1988年5月25日（水）の旅日記（60日目）

桃岩荘人 @namihei1224

0545、山東半島のさきっぽ辺りで、黄海の朝日を見る。日の出は0530だったらしい。東まで来ると、こんなに早いんだな。海上ぽっかりと浮かぶ朝日。すでに海から離れているが、まだ生まれたて。太陽に向かって「おめでとう！」と言う。日出づる国を実感。かなり高く昇るまで見る。 pic.twitter.com/P8jOkYAP6N

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部屋に帰って眠い目をこすりつつ、地図を見る。俺のいる位置と、東京との間には、朝鮮半島があるんだな。憎たらしく感じる。0730朝食。つるつるうどん0.5元。船内の食堂は長江下りのより使いにくい。トイレもシャワーも。シャワーは浴びれず、設備はあまりよくない。

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天津製チョコ0.47元。けっこう美味いが、ほとんど砂糖の固まりにかわりない。硬いだけいいか。黄海は夜揺れを感じて酔いかけたけど、今は朝鮮半島のおかげか、あまり揺れない。相部屋のオヤジたちは俺の考える典型的戦争経験的中国人。頑固かつ堂々としている。へつらわない。

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色々うるさく、意見も合わないけど、こういう面々にはなんか好感を持ってしまう。ほらまた近づいてきた。船旅が好きだ。限られた空間で自由な移動。コミュニケーションにもってこい。揺れさえなければね。霧が出てきた。海の色が暗い。

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1120飯行く。並んでチケット買って。4.5元。魚と飯。魚はあんまりうまくない。でも飯はうまい！赤飯が混じってる？！今日はひたすらたまった日記を書く。1510一段落。1600到着予定だから、そろそろ陸地が見えてくるか？

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1530陸地見ゆ。支度。アブねえ、お尻のポケットにパスポート入れたままだった！そうだ中国人にウニコの写真を見せてたから。海上の霧は晴れたが、曇っている。かなり寒い。後部甲板にいたら、双眼鏡を覗かせてくれと、亀がペットの船員から話しかけられる。 pic.twitter.com/F46aTuhP5x

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双眼鏡のお陰で話しかけられることが多い。でも残念ながら今レンズが外れちゃっているので、貸せない。やっぱ日本の安物だね！船員室に招かれ、少し話す。入港風景見たかったので乗り気しなかったけど。横浜や神戸にも行ったことがあるそうだ。英語できる商船大学？の大学生。きっと実地研修なのだろう

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姪にもらったという小さな亀を片手に1年だって！結局話はCMのことになり、辞す。大連入港。函館の香りがする。そうここは東北。旧満州。いわゆる支那本土ではない。そう考えると、この航路にアナロジーが働く。青島：青森、北海艦隊：北海道。大連港の右手に見える島：函館山。 pic.twitter.com/RDA2xNj7cb

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何となく懐かしく感じる。東北に郷愁を感じる年配の日本人に劣らぬ感傷が俺にはある。この船は天津製のようだ。1時間遅れで1700下船。ダーリエンだあ！ やっぱこの瞬間、新しい街に着いた時の感触が何ともいえず最高。 pic.twitter.com/O548jK5hRN

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気分もよく、ザックを背に歩いて港（客運駅）へ。もう閉まっていた。（このとき、気付くべきだったのだ、码头がなくなっていることを）明朝出直そう。さらに歩く。やはり人に聞いてみて码头がなくなったことを知る。1987年12月より取り壊しているそうだ。 pic.twitter.com/EXMIgnMNn2

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twitter.com/namihei1224/st… 華北、東北へくると、俄然日本語できる人に会う機会が増えてきた。 25日、大連港にて。 pic.twitter.com/X8c9KwrTut

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ここ大連は北京より東なので、朝ゆっくり🐌💨💨していられるのが嬉しい。0930港へ船🚢の切符🎫を買いに行く。天津行きの便、28日が29日に変更になっていて、27日の朝から売り出すとのこと。なんてこった！隣の旅行社でも同じ。4等はなく、3等が40RMB と。 pic.twitter.com/O6ChhOhLS7

2017-05-26 08:53:24

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おおこれは！日本製の市電だ！早稲田以外では広島、長崎で乗ったことがあるが、広島の古い型に似ている。街は確かに欧風建築、ロシア風なのかはよくわからん。でも青島の建物とは明らかに違う。 pic.twitter.com/gFo9PqpU2s

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外壁にサッポロビールとか白鶴という字がかき消されている。ついに日本統治時代の痕跡を発見。大麻花0.6元食べる。でかくて結構美味い。かなり歩いて郵便局へ。2100頃国際電話を掛けたい旨伝えると、OKとのこと。 pic.twitter.com/fgTHAUyLfw

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市電（有軌電車）で駅へ戻る。0.07元。市電車内は裸電球がぶら下がり、窓枠は木製、懐古趣味にはぴったり。40年以上も前から変わらず走っているのだから。車内に日本語探すがさすがに無し。中も外も全部塗り替えたようだ。 pic.twitter.com/IDfNWRvmGW

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駅前にて芬达、ファンタ飲む。瓶が蛇腹のやつ。0.5元もするけど確かにうまい。ここから大連、魔の宿探し。まず渤海→満、東方→満、大連飯店→満、好友旅社→外国人ダメ、友好→満、農貿→外国人ダメ、造船→満、華联に電話→満、南山に電話→満、がーん。残るは大連賓館しかないじゃないかあ！ pic.twitter.com/4JVhWLNXgA

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ところで大連のホテルの服務員なぜこんな美人で若いのばかりなんだろ。鄭州なんかオババだらけだったのに。結局親切に他2箇所に電話までしてくれた、造船賓館の王さん（男性服務員）の部屋にタダで泊めてもらうことになった。やれやれ。

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これで今夜はベッドで寝られる。野宿も覚悟してた。ここまで下船から2時間、ザック担いでひたすら歩いた。浦高応援歌３つとも歌いつつ。1930飯へ。この宿の周り、住宅と工場街なのか、飯食うところがない！それとも夜が早いのかな？ pic.twitter.com/XrEFp6oef9

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郵便局前まで歩いてやっと一軒開いているのを見つけ入る。中朝飯店という朝鮮族の店。厚遇してくれた。わかめ、アサリ入りの麺食う。美味い。2.3元。

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食後、対面の郵便局へ2030。先に50RMB前払いして、2047頃つながる。バースデーコール。あっという間に21分。ちょっと不満の残るやりとり。138.1元。FECを要求してくる。ケンカになり、大声で騒ぐ。結局、偶然居合わせた日文大学生の通訳で責任者と話し、RMBで許される。 pic.twitter.com/NqQaiSf1NY

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昆明じゃOKだったんだし、先に何も言わず、50元のRMBを受け取った、そっちの手落ちじゃないか（怒）鼻息荒くRMB払う。しかし通訳してくれた大学生に「さっきのあなたの態度（騒いだことと、帰ろうとしたこと）は不好」と言われた時、すごく恥ずかしくなった。

桃岩荘人 @namihei1224

日本語の罵声、全部彼には理解できたんだろうし。最後に近日中に貼り紙で外人はFECで支払いが求められると明示すべきことを要求して去る。最後まで向こうの態度は友好的だった気がする。後味悪し。

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2210宿着。ツイン、TV、バストイレ付き。日本語5ヵ月学習経験があり、けっこうしゃべれる王忠輝さん31歳とビール飲んで話す。王さんは「明白？」が口癖。俺のこと、兄弟！と呼んでくれる。

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大連でお世話になった、王さん。 twitter.com/namihei1224/st… pic.twitter.com/iHWwEUkx1v

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2300寝る。大連、つい青島と比べてしまうが、劣りはしないと思う。ここも人がすごくいいし、電話の一件は俺の態度と向こうの一部の服務員が悪かったのみだと結論し、目をつぶる。あと何ヶ月も話せないのに、あんな電話の内容で、落ち込む。