レーガン大統領暗殺未遂事件において、大統領とともに被弾した報道官がいた。この映像では、路上に落ちているアタッシェケース(SPがUZIを隠し持つための道具)と、壁際にて昂ぶっているSPばかりが目立つのだが、中央で二人の政府職員が介抱しているぷりケツの男性がブレイディ報道官である。 pic.twitter.com/XpuqsJQqsZ
2018-04-21 21:39:03誰がぷりケツじゃボケ、生死の境をさまよっとるんじゃ…と言わんばかりの写真である。 pic.twitter.com/0kW8MME7Ua
2018-04-21 21:39:38余談だが、このジェームズ・ブレイディ広報官が呼びかけて、超党派議員による銃規制を目指した運動が「ブレイディ・キャンペーン」である。史実では、1993年に制定、翌1994年に施行された「ブレイディ法案」が有名だろう。
2018-04-21 21:44:50ブレイディ法案は民主党政権下で施行され、骨子は ・拳銃の販売時、5日間の期間を設けて購入者の背景を調査する ・犯罪歴、通院歴など一定項目を審査した上で販売することを命じる というものである。だが、審査責任者は行政側ではなく銃器の販売業者であり、関係官庁では情報共有も行われなかった。
2018-04-21 21:50:20いわゆる「ザル法」ではあったのだが、一定の効果はあった。時限立法のため、五年間効力を延長されたのち息子ブッシュ政権下で廃止されている。もっとも、付随法案として成立した「犯罪防止法(anti crime law)」ではより強力な銃規制を行っており、こちらは全米ライフル協会を大いに刺激している。
2018-04-21 21:54:06犯罪防止法の骨子は ・殺傷力の高い銃器(半自動小銃など)や多弾倉の製造、販売を禁止 ・2000年までに警察官を10万人増員すること ・重犯罪には三振アウト制(3回で終身刑)を採用すること ・死刑適用の範囲を拡大すること など、なかなか過激な内容でおもしろい。
2018-04-21 21:56:49ところで、gun crime statistics などの文言で検索をかけると、なかなか香ばしいグラフが山のように出てくる。先進国ではアメリカが最も銃犯罪の盛んな地域であると言わんばかりのデータが居並ぶのだが、統計には裏の顔がある。 pic.twitter.com/yf1kxUT8GL
2018-04-21 22:01:40おじさんは猜疑心の強い性格なので、国際比較統計データを調べてみた。なぜか「先進国では」という前置きが目立つこうした統計データだけど、それもそのはずで、全世界における殺人発生率のうち、米国は人口10万人あたり4.88件、国別では第86位である。 pic.twitter.com/qTvyTZ9wcu
2018-04-21 22:05:33ちなみに、同データにおける銃器殺人比率は第21位である。先進国で米国に次ぐハッピー・トリガー大国はスイス、イタリア、オランダ、デンマークなど、なかなか幸せそうな国で闇がふかいのだ。
2018-04-21 22:07:12ところで、アメリカ国民における銃器所持の根拠法(条文)は、やはり権利章典である。合衆国憲法の修正第二条にはこう書かれてある。 A well-regulated militia being necessary to the security of a free state, the right of the people to keep and bear arms shall not be infringed.
2018-04-21 22:10:54まことに余談なのだが、銃規制を巡る憲法解釈がなかなかに面白い。たとえば、リベラルに分類される民主党支持者は「銃規制のためには憲法解釈を弾力化(ねじ曲げること)してでも銃器所持を禁止すべきだ」と考えている。リベラルが「憲法に抵触する下位法を認めよ」と訴えていることはとても興味深い。
2018-04-21 22:17:59他方で、保守派に分類される共和党支持者は「憲法で保障された武装権や銃器の保有はこれを認めた上で、銃器を犯罪者の手に渡さないための諸制度立案で対処すべきである」という、割と地に足のついた提案をしている。いずれも、憲法で保障された「生存権」を巡るスタンスの違いなのだ。
2018-04-21 22:21:52この点、わたくしは法の秩序と安定性を重視しているので、憲法解釈の弾力化という、いかにも情緒的には正しそうで、論理的に誤っている提案に疑問なしとしない。もっとも、我々は太閤殿下の「刀狩り」によって泰平を安堵された国民性の持ち主である。高みの見物とゆこうではないか。 pic.twitter.com/MHI06cZKTl
2018-04-21 22:26:10今回は「女神の見えざる手」に見るアメリカ政治だったかな。ちょっと逸脱して余計なことをしゃべり過ぎたわ。話を政治の路線に戻してみる。
2018-04-21 22:39:16合衆国におけるロビー活動やロビイストの浸透には、立法過程の複雑さと議員の裁量が背景にある。端的に言ってしまうと、合衆国では法の起草から採択までの過程をもっぱら議員とその専属スタッフが行い、一般に請願者における「利益」が複雑多岐にわたることで、議員と請願者側の調整が不可欠なのだ。
2018-04-21 22:58:59もちろん、米国内でもロビー活動における論点は少なくない。これを容認するか否かの基準は「政策策定プロセスにおいて、利益団体が一般国民に与える影響や損害を衡量する」過程による。また、特権を有する層が民主プロセスに関与することで民主主義を「腐敗させる」という批判的見解も夥しい。
2018-04-21 23:10:23閑話休題。かつてアメリカには「Billy Beer」という零細メーカーが存在した。創立者の名前はビリー・カーター、ピーナッツ農家の息子である。 pic.twitter.com/WuKQrmbNtv
2018-04-21 23:12:26どう見てもキャイ~ンの天野くんなのだが、蓄財に長けた天野くんとは異なり、彼は破産したのちに税金を滞納して、生まれ育った生家を差押えられている。
2018-04-21 23:13:48そんな天野くんの名言を紹介しておこう。 「ビールはカクテルパーティーにうってつけの飲み物とは言えないね。 とくに、トイレがどこにあるかもわからないお家では、なおさらさ。」 pic.twitter.com/XFPlLdTrjn
2018-04-21 23:15:26ところでこの天野くんには素敵なお友達がいた。リビアのカダフィ大佐である。 pic.twitter.com/zzYPV6zXHd
2018-04-21 23:16:11そして、ビリーには立派な兄弟がいた。ジミー・カーター第39代合衆国大統領である。 pic.twitter.com/yBJoaKWJ0B
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