【お玉さんの緊急読書企画2】『本格力を高めよう てぃんくる☆』

『本格力を高めよう』が古典本格が対象だったのに対し、こちらは現代国産本格がターゲット。本格ミステリ大賞の歴代候補作を、読書の鉄人・お玉さんが読み解きます。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さぁ、明日は『刀と傘』の感想を呟くどぉ

2019-09-13 01:14:50
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『刀と傘』の感想が超絶難産中 (´Д` )

2019-09-19 01:09:19
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、楽しくミステリを楽しむ読者企画「本格力を高めよう てぃんくる☆」でありますよ。 日常生活に楽しくないことがいっぱいなので最近ミステリを読むのが辛いわけですが、なるたけ頑張ってみようと思うわけです。 ではでは、今回取り上げるは第19回の本ミス大賞受賞作でありますよ♫ →

2019-09-23 02:21:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

伊吹亜門『刀と傘』 → 評価 ◎ 本当はサブタイトルに「明治京洛推理帖」とあるのですが、、、このサブタイが無い方が断然カッコいいと思ってるので、『刀と傘』表記で感想を呟いていこうと思いますよ。 pic.twitter.com/7fhkPGp5qk

2019-09-23 02:22:16
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

第19回本ミス大賞にて『刀と傘』に票を投じたのは、 → 青崎有吾・青柳碧人・秋月涼介・浅木原忍・阿藤玲・太田忠司・小田牧央・佳多山大地・白峰良介・神命明・菅原和也・ひらいたかこ・汀こるもの・末須本有生・森川智喜・森谷明子 の16名でございました。最多得票にて見事大賞受賞となってます

2019-09-23 02:22:31
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

感想がとっちらかると予想されますので、先に結論をば。 「『刀と傘』は本格ミステリとしても大した逸品ではあるが、むしろ時代小説としての側面部分により強く心惹かれる」 と。あの時代だからこそ可能なトリックや事件構図は、同時に、トリックや事件構成により時代のフォルムを浮き上がらせる

2019-09-23 02:24:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

第12回ミステリーズ! 新人賞受賞作「監獄舎の殺人」の段階では、その印象は全く逆だったのよね。 死刑囚問題のホワイダニットに対して、前代未聞の解答をブチかましてくれる伊吹先生。その本格センスのみに脱帽、KOを喰らったわけなんですよ。死刑囚のパズルとやらが霞むくらいの本格のインパクト

2019-09-23 02:25:18
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

凄まじいアイデアだけど、現代社会ではちょっと成立しにくい内容だったりするわけで……、 「いやぁ、綺麗に時代小説へ落とし込んだよなぁ〜」 本格ミステリを成立させるために時代小説の枠組を上手に利用してるそんな老獪な小説よね、というのが「監獄舎の殺人」に対する個人的感想だったのよね

2019-09-23 02:26:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

江藤新平! 山風の『警視庁草紙』じゃ、すぐ死んじゃう人物やん江藤新平! 日本史で名前覚えたけど、テストでは出会うことがなかった人物だよ江藤新平! けど、「監獄舎の殺人」のあの内容を成立させようと考えたとき、彼以上にベストな人選&立ち位置の配役って考えられないんよね。江藤新平。

2019-09-23 02:26:55
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「監獄舎の殺人」に関しては本格ミステリとしての凄味に圧倒され、あの時代背景に関しては本格のネタのために利用したのかしら? 程度な認識だったのよね。 それでも江藤新平を持ってくるなんて凄くセンスあるよなぁ、とはほのかに感じてたくらいだったの

2019-09-23 02:27:40
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

と同時に、「監獄舎」って一発ネタだと思い込んでいた自分もいたのよね。もし続けるとしても、江藤新平ってこの後すぐくらいで佐賀の乱へいっちゃうし、主人公を別の歴史上の人物と組ますくらいしか広げよう無いよねぇ〜。誰? まさかッ、川路利良 Σ(゚д゚lll)……、それはゼッタイに無いよね

2019-09-23 02:28:48
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そんな風に思い込んでいたからこそ、ミステリーズにシリーズの続編! というか「監獄舎の殺人」の前日譚が掲載されたとき凄く吃驚したんだよね。 ……でもって、ガッカリした。 作品に使用されている騙しの技巧が、幾つかの類例作をあげることが可能なトリックのそれだったわけなのよ。

2019-09-23 02:29:07
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

シリーズの三本目がミステリーズに掲載されるけど積ん読状態になるお玉さん。 で、書き下ろしを二本加えた『刀と傘』の刊行。大傑作「監獄舎の殺人」を真ん中三本目に置く五本構成だ。作品集の締めのタイトルが「そして、佐賀の乱」 江藤新平を縦軸に起承転結を作る連作短編集かしら? との自然な予想

2019-09-23 02:31:10
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

改めて読み返すと一本目の「佐賀から来た男」は、トリックの独創性は薄いんだけど、社会の変化や動静に浮かれ当てられたことで発生する「その時代特有の狂気」が十全に表現出来てることを発見する。 「監獄舎の殺人」の殺人にもあの時代特有の狂気があったわよね。あれ、狂気の理論の作品集なのかしら

2019-09-23 02:32:05
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

二本目の「弾正台切腹事件」などは、「こんな密室トリックってありなのか Σ(゚д゚lll)」なんだけど、事件の背景、関連する人々の思惑、密室で起こった事件の転がし方に、やはり、時代の狂気がまとわりついており、とても香ばしく、とても美味しく食すことが出来たんだよね。思惑の交錯にニヤリ

2019-09-23 02:32:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

作品集の前半二本は、本格ミステリの手法を利用した時代小説として極上気味に仕上がってるというのが僕の認識だ。 両作品とも、現代社会では成立が難しい事件構図やトリックを利用している。それは理知的であり、狂っている。なので、トリックそのものが時代を描き出すことの強調として機能している

2019-09-23 02:35:10
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「監獄舎の殺人」は二、三度読み返していた作品ではあるが、前二作品を経由した今回は更に楽しく読めたことを報告しておきます。 それまでの「監獄舎」はリドルストーリーじみた【もしかしたら】な話だったのに、今回の「監獄舎」からはその【もしかしたら】はより確信めいたものへ変質したのですよ

2019-09-23 02:35:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あの時代特有の異常な思考が感覚的であれ身についた状態だからこそ、死刑囚に訪れた死の謎に対し、より深い理解を示すことが出来た。そういうことなのだろう。

2019-09-23 02:38:20
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

その後の「桜」は割合穏やかな気味な本格時代ミステリでまとまっており(本当に穏やかなのか、はその目で確かめよう!)、締めへの良い繋ぎになっている。 でもって締めの「そして、佐賀の乱」だ。 あ、あ、あ、あ、あ、ああぁぁ Σ(゚д゚lll) うわぁぁぁぁぁぁ Σ(゚д゚lll)

2019-09-23 02:38:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

単体でも素敵な短編なんだけど、「監獄舎」の趣向からこ衝撃をアタマに残している今だからこそ、その時代特有の閉塞感やその時代だからこその偏向した思考を空気感として捉えている今だからこそ、「そして、佐賀の乱」を読んでみると、止まらないんだぜ、震えがネ。 小並感だけど、これはヤバイ短編

2019-09-23 02:39:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

反復を思わせる趣向があり、積み上げてきた関係性があるからこそ可能な趣向がある。 本格ミステリの「らしさ」があるキレッキレの論理展開があり、普通なら納得が難しめの動機を読者に呑み込ませる説得力もある。あり得たかもしれない歴史を描く時代小説としても「そして、佐賀の乱」は一級品だと思う

2019-09-23 02:40:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「そして、佐賀の乱」が、いちばん好きだ

2019-09-23 02:41:18
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「監獄舎の殺人」の強さを事前に知っていた分、連作短編集としての不安もあったんですけど、そんな杞憂は払拭しちゃったわけなんですね。 本格ミステリ大賞受賞作品というのも納得ですし、時代小説界隈にもこういった賞の授与がある団体で戦ったとしても、かなり良い線まで行くんじゃないかしら? とも

2019-09-23 02:42:34
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