日本でバフェットが生まれないたったひとつの理由 ～戦後金融史入門～

うえだしたお @YT1093

日本が円高不況に苦しむなか、米国は劇的な景気回復を達成します。それまでは金融引締策によって円安ドル高基調を続けていたアメリカも受給バランスを回復させ、時の大統領ロナルド・レーガンは大胆な金融緩和へと方針を転換します。これにより円高ドル安が既定路線化され、日本は苦境に陥りました。

うえだしたお @YT1093

ある日、北川景子の旦那（DAIGO）のおじいちゃんがアメリカのとあるホテルに呼び出されます。西側諸国はすでに協調してドル安路線を決めており、おじいちゃん＝竹下登大蔵大臣は、ただその決定を知らされただけでした。男は黙ってプラザ合意、なんとも後味のわるい死刑宣告を受けたわけです。

うえだしたお @YT1093

で、なんでプラザ合意がドナルド・トランプと関係あんのという話になります。このプラザホテルを1988年に買い取ったのがドナルド・トランプなんですね。もっとも、7年後には売却したのでこじつけてみただけです。

うえだしたお @YT1093

プラザ合意で円高不況ふたたび、となるはずがそうはなりませんでした。中曽根康弘総理率いる中曽根政権（1982～1987）は内需を掘り起こすことで、苦境を脱することに（かろうじて）成功します。ところがそれは諸刃の刃でもあって、彼の金利政策はのちのバブル経済を招く遠因となりました。

うえだしたお @YT1093

プラザ合意ののち、ドル円レートは1ドル＝260円からわずか3年で1ドル＝120円まで上昇します。先に述べた中曽根内閣の金利政策とは超低金利によるカネ余り政策（低金利によって企業の借り入れ＝資金調達を促し、設備投資や対外投資を増やす→株高→地価上昇）でした。金融バブルの発生です。

うえだしたお @YT1093

ところで、このバブル経済のあたりは現在の日本経済にもよく似ていますよね。日銀当座預金を「マネタリーベース」、民間預金を「マネーストック」と呼ぶのですが、アベノミクスにおける異次元緩和はもっぱら前者に偏っており、マネーストックの向上＝いわゆる信用創造にはなお時間がかかりそうですね。

うえだしたお @YT1093

さて、日本でバフェットが生まれない理由について話を戻そう。 pic.twitter.com/jwuhKuiwvN

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うえだしたお @YT1093

すでにお判りのように、日本の景気にはアメリカの意向が大きく関わっている。日本が好景気を迎えると、なぜかアメリカ発の為替変動が起きて日本経済が悪化する。どうにか知恵を絞ってふたたび日本が景気を回復させると、ふしぎなことにまたアメリカ発の為替変動が起きるわけ。なぜだろう、なぜかしら。

うえだしたお @YT1093

せっかくなので、このあと日本に起こることを少しだけ先取りしておこう。

うえだしたお @YT1093

まず、超低金利政策による不動産バブル（肥大化する有利子負債と、金融機関による不動産投資信託＝J-REITの買い支え）は遅かれ早かれ崩壊します。推測では2018～2023年までの5年間が山場だと思う。 pic.twitter.com/KHuksTWmmE

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うえだしたお @YT1093

前後して、機関投資家による金融セクタの釣り上げが行われます。イタチの最後っ屁というやつで、個人投資家による提灯もついて高騰したのちに暴落します。アメリカの金利政策見直しがトリガーとなるわけ。 pic.twitter.com/0nHC7fpleg

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うえだしたお @YT1093

ぼくが言えるのはそこまで、その先はお察しですね。リーマン・ショック当時は中国が吸収してくれたから10年でなんとか見た目はごまかせる程度まで景気回復できたけど、次はどうすんのと。知ったことじゃないんだけどね。

うえだしたお @YT1093

バフェットは言うまでもなく、世界でもっともすぐれた投資家のひとりですね。そして、おなじくらい世界でもっとも幸運な国に、最高のタイミングで生まれた投資家でもあるわけです。おわかりでしょうか。日本に生まれたらバフェットは決してバフェットになれなかったのです。

うえだしたお @YT1093

というわけで為替変動の歴史ツイートはおしまい。退屈な話は終わりです。