【お玉さんの緊急読書企画2】『本格力を高めよう てぃんくる☆』

『本格力を高めよう』が古典本格が対象だったのに対し、こちらは現代国産本格がターゲット。本格ミステリ大賞の歴代候補作を、読書の鉄人・お玉さんが読み解きます。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

その真の企みに繋がるトンデモ風習が実際に存在するものなのか? それとも、作者の想像の産物なのか? イスラームの知識が無いのでさっぱり分からない。前者にしても後者にしても、説明不足でエピソード不足な気がする。抜群のカタルシスではある。けど、抜群のカタルシスを武器にしたやり逃げ感もある

2018-05-13 02:43:57
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

幾つかの小ネタ、や、宗教ミステリにおけるド定番トリックというダミーの焦点はあるんだけど、読後に感じたのはアレによる一点突破の印象だった。 詩的な叙述を重ねての修行僧の迷いや鬱屈感は申し分ないが、短くて一本調子間と今作のカタルシスに波長が合わなければ、よく出来てるけど小粒に思える

2018-05-13 02:44:47
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、『火蛾』は△評価でした。「修行僧のトラブルもの」の前半中盤は、自分の知識にない部分に刺激されて、すっげぇワクワクしたんだけどネ。古泉さんの次作(!)に期待だネ♫ そして、次回は、ワイの大好き作家さんの大好きシリーズやね。ではでは〜 ( ´ ▽ ` )ノ

2018-05-13 02:45:55
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ミステリ感想をサボって、本日はミステリを読むこととしよう。

2018-05-15 00:39:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、『本格力を高めよう てぃんくる☆』であります。 第一回本ミス大賞の候補作を読みまくっているこのムーヴメント、今宵で三冊目となりますね。 本日は北森鴻『凶笑面』をお題といたしますよ。……北森鴻。……北森鴻。……うっ、うううっ

2018-05-18 01:25:02
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ちなみに第一回本ミス大賞で『凶笑面』に票を投じたのは、 太田忠司、笠井潔、河内実加、鯨統一郎、黒田研二、二階堂黎人、波多野健、早見裕司、満坂太郎 の9名でした。(敬称略)(有効得票数50票) あと無効票になりましたが、我孫子武丸も票を入れてましたね。

2018-05-18 01:26:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

これまでのツイッター活動の中で何度か呟きましたが、北森鴻はとても大好きでデビュー作から、私にとって数少ない、リアルタイムで追いかけ続けてた作家さんの一人でした。 訃報の折に受けた衝撃はかなりのもので、そこから現在、著作を読み返そうと思い立っても実行に躊躇する自分がいてました

2018-05-18 01:27:37
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『堕天使殺人事件』やアンソロジー収録の短編ぐらいは大丈夫だったんだけど、次回から再開予定の「芦辺拓 対 二階堂黎人」のため読んだ(読まねばならなかった)『前夜祭』、→北森鴻が大トリを務めるリレー小説ね、……は正直なところかなりイロイロと辛かったんよね。それがちょうど一年くらい前

2018-05-18 01:29:08
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

今回の「てぃんくる☆」を思いついてまず最初に手をつけたのはこの『凶笑面』だったのよ。感傷が未だ続いており読み返すことに耐えきれなかったら、この読書マラソンの思いつきは放棄していたはずなんよね。 傷は完全に癒えてるわけでなくやるせなさはあったけど、読み切ることが出来、今に至るんね

2018-05-18 01:30:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、『凶笑面』に対しての評価◎は、そんな感じの個人的な思い入れや多少の贔屓目も含んでたりすることはまず肯定しておきます。 「えっ、本ミス大賞の候補作に『凶笑面』なの?」と、2001年当時、ファンである私自信が思ったくらい、北森鴻作品の中では少しライト寄りの作品ですからね

2018-05-18 01:31:14
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

だがしかし、ライトなミステリが蔓延しまくっている今現在の社会状況下で読み返してみた『凶笑面』には、当時感じた印象とは全く違うモノが待ち構えており、大層スリリングで驚いてしまったよ。再読前の事前評価では△くらいかな? と予想してたのに評価はグ〜〜〜〜〜ンとアップ⤴︎⤴︎⤴︎

2018-05-18 01:31:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まずは『凶笑面』の最大の弱点にて最高の良点は新潮文庫版『凶笑面』巻末の解説は法月綸太郎というところ。途轍もないチカラと異常なまで切れ味の鋭さがあるのに、あの法月解説なのに非常に平易な語り口で語られてるのよ。感想の大半がそれに引っ張られる、引っ張られる♫ のりりんノリノリ

2018-05-18 01:33:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

今現在、新刊書店で流通している蓮丈那智シリーズの文庫帯が訴求力ゼロなので、ウルトラスーパーなノリノリ解説とのバランスはよいのかもしれないね pic.twitter.com/sQIZ75idtJ

2018-05-18 01:34:18
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

蓮丈那智って民俗学者としてのパーソナリティーの芯が通り過ぎているため、殺人事件に挑む名探偵役としての目的意識がイマイチ分かりにくかったりするんよね。なので「クールビューティー」という理解しやすい属性に落とし込んでしまうことってスゴくクレバーやと思うけど、……やっぱテキトーな帯だわ

2018-05-18 01:35:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『凶笑面』は民俗学的な謎と現実的な殺人事件の二段構えの謎解きをフォーマットとした短編集だ。 後ろの三本に比べて一話「鬼封会」と二話「凶笑面」(表題作やん!)が本格として弱いナァ、と初読当時は思っていたけど、ストーカー事件のトリックのシンプルさ、先読み可能な構造、悪くないね。むしろ良

2018-05-18 01:35:47
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

逆に本格ミステリとしての衝撃度合が半端ない後半三本に関しては、脇への展開が皆無なトントン拍子の一本調子、「必要最低限のことしか書かれてない短編」という高望みがすぎる印象を抱いていたわけだが、、、いやいや、コレ、いくらでも水増しという名のディテールのつけ加えが可能な短編やん。

2018-05-18 01:36:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「省略の美学」「技巧の引き算」……こんな冠をつけたくなるくらい削ぎに削ぎ落とした上で調整された短編が並んでいる。作者の創造による民俗学的題材のパートなどホンマ、絶妙。 これ以上削ったら味気がなくなるだろし、これ以上水増ししたら現実的事件とのバランスは乱れるし、テンポが死ぬ。

2018-05-18 01:36:30
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

削ぎ落とした構造なので、短編が共通のフォーマットで作成されているのが見えやすい。第四話の「双死神」での遺跡崩落の謎などは、過剰を嫌った構成のため損をしてたりするのだが、各話の統一性や作品のルールをそこまでして守るのッ Σ(゚д゚lll)といった感じで、今回の再読では戦慄すら感じたわよ

2018-05-18 01:36:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

統一されたフォーマットの中でどんだけバライティ感を出せるのか? その試行錯誤がバチっと決まってるのにホレボレする。 おそらく『凶笑面』収録短編の中にで一等評価が高いのは第三話の「不帰屋」だろうしこれまでのマイベストだったが、第五話「邪宗仏」のシリアスなのにバカミス仕様もお気に入りだ

2018-05-18 01:37:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

作品に投下されているアイディアの量は半端ないのに、それらの暴走を許さずストイックにまとめている。 民俗学的な謎と現実的な殺人事件とを繋ぐパートでの趣向は多彩だ。前者の閃きを色濃く見せる短編もあれば、後者の切れ味でブン殴ってくる短編もある。もちろん両者がバランスよく調和された短編も

2018-05-18 01:37:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そんなわけで『凶笑面』の評価は◎なのであります ( ´ ▽ ` )ノ 17年前はちょっと怖いナァと思っていた蓮丈サンなのに、、、なに! ナニ? ワイのメッチャ好みやん! 那智、かわいいよ、那智♫ ふふふ、キャラにも萌えたよ。那智 & 内藤コンビ、◎

2018-05-18 01:39:02
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『凶笑面』が無事に、そしてメッチャ楽しく読めたので、未読のまま置いていた『うさぎ幻化行』や『天鬼越』、『暁英 贋説・鹿鳴館』『ちあき電脳探偵社』に手をつけることが出来るのでは? 再読したい北森鴻も何点かあるし、語らなければならない北森鴻は何点もあるんよね。

2018-05-18 01:39:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さぁ、ミステリを読もう! いまよんでいるのが、長くて、長くて、しかもそんなに面白くなくてツラいのだ、ツラいのだよ…… (´Д` )

2018-05-22 00:43:45
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