【お玉さんの緊急読書企画2】『本格力を高めよう てぃんくる☆』

『本格力を高めよう』が古典本格が対象だったのに対し、こちらは現代国産本格がターゲット。本格ミステリ大賞の歴代候補作を、読書の鉄人・お玉さんが読み解きます。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ミステリ感想(『奇術探偵 曾我佳城全集』)は明日くらいに投下できそうかな?

2018-05-22 00:53:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

今日のオレにミステリの感想を呟いたり、ミステリを読み進めたりするメンタルは「無い!」 酒の肴は録画しているプリキュアでい。

2018-05-22 23:40:32
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて『本格力を高めよう てぃんくる☆』であります。第一回本格ミステリ大賞の候補作をゆるゆる読んでいこう、気楽に殺ろうよ、という趣旨の読書マラソン。 今回はみんなが大好き、私も大好きなあの作家さんのあの作品でございます。そう、「このミス」や「本ミスベスト」で一位を獲得したあの作品です

2018-05-24 02:11:08
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

泡坂妻夫『奇術探偵 曾我佳城全集』→ (限りなく○に近い) △

2018-05-24 02:11:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ちなみに第一回本ミス大賞で『奇術探偵 曾我佳城全集』へ票を投じたのは、 綾辻行人、有栖川有栖、乾くるみ、小松史生子、末國善己、柄刀一、濤岡寿子、野崎六助、三雲岳斗、村瀬継弥、横井司、依井貴裕 の12名でした。(敬称略)(有効得票数50票)

2018-05-24 02:11:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

はい、曾我佳城です。 そして、先に言いますよ。 私は『天井のとらんぷ』『花火と銃声』が大好きで、何度かの再読を繰り返してた人間なんですよね。 この二冊に登場していた、奥ゆかしさとウィットさを兼ね備え、基本はクールな名探偵なのに、女の業を時折垣間見せる曾我佳城が好きだったんですよね。

2018-05-24 02:12:30
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

けどね、『天井のとらんぷ』『花火と銃声』の全短編とプラス7本の短編が収録された『奇術探偵 曾我佳城全集』、特に作中の時系列順に並び直した文庫決定版などは、時折しか感じられなかった人間・曾我佳城の本質が酷く強調される構成になり、名探偵役に徹してるライトな話にも不穏さを感じちゃうのよ

2018-05-24 02:14:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ある種の統一感がフォーマットとしてあった『天井のとらんぷ』『花火と銃声』は完全に消えてしまい、二冊の短編集にあった意味合いは不穏なカタチに変質し『奇術探偵 曾我佳城全集』に溶け込んでしまっている。 『生者と死者』で短編を消してしまったのと同様の技巧を刊行当時は感じたし、今回も思った

2018-05-24 02:15:32
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

なので、この作品集に最終回的な何かが待ち構えているということが予想できてしまい、その最終回への伏線が目についてしまうのね。 『天井のとらんぷ』『花火と銃声』の段階から仕込まれてたのに見えてなかった伏線が、最終回の存在というものを想定すると簡単に見えてくるのよ。うん、全然隠せてない

2018-05-24 02:16:01
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

最終回が存在するミステリ短編集として考えると、過去の泡坂妻夫作品によって鍛えられた身としては、仕掛けが見え見えだったんよね。 物語が収束に向かって行くミステリに見せかけて、全く違う方向の奇想へとシフトしてくれれば、2000年の自分も2018年の自分も大満足だったんだろうがねぇ……

2018-05-24 02:17:01
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

一編一編もバラエティに富んでおり「奇術の裏側」「逆説」「物理トリック」「女の情念」「良い感じの恋愛話」「後味の悪い話」「暗号」「異常動機」「奇妙な味」「ユーモア」等々、いかにもな泡坂妻夫のらしさが満ち溢れており喜ばしいが、どうしても泡坂妻夫ベストワークと比較しちゃうんよなあ

2018-05-24 02:17:33
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

泡坂妻夫という作家が好きが故の△評価ね。 『天井のとらんぷ』『花火と銃声』を取り込んでしまったがため両短編集が持っていたのびやかさが押さえつけられ、「曾我佳城全集」というタイトルがその方向性を予想させちゃう。 泡坂妻夫に衝撃を受けた過去がなければ、わかりやすい構造は感謝なんだけどね

2018-05-24 02:18:17
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

趣向を一つに絞りつつもバラエティ溢れる様々な要素たちでカモフラージュする。『奇術探偵 曾我佳城全集』もそういった構造を備えてたりするが、エッジを強烈に尖らせまくった趣向による一点突破も、過去の泡坂妻夫作品を連想させる様々なネタからの多幸感も、ワイには弱いように思えたのよね

2018-05-24 02:20:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

過去の仕事と切り離して単独作品として認識しなきゃならないんだけど、、、泡坂妻夫という作家に対してはそれはムリでしょ、ということね

2018-05-24 02:22:37
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、あえて全集を解体してのベスト選出ね。 第一短編集『天井のとらんぷ』→「シンブルの味」 第二短編集『花火と銃声』→「剣の舞」 第三短編集『魔術城落成』(!) →「おしゃべり鏡」 となりますね ( ´ ▽ ` )ノ

2018-05-24 02:23:56
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さぁ、次回は第一回本ミス大賞の受賞作品でございますね。 ではでは〜♫

2018-05-24 02:25:31
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて『本格力を高めよう てぃんくる☆』でございます。 00 〜 01年って何をしていたか? を思い返してみると闇ばかりがズンズン出て来たので慌てて封印……。暗黒面のフォースに支配されちゃうと訳の分からん思考体系を築き上げて世間様と断絶しちゃうもんね。 今回はそんな前フリがピッタリなお話だよ

2018-05-30 02:21:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

倉知淳『壺中の天国』→ ○ (限りなく◎に近いのだが……)

2018-05-30 02:22:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

第一回本格ミステリ大賞の受賞作品であります。 ちなみに『壺中の天国』へ票を投じたのは、 石崎幸二、大森望、霞流一、川出正樹、倉阪鬼一郎、千街晶之、辻真先、直塚和紀、夏来健次、西澤保彦、光原百合、矢口敦子、山沢晴雄 の13名でした。(敬称略)(有効得票数50票)

2018-05-30 02:22:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『壺中の天国』という作品のウィークポイントは「もの足りない」に尽きるのではなかろうか? 読者に対しての思考誘導はやたら上手だし、個々の登場人物の膨らませ方や見せ方は際立ってる。無差別連続殺人に侵蝕されているのに何処か他人事めいた部分のある空気感は秀逸。ページを繰る手を止めさせない

2018-05-30 02:23:07
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

なので、加点法で『壺中の天国』を評点すると、軽く百点オーバーのみんながニコニコ作品だったりするのに、減点法で考えると……「えっ、これで終わりなの Σ(゚д゚lll)」なビックリ仕様だったりする。この物足りなさは初読時も感じたし、やり口を知っているはずの今回の再読でも強く感じてしまった

2018-05-30 02:23:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

本ミス大賞候補作で見ると、加点方式でなら『壺中の天国』は五作品の中で一番面白い作品だったりするのだが、減点方式で判断すると、、、もしかして最下位??? 本格ミステリというカテゴリーだからこそ表現可能なカタルシスの部分、そこに今作の弱点は潜んでいるわけなんよね…… (´Д` )

2018-05-30 02:23:53
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