【尿の描写があります】咲夜の海（咲マリ前提・めーさく）

ハチ山 @hachisu_bread

寝る前に海の環境音とかをイヤホンで聴きながら寝ると、寄せては返し砂を洗う波音でぐっすり寝られるぜ－。研究で疲れたときオススメ、って魔理沙に言われるけど、「私がそれをやったら大変なことになるのでは……」って心配しちゃう咲夜さんという形の現パロ

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だいぶ前のこと、色んな心因性のものが重なって、夜尿の悩みからずっと抜け出せなくなっていた時期が咲夜さんにはあって、今は抜け出せて大丈夫になったけど、水の音を聴きながら眠るのは怖いっていう大学生くらいの咲夜さん

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最初めーさくで考えようと思ったんだけど、美鈴は夜尿症に悩まされていた時期の咲夜さんのことも当然知っていそうだったから、その頃の咲夜さんのこと知らない人がベターハーフのほうがいいなって思って、咲マリが大学生で付き合ってるってどうかなって思いました

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魔理沙は水場とか、水が好き。だから雨とか海とか川とか、水系統の環境音聴くのも大好き。中でも海が好きで、大学でも研究テーマにすることがままある感じ。幻想郷に海がないから、その反動みたいな形で海に対して惹かれるところがある、みたいな、不思議な繋がりがあると楽しい

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そんな風に、海をライフワーク、フィールドワークにしてる魔理沙だから、その魔理沙が好きな海を避けてしまうと、魔理沙の好きなものを受け入れられない自分がいるみたいで、咲夜さんはなんだか寂しいし、嫌だしで

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それに咲夜さん自身も海が怖いわけじゃないし。そのときに起こるかもしれない最悪の事態が怖いっていう。

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海に行って遊ぶのは平気（な、はず）だけど、水や水音を極端に避けてたあの頃を思い出すと、ゆり戻しで恐怖感がぶり返してしまいそうだし、そんな風に今悶々と恐れて警戒してしまっている自分がいるのが、既にまずいんじゃないかって思ってしまったりして

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私は魔理沙と海に行きたい？ 行きたくない？ って、魔理沙の寝顔をベッドの中、隣で眺めながら、夏の予定を立て始める魔理沙の話を反芻して悩んじゃう咲夜さん。

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この夏は海に行こうぜ。 潮騒の聞こえるホテルに宿泊して、波の音を聴きながらぐーっと手足伸ばして寝るんだ。私の夢。 絶対気持ちいいよな。

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なんかそんな提案されたんだよなんてこった

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そうそこで美鈴さんが出てきてもいいんじゃないかなって思ったの。魔理沙が海に行く予定立ててることとか、波の音聴きながら寝るのが夢みたいなこと言ってるの知ってて、旅行に行くっていうのも耳に入ってるから、夜尿症の時期を知ってる美鈴はちょっと予感がして、咲夜さんを心配してる、みたいな

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で、美鈴はアパートでひとり暮らししてるから、そのアパートに咲夜さんが遊びにきたときに、さりげなく訊いたり。 魔理沙さんと海に行くんですってね。咲夜さん、もう海は大丈夫ですか、って。

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優しいけど美鈴は割と直球で訊くイメージ

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咲夜さんも美鈴にサックリ訊かれると弱くなっちゃって、そこまで大きく悩んでいたわけではない筈だったのに、医者に診せた途端、急に痛み出す傷みたいに胸の中がシクリシクリと痛んできて、思わず美鈴の胸に寄りかかったりたり

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で、いつも落ち着いてて、何事にも動じない咲夜さんが、悪夢に魘される小さな子供みたいに震えて怯えて、小さく小さくなって美鈴の腕の中に縋るように収まってるのを美鈴はぎゅっと抱きしめ返しながら、

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「ああ、この人の中には、あのときに離れて留まってしまった子どもの部分があって、その子はまだ暗い海の底にひとりでいるのかもしれない」って思っちゃったりで

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美鈴「そうやって心配してしまうと、もっとずうっと不安になってしまいますよ。大丈夫、もうずっと前の話じゃないですか。今はもう、前のようなことは無くなったでしょう？」 咲夜「うん……あの頃から、もう今はずっとない」 心なしか口調も幼さが戻っている咲夜さん。

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美鈴「なら、考え過ぎなくても大丈夫ですよ。咲夜さんは色んなものと闘って、ずっとずっと強くなりました。美鈴は知ってますよ」 美鈴は、と美鈴が自分のことを呼ぶときは、幼い咲夜に語りかけるときのそれなんだよたぶん。無意識にそうなっちゃってるのか、今の咲夜さんに対してだからなのか

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優しく言って引き寄せながら、咲夜さんの頭に鼻先を寄せる美鈴。ふわふわの温かい髪の毛が鼻を優しくくすぐる。 美鈴「大丈夫。今だって、魔理沙の好きなものと向き合っていきたいから、旅行に行くって決めたんでしょう？」

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咲夜「…………うん」 美鈴「大丈夫ですよ。……昔の咲夜さんなら、全部怖くなってしまって、混乱して、どうにもならなくなってしまったかもしれない。投げ出して、逃げ出してしまったかもしれない。……でも」

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でも、と続けながら咲夜さんの頭を撫でる美鈴。 美鈴「でも、今は違うでしょう？」 微笑みながら、ゆっくりゆっくり咲夜さんの頭を撫でる美鈴。 美鈴「今の咲夜さんの悩みは、すごく前向きです。前進したいから悩んでる。魔理沙と、前に行きたいからこその悩みです」

ハチ山 @hachisu_bread

その不安は、似てるようで違います、と続ける美鈴。 美鈴「あなたは強くなった。前よりも、ずっと強くなりました」

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咲夜「…………そうかな……」 小さく呟いて、美鈴の胸に顔を押し当てる咲夜さん。 美鈴「もちろん。あなたは紅魔館の誇りですよ。色んな事をちゃあんと乗り越えてきました。一歩ずつ少しずつ、だけどしっかりと確実に。あなたはそうやって歩いてきた」

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美鈴「だからその先も、きっと魔理沙と歩けます」 しっかりとそう言い切って、普段あまり自分の思いを口に出して喋らない人なのに、そこまで口にして言葉を紡ぎ終える美鈴。

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咲夜「……めいりん、」 しばらく沈黙が降りてから、小さく名前を呼んだ咲夜さんの小さな頭がもぞりと美鈴の胸の中で動く。 美鈴「はい、」 と返事をする美鈴。 咲夜「……何だか、壮大な話になっているけど。……所詮は“おねしょ”の話よ？」