鶯谷花氏×かぐや姫の物語

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鷲谷花 @HWAshitani

映画研究者。著書『姫とホモソーシャル:半信半疑のフェミニズム映画批評』(青土社)。 翻訳『ワンダーウーマンの秘密の歴史』(ジル・ルポール著、青土社)。Amazonアソシエイト(アフィリエイト)プログラムに参加中ですが、Amazonに適正な税金・賃金支払いを求める大衆行動が起こった際には利用を一時停止します。

鷲谷花 @HWAshitani

高畑勲監督作品のヒロインの「ハッピーエンド」とは、「男の子と手をつないで同じ方向を見て進む」ほぼ一択かもしれないけれど、『太陽の王子ホルスの大冒険』のヒルダの時点からすでに、それでハッピーエバーアフターになれそうにはとても見えない鬱屈が彼女たちにはある、という齟齬は感じる

2018-05-19 07:29:47
鷲谷花 @HWAshitani

『ホルス』で、婚礼衣装の支度に集まっている女の人たちに仲間入りを促され、「素敵でしょ、羨ましいでしょ」と言われて、「こんなの火をつけたらすぐ燃えちゃうわ。ただの灰よ」と返すヒルダのクールさは、お話の上では「治癒さるべき悪の心」とされてはいるけれど、治癒できるもんかな、と思ってた

2018-05-19 07:42:20
鷲谷花 @HWAshitani

高畑勲監督作品のヒロインにとっての「ハッピーエンド」が、「男の子と手をつないで同じ方向を見て進む」ほぼ一択だから、映画版『おもひでぽろぽろ』の「お前とは手つないでやらないぞ!」は死刑宣告同然で、「それはタエ子さんが好きだったからだよ」は神の一言となって縋りついちゃうんだな、とも

2018-05-19 08:03:57
鷲谷花 @HWAshitani

『かぐや姫の物語』の捨丸との空中デエトは、「女性に抑圧的な社会」とは、結局「男の子と手をつないで同じ方向を見て進むことを阻む社会」ってこと? となっちゃう齟齬を動画力で押し通してる、と見えてしまい、そっちより相模殿を見とき、人妻に収まらずに自活してるよ、と思っちまう、ごめんね

2018-05-19 08:22:28
鷲谷花 @HWAshitani

『かぐや姫の物語』に対する、(え~、あ~、はいはい)感は、「主人公の眼中に《女性》はない」ゆえでもあるかも。かぐや姫は翁の期待に応えられないことに甚だしく懊悩するけれど、彼女と一緒に作ったはずの庭を眼前で「偽物!偽物!」と踏みにじっておいて、媼の心を省みる様子はないし

2018-05-19 08:57:44
鷲谷花 @HWAshitani

翁の期待に応えられないことに苦悩する一方、相模殿の失望も媼の悲しみ(← 「媼の心」は基本的にちゃんとフレームに入らないので実際のところはよくわからない)もスルー、男たちの蔑ろにされた妻たちはスルー、石上中納言の死を知って初めて「皆を傷つけてしまった」と悩む、という語り口なんでなあ

2018-05-19 09:15:06
鷲谷花 @HWAshitani

『かぐや姫の物語』は、「外観美ゆえに男に構われすぎて消耗するヒロイン」描写に精進する一方、「彼女ほどの外観美を欠くがゆえに男に蔑ろにされる女たち」の描写の方には、一緒になって蔑ろにしてね? という感じもあってさ。蔑ろにされた女が怒れば「滑稽」、怒らなければ沿岸の小駅のごとく黙殺

2018-05-19 15:32:00
鷲谷花 @HWAshitani

「汚れを知らぬ美しい乙女が、俗っぽい男共に苦しめられる」のは悲痛でも、「純潔でも美しくもないおなごが蔑ろに扱われる」だと、それは別に気にならない、という、神経の分布のムラが甚だしくみえる人物描写に、『赤毛のアン』の頃はマリラを重みと厚みある人物として動かせてたのに、とは思う

2018-05-19 15:44:39
脱税レイヤー風呂屋さん @557dg4

かぐや姫の物語のかぐや姫、一人の人間として尊重されず、男から理想を押付けられるのを嘆いてるけど、姫も姫で「自分が醜女でも愛せる?」と試し行動したり、よく考えずに難題出して死人出したりと周囲の男を人間扱いしてないんだよね 基本的にアノ映画に出てくる方々、天人含めてみんな同類だと思う

2018-05-19 00:43:04
脱税レイヤー風呂屋さん @557dg4

かぐや姫の物語に関するnoteを書きました。 かぐや姫が何故幸せになれないのか?かぐや姫は一体ナニに苦しんでいたのか?について考察しています。 「かぐや姫の物語」における、女の本当の生き辛さ|脱税レイヤー風呂屋さん @557dg4|note(ノート) note.mu/557dg4/n/n6886…

2018-05-19 18:11:51