編集部イチオシ
2018年5月27日

5分で読めるケネディ家の歴史

どんとこい
98
うえだしたお @YT1093

暇なのでケネディ家の話をしようか。投資家にとってなじみの深いエピソードもいくつか交えておく。

2017-10-28 17:50:15
うえだしたお @YT1093

ケネディ家の栄光はJFKの祖父、パトリックがもたらした。彼はアイルランド系移民の子で、父親はジャガイモ飢饉とクラレンドン法典(カトリック迫害法)をきらって新天地、アメリカへと移り住んだのだが、程なくして疫病で亡くなっている。次男のパトリックは14歳の港湾労働者として家計を支えた。 pic.twitter.com/xEpOPvSv31

2017-10-28 17:52:32
拡大
うえだしたお @YT1093

パトリック・J・ケネディは港湾労働者として蓄えたわずかな金を元手に、港のそばに酒場を開く。マフィアとの蜜月が始まったのもこの頃で、売春婦の斡旋や非合法な活動など、あらゆる悪事に手を染めながら、貧しい移民には温かい手を差し伸べている。彼の両義性は、波乱の生涯の裏返しでもあった。 pic.twitter.com/UuIMY6CVM4

2017-10-28 17:54:33
拡大
うえだしたお @YT1093

パトリック(JFKの祖父)は若くして富を得たのち、マサチューセッツ州選出の下院議員となる。選挙運動にマフィアを用いて得票につなげたのも彼一流の寝技で、この手法は孫のジョン・F・ケネディや、その弟のロバートにも受け継がれてゆく。彼がこの世を去るとき、大きな邸宅と中々の資産が残った。 pic.twitter.com/GHUvhKpI6S

2017-10-28 17:55:47
拡大
うえだしたお @YT1093

パトリックの息子、ジョセフ・P・ケネディ(以下、ジョセフ)は父親の資産を受け継いで、地元のエリートコースへ進んだ。ボストンスクールからハーバード大学へ進学したことも、或いは、イギリス系エリートであるWASPへの対抗心があったのだろう。 pic.twitter.com/RbGqdC4Nmg

2017-10-28 17:56:58
拡大
うえだしたお @YT1093

ジョセフは大学を卒業後、マサチューセッツ州の銀行監査官となり金融を学ぶ。銀行家ではなく役人として学んだ利点は、銀行業務や企業業務において「表には出せない事情がある」という、ありふれた醜聞についての嗅覚であった。 pic.twitter.com/47s8778HTQ

2017-10-28 18:02:01
拡大
うえだしたお @YT1093

彼が25歳のとき、人生に転機が訪れた。銀行監査官として密かに得ていた情報を用いたインサイダー取引によって、ジョセフは若くして巨万の富を築いている。そこに、父(パトリック)が株主をしていたコロンビア信託銀行への買収提案を嗅ぎつけ、先んじて株を買い占め、25歳で頭取に就任した。 pic.twitter.com/ajA0VM39Mt

2017-10-28 18:02:28
拡大
うえだしたお @YT1093

また、ジョセフは政治への野心を捨ててはいなかった。インサイダー取引で富を殖やしながらも元ボストン市長の長女と結婚、蔑まれていた移民の子から地元の名士へと雄飛する。やがて第一次世界大戦が勃発すると、兵役から逃れるために製鉄会社に入社、造船部門の役員としてひとりの海軍軍人に出会った。 pic.twitter.com/y91r6ZuxKJ

2017-10-28 18:03:25
拡大
うえだしたお @YT1093

その男の名はフランクリン・ルーズベルト、合衆国第32代大統領である。やがて訪れる第二次世界大戦を巡って、ジョセフとルーズベルト、彼らとその一族は、数奇な運命を辿ることになるのだが…そのあたりは検索するとよろしい。 (ケネディ家で最も将来を嘱望された長男=JFKの兄が戦死するのだ) pic.twitter.com/uQ0EPTGGgh

2017-10-28 18:08:07
拡大
うえだしたお @YT1093

その後のジョセフは映画会社を買収してさらに富を殖やしてゆく。禁酒法時代は密造酒で莫大な利益を生み、禁酒法が廃止されると輸入酒販売で荒稼ぎするなど天性のセンスとなりふり構わぬやり口で富を肥大させていった。 pic.twitter.com/xjjlppHyXS

2017-10-28 18:09:54
拡大
うえだしたお @YT1093

ところで、投資家であれば誰もが一度は耳にしたことのある逸話がある。空前の投機ブームに湧いていたNYで、ひとりの紳士が靴磨きの少年から株の話を耳に挟んだのだ。投機とは無縁の靴磨きの少年から投機話を聞いて、彼は「市場から買い手が消える日は近い」と察したという。 pic.twitter.com/m55HeahTrG

2017-10-28 18:12:53
拡大
うえだしたお @YT1093

この紳士こそ、ジョセフ・P・ケネディであった。もちろんエピソードは後世の創作なのだが、いまだに教養のない人はこの逸話を信じている。史実でも、彼は大恐慌の寸前に株を売り抜けて莫大な利益を手にしているのだが、1919年以降所属していた、証券会社からの情報漏洩によって救われたのだ。 pic.twitter.com/MSYwaT0QCP

2017-10-28 18:15:11
拡大
うえだしたお @YT1093

ジョセフの半生はマフィアによって支えられていた。富をもたらした禁酒法時代は、ことにフランク・コステロとの蜜月を通して政界への人脈形成を手伝った。この頃に知己となった人物には、後のFBI長官、エドガー・フーヴァーがいる。 pic.twitter.com/Pr4qU0ML39

2017-10-28 18:18:04
拡大
うえだしたお @YT1093

また、禁酒法の廃止が近づくと、今度はルーズベルトの息子と共同で輸入商社を設立、ヨーロッパからジンとスコッチを輸入、独占販売している。莫大な利益を不動産に投資して取得したのが、シカゴのマーチャンダイズマートである。こうして得た富は、盟友ルーズベルトの選挙資金として大いに用いられた。 pic.twitter.com/6iuaRPQdO6

2017-10-28 18:19:51
拡大
うえだしたお @YT1093

その後、アイルランド系としては初の英国大使に任命されたジョセフは、当時の英国首相チェンバレンと親交を深める。チェンバレンの宥和政策をいち早く支持した後もナチス・ドイツやヒトラーを擁護するなどの言動をくり返し、結果的にこれが彼を政界から斥けることになった。 pic.twitter.com/3zPihEVSLa

2017-10-28 18:29:41
拡大
うえだしたお @YT1093

ジョセフの栄華はそう長く続かなかった。最も将来を嘱望していた長男が海軍の作戦に従事中、航空機事故で戦死する。その歪んだ愛情はかつて「出来損ない」と面罵した次男のジョンに惜しみなく注がれ、彼の悲願はようやく結実した。JFKは1960年の大統領選に当選、第35代大統領に就任する。 pic.twitter.com/k4RTLqJi2J

2017-10-28 18:39:52
拡大
うえだしたお @YT1093

選挙期間中、ジョセフはマフィアを使嗾して票を取りまとめ、対立候補の醜聞をばら撒き、ありとあらゆる手を用いてジョンをオーバルルームへと送った。こうしてケネディ大統領誕生を見守った1961年の冬、脳梗塞から半身不随となり、ふたりの息子の暗殺を見届けたのち、失意のうちにこの世を去った。 pic.twitter.com/xPqLI4m8sB

2017-10-28 18:56:10
拡大
うえだしたお @YT1093

歴史の浅いアメリカには、華麗なる一族が存在しない。ロイヤル・ファミリーになりたかった移民の一族は、悲劇的な物語の主役として人々の記憶のなかに生き続けている。 pic.twitter.com/vNR5DcySt6

2017-10-28 18:58:18
拡大

コメント

Destroyer Rock @hondapoint 2018年5月27日
ケネディ家の娘さんの話は悲しいねぇ。 あと、飛行機事故で亡くなったケネディ家の息子の話が飛行機事故ドキュメンタリー「メーデー」に取り上げられたのも覚えています。
7
うえだしたお @YT1093 2018年5月27日
弟が起こした殺人の疑惑や、妹に施された精神外科手術の件はオミットしています。悲しい歴史をたたえた一族でもあったようです。
8
inu @inu1122 2018年5月27日
ジャクリーンも結構数奇な人生だったんだよなぁ
1
Shun Fukuzawa @yukichi 2018年5月27日
「日本のケネディ家」と称される政治一族はいくつかあるようですが、どこが一番近いのですかね。
0
うえだしたお @YT1093 2018年5月27日
日本のケネディ家…蘇我馬子、蘇我蝦夷、蘇我入鹿三代と、蘇我家の親戚で中大兄皇子側についた蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだのいしかわまろ)でしょうね。
0
Shun Fukuzawa @yukichi 2018年5月27日
YT1093 そんなこと言ったら、ケネディ家がアメリカの蘇我家じゃないですじゃw
1
どんちゃん @Donbe 2018年5月27日
こうやってみると、JFK及びその弟の暗殺はどう考えてもマフィアの仕業としか思えない。
1
うえだしたお @YT1093 2018年5月27日
JFKの暗殺は公式見解通り、オズワルドの単独犯行で整合性は取れています。もっとも、黒幕が誰なのかという各論に入るとき、深い歴史の闇にいざなわれてしまう…というわけですね。通貨発行権を巡る争いのなかで、ある意味では国際社会によって葬られたと見たほうがよいのでしょう。
1
うえだしたお @YT1093 2018年5月27日
そのうち、「30分でふり返る2016年アメリカ大統領選挙とコーク兄弟」でも投稿したら、そちらで再会しましょう。
5
BLACK @BlackBlack0013 2018年5月27日
なんで宇宙移民国家で「ザビ家」とか「ジオンの娘」とか「ラル家」とか、「血」の話が出てくるのか疑問だったけど、ここにちょっとヒントがあるよな気が。移民国家であるアメリカだから、「血/家」に余計にこだわるようになるのか。
0
想 詩拓@文芸サークル『文机』 @sou_sitaku 2018年5月28日
この間Wikipedia読んでいて、JFKの妹のローズマリーは、その乱暴な性格から、ロボトミー手術を受けさせられた的な話を知ってびっくりした。ジョセフも、ジョンも、ロバートも、見舞った記録がないというところから、ケネディ家の「出来損ない」に対する扱いの冷たさがわかる。
0
アルビレオ@炙りカルビ @albireo_B 2018年5月28日
BlackBlack0013 まとめにもあるようにアメリカはWASPが政治経済の中核を握っていて、ケネディ家はアイルランド系カトリックなので本来なら主流層ではありません。マイナー勢力だからこその結束の強さみたいなものもあるわけで、アイルランド系移民の面倒を見ることで富豪にのし上がったのがケネディ家、イタリア系移民のサポート組織として成長したのがマフィアみたいなとこはあります
1
シオシオ神殿 @WsaltTemple 2018年5月28日
ロボトミーの話か・・・ノーベル医学賞の黒歴史でもある
0