々をいかに労働市場や地域社会に結び付けていくかという点に移った。」 「福祉ガバナンスのモデル」の提唱は完全な間違いでもなかったはずが、実際は単なる福祉費の縮小、格差拡大にしか結果しなかった、のではないか。

2018-05-10 11:37:23
野原燐 @noharra

12,「イギリスにおける地方分権を素材としたリージョナルガバメントと地方自治体の可能性に関する研究です。スコットランド地方分権を素材として、国家、リージョン、地方の各レベルの政府の役割分担や分権改革が成功する条件について分析し」たらしい。ここから沖縄独立論とかを考えるとどうなるか

2018-05-10 11:37:50
野原燐 @noharra

13,「人材育成による学界への貢献があげられます。本プロジェクトには、博士号を取得したばかりの若手研究者に研究支援員として参加してもらい、研究会での討論や調査に貢献してもらいました。そのことは研究を活性化しただけではなく、それらの若手研究者の自立にも大きく寄与」それは良いが。

2018-05-10 11:38:46