【分割版】抗うつ薬に関するまとめ

抗うつ薬に関する自分のツイートを抜粋しました。情報は基本的に文献から引用しています。ネットを参考にした場合にはその旨を記載してあります。
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よみ @yomiyomixxx

精神疾患の薬に関するまとめの分割版を作成しました。第一弾は抗うつ薬について。抗うつ薬の作用機序や副作用、具体例について紹介しております。ご興味のある方は是非ご参照下さい。 togetter.com/li/1232507 pic.twitter.com/Sra8TVTIZh

2018-05-31 11:14:06
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うつの治療のポイントうつの治療は早めに開始すると治療効果が非常に高い。 ・治療を始めても暫くは変化がない場合があるが、焦っても病状を悪化させるだけ。数週間は様子を見る。 ・自分の判断で服薬をやめると再発や再燃の恐れがあるため、治療は最後まで受ける。回復の近道は、休養と静養!!

2018-05-10 14:11:01
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「うつ状態」「うつ病」について。憂鬱な気分や興味・意欲の喪失の所為で生活に支障が出る状態、また関連した症状がかつてないほど重く、途切れることなく1日中持続し、2週間以上経っても改善が見られない状態のことをいう。症状としては、精神症状に限らず身体症状も現れる。

2018-05-05 08:00:54
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うつ病の精神症状 気分の異常(抑うつ気分)、思考の異常(集中力・判断力低下、絶望感・劣等感)、意欲の異常(活動量低下、感情表出の減少、精気の欠如)、睡眠障害(入眠障害、熟睡困難、早朝覚醒)、その他不安感や焦燥感。

2018-05-05 08:01:13
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うつ病の身体症状 消化器症状(食欲減退、味覚異常、便秘)、生殖器障害(性欲減退、ED、不感症、月経異常)、全般症状(易疲労感、脱力感、無力感、疼痛、心悸亢進(動悸))。

2018-05-05 08:01:38
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うつを引き起こしているのは、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの量の減少。ただし根本的な原因は未解明のため、抗うつ薬による薬物療法は、根治療法ではなく対症療法となる。なお、抗うつ薬により患者が「楽になった」と実感するには6~8週間はかかってしまう。

2018-05-05 08:02:04
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抗うつ薬自体は依存性物質ではなく、またセロトニンやノルアドレナリンにも依存性はない。そのため薬学的には依存はないと考えられる。しかし不用意に長期投与された結果、脳内の恒常性が変化し、抗うつ薬がないといられない状態に変化したり、薬がないと駄目という精神依存が形成される恐れはある。

2018-05-10 14:10:39
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抗うつ薬には「従来薬」「新世代薬」がある。前者は三環系四環系の抗うつ薬。後者は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

2018-05-05 08:02:37
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従来薬はうつの原因とは異なる神経伝達物質にも影響を及ぼし、それが副作用の発現にも繋がっている。そのため新世代薬では、その他の神経伝達物質に対する親和性を低くした「選択性」を持たせている。新世代薬はこれにより、副作用や毒性が大きく軽減されている点が特徴。

2018-05-05 08:02:58
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従来薬の例 三還系:イミドール、トフラニール、アナフラニール、アモキサン等 四環系:ルジオミール、テトラミド、テシプール等 新世代薬の例 SSRI:デプロメール、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ SNRI:トレドミン、サインバルタ NaSSA:レメロン、リフレックス

2018-05-05 08:03:29
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抗うつ薬は服薬を続けなければ効果が出ません。症状が治まった後も暫く飲み続けなければならない薬なんです。急に減量あるいは中止すると、中止後発現症状が出てしまいます。医師の指示に従いましょう。医師が信用できないなら、転院を推奨します。素人判断は非常に危険です。ご理解下さい。 #拡散希望

2018-05-29 08:16:51
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SSRIとSNRIの作用機序① 神経細胞の興奮により、神経終末(前シナプス)に貯蔵されていたノルアドレナリンやセロトニン等の神経伝達物質がシナプス間隙に放出される。その一部は、隣接する神経細胞の後シナプスにある受容体に結合する。

2018-05-06 19:43:50
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SSRIとSNRIの作用機序② 一方、前シナプスの神経終末に存在するトランスポーターから再び取り込まれ、再利用される神経伝達物質もある。抗うつ薬はこのトランスポーターに結合し、再取り込みを阻害することで、シナプス間隙の神経伝達物質の濃度を一時的に上昇させる。

2018-05-06 19:44:09
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NaSSAの作用機序① ノルアドレナリン神経細胞やセロトニン神経細胞では、α2受容体というものが、シナプス間隙に放出されるノルアドレナリンとセロトニンの量を制御し、ブレーキをかける役割を担う。そしてNaSSAは、このα2受容体に対して高い親和性を有する。

2018-05-06 19:44:34
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NaSSAの作用機序② NaSSAがノルアドレナリン神経細胞のα2受容体をブロックすると、α2受容体が担っていたブレーキが外れ、ノルアドレナリンの遊離量が増加する(作動性という薬理作用)。セロトニン神経細胞でも同様のことが起こる。

2018-05-06 19:44:52
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NaSSAの作用機序③ 増加した神経伝達物質が隣接する神経細胞の後シナプスにある受容体に結合することで、その神経細胞が活性化され、各々が神経伝達物質の放出を促進するという連鎖反応が起きる。

2018-05-06 19:45:11
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因みに、ノルアドレナリンやセロトニンが不足しているならば直接投与すれば簡単じゃないかとも思うかもしれませんが、脳には外的要因による直接のダメージから守るためのバリアが備わっているため、脳に直接投与することはできないのです。

2018-05-06 19:45:39
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三環系・四環系抗うつ薬の副作用① 口渇、低血圧(立ち眩み)、目眩、霞目、頻脈、便秘、排尿困難、眠気等。これらは三環系と四環系が持つ抗コリン作用によって発現する。個人差はあるが、服用者の多くに見られる症状。抗うつ効果の発現に数週間かかることもある一方で、副作用は服用後すぐに現れる。

2018-05-07 12:16:33
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三環系・四環系抗うつ薬の副作用② 三環系の多くは、心臓や脳の細胞の電解質バランスを変化させる。これが心機能に影響すると不整脈を、脳神経に影響するとてんかん発作様の痙攣をそれぞれ引き起こす。このように細胞毒性が高いため、処方の際には必ず注意喚起をする。

2018-05-07 12:17:10
よみ @yomiyomixxx

SSRIの副作用① 吐き気、食欲不振、口渇、便秘、下痢、眠気、目眩、頭痛等。三環系・四環系と比較して消化器症状が目立つ。これは腸管の運動を制御する神経もまた、セロトニン神経系であることに因る。体内全体のセロトニン量の90%以上は腸管にあり、SSRIが消化器に最初に作用するのも当然といえる。

2018-05-07 12:17:43
よみ @yomiyomixxx

SSRIの副作用② 服用を始めてからすぐに起きる消化器症状は、10日~2週間ほどで治まることが多い。消化管内では、SSRIにより増加したセロトニン量に見合った消化管運動が始まり、それが一定状態に達するのにかかるのが約2週間であるため、消化器症状もそのくらいで治まるのだと考えられる。

2018-05-07 12:18:08
よみ @yomiyomixxx

SNRIの副作用① SSRIと似ており、吐き気、食欲不振、口渇、便秘、下痢、目眩、動悸、振戦、眩しさ、頭痛、尿閉等がある。SSRIの飲み始めに見られる吐き気と比べると、程度は軽い。SSRIと大きく異なる点は、ノルアドレナリンの作用による動悸等が挙げられる。

2018-05-07 12:18:35
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SNRIの副作用② SNRIはSSRIよりも抗うつ効果の発現が早く、副作用が軽い点から有用性が高い。ただし、それぞれ相応しい適応があるため、単純にSNRIを使えばよいというわけでもない。実際、SNRIの適応ではない場合に服用すると、動悸や振戦等の副作用が著しく出現する。

2018-05-07 12:19:10
よみ @yomiyomixxx

NaSSAの副作用 SSRIやSNRIと共通して、副作用としては消化器症状が特徴である。特に便秘の出現率が高い。また動悸と目眩も見られる。その他、口渇、倦怠感、傾眠等があり、特に口渇は三環系と同程度の強さで現れることもある。また、傾眠の副作用を利用して睡眠異常の改善に用いられることもある。

2018-05-07 12:19:40
よみ @yomiyomixxx

SSRIとSNRIの使い分け① うつの症状で特徴的なのは「抑うつ気分」「意欲・気力減退」。これはそれぞれセロトニンとノルアドレナリンが担当している。そのため、前者の症状が前面に出ている場合はSSRIを、後者の場合はSNRIを選択する。

2018-05-08 18:22:05