【分割版】睡眠薬に関するまとめ
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精神疾患の薬に関するまとめ、分割版の第二弾は睡眠薬について。睡眠薬で主流となっているベンゾ系薬剤の安全な止め方についても載せています。 togetter.com/li/1232519 pic.twitter.com/UDm9vr7H0i
2018-05-31 11:47:27不眠の原因は様々だが「眠れない」という自覚自体がストレスとなり、緊張状態を誘発して更に眠りにくい状況に陥っているケースが多い。睡眠薬はこの緊張(神経の興奮)を抑え、リラックスさせることで自然の眠りを発現させるように薬理的にデザインされている。
2018-05-14 20:15:56睡眠薬は強制的に脳を眠らせるほどの力は持っていない。勿論過剰に服用すれば、強制的に脳の機能をダウンさせることができるが、これは睡眠ではなく、「気絶」と同じ状態。そのため睡眠薬の効果を実感できない場合でも、自己判断で増量を行ってはいけない。
2018-05-14 20:16:30ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、血中濃度半減期により「超短時間作用型(2~4時間)」「短時間作用型(6~10時間)」「中間作用型(20~30時間)」「長時間作用型(30時間以上)」に分類される(括弧内は血中濃度半減期を示す)。
2018-05-14 20:16:51主な睡眠薬の例は、血中濃度半減期別に以下の通り。 超短時間作用型 ハルシオン、アモバン、マイスリー 短時間作用型 レンドルミン、エバミール、リスミー 中間作用型 ベンザリン、サイレース・ロヒプノール、ユーロジン 長時間作用型 ダルメート、ドラール
2018-05-14 20:18:16日本の成人の平均睡眠時間は6.6時間、睡眠充足の目安は6~7時間。しかし眠りの質と時間は別の話で、質の高い眠りでは、短時間でも睡眠は充足する。睡眠充足の観点からすれば、「眠れない」「眠った気がしない」と感じていて「日中の覚醒に支障が出ている」状態が不眠の定義となる。 #不眠症
2018-05-20 15:03:06不眠治療の第一歩は、不眠の鑑別。①環境に起因するもの、②心理的ストレスに起因するもの、③精神疾患に起因するもの、④身体疾患に起因するもの、の4つに分類される。 #不眠症
2018-05-20 15:03:34①環境による不眠 温度、音、照度、睡眠のタイミング等が問題。交替勤務や時差ボケで生体リズムが乱れることも含まれる。あまりにも酷い昼夜逆転には、数日だけ超短時間作用型または短時間作用型を用いる。ただし、これらの型の睡眠薬は依存性が形成されやすいため、連用を避ける服薬指導が必要。
2018-05-20 15:04:21②心理的ストレスによる不眠 原因のストレスを特定して対処することが第一。これを排除できない場合は、睡眠薬だけでなく、症例に合わせて抗不安薬や抗うつ薬等も併用することがある。ストレスを和らげるために薬を乱用するケースがあるため、長時間作用型の睡眠薬や、抗うつ薬を用いることが多い。
2018-05-20 15:05:06③精神疾患による不眠 統合失調症、うつ病、アルコール依存症等の多くの精神疾患で不眠が見られる。長時間作用型を主役にすることが多いが、睡眠薬は投与せずに抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬等で睡眠を制御する場合もある。例えばうつ病で著しい不眠がある場合、少量の抗精神病薬を投与する。
2018-05-20 15:05:47④身体疾患による不眠 呼吸困難、疼痛、発熱等による不眠。身体疾患のために服用している薬が不眠を引き起こしている場合もある。降圧薬、β遮断薬、抗パーキンソン病薬、コレステロール合成阻害薬、抗結核薬、インターフェロン等。この場合は個別の対応となり、症状に合わせて薬を処方する。
2018-05-20 15:06:39不眠症例の多くは睡眠薬を用いて改善することが可能だが、原因によっては効果が見られないだけでなく、副作用等の問題ばかりが出現することもある。睡眠薬の服用における注意事項は、①持ち越し、②筋弛緩作用、③反跳性不眠、④アルコールとの相互作用、⑤子供への奇形障害が挙げられる。 #睡眠薬
2018-05-21 19:39:54①持ち越し 長時間作用型で多い。一度覚醒しても催眠作用が持続し、寝ぼけのような状態を呈する。短時間作用型でも、代謝能力が低下している高齢者には長時間作用してしまい、持ち越しが出現しやすい。高齢者でなくても持ち越しにより精神作業能力が低下する恐れがあるため、危険を伴う作業は避ける。
2018-05-21 19:40:31②筋弛緩作用 ベンゾ系睡眠薬が有する作用で、高齢者に強く現れる。転倒して骨折する危険性があるため注意。この作用が認められた場合には、非ベンゾ系睡眠薬に変更する等の対応が必要となる。転倒の危険を防ぐために、夜間の離床を少なくする工夫も重要。
2018-05-21 19:41:42③反跳性不眠 急に睡眠薬の服薬を中止すると、リバウンド現象として不眠を生じる場合がある。生体内のリズムや恒常性が急激に変化することで起こるため、血中濃度が急激に高まる超短時間作用型や短時間作用型の睡眠薬で起こりやすい。これを防ぐためには漸減法等でゆっくり薬を止める必要がある。
2018-05-21 19:42:12④アルコールとの相互作用 アルコールは睡眠を促進するという誤解から、睡眠薬の効果が不十分な時にアルコールを摂取する人がいる。しかし高用量の睡眠薬とアルコールを一緒に飲んだ場合、逆に不安・焦燥の症状が顕著に出現したり、攻撃的になる(奇異反応という)。また健忘症状が現れることもある。
2018-05-21 19:42:50アルコールに対して耐性を得ると、睡眠薬に対する耐性も得る。これを交差耐性という。しかしアルコール依存症の治療に不慣れな医者は、睡眠薬を飲む方がアルコールを飲むよりもまだマシだろうと考えて処方する場合もある。この場合、アルコールを断っても睡眠薬を手放せない処方薬依存に陥ってしまう。
2018-05-21 19:43:43⑤子供への奇形障害 昔、サリドマイドという睡眠薬を妊娠初期に服用すると、胎児に奇形障害が生じることが判明した(現在では使用禁止)。睡眠薬に限らず、ほとんどの薬剤はこの催奇性の問題を考慮し、妊婦及び妊娠の可能性のある女性に対しては投薬を避けるよう注意が促されている。
2018-05-21 19:44:17睡眠薬や抗不安薬はベンゾジアゼピン系薬剤が主流。よく長期服用後の依存形成や離脱症状が話題になる。最近では眼科症状も引き起こすことも判明した。眼瞼痙攣が著しく現れることがあるらしい。視床がこの薬剤で長期に渡って抑制され続けたために、刺激入力の興奮を抑えられず過敏に反応するんだとか。
2018-04-28 16:14:23お昼頃に、ベンゾ系薬剤の安全な止め方について流す予定です。まず、ベンゾ系薬剤とは何ぞや?という方がいらっしゃると思うので、該当するものを一覧にしました。この中に服用している薬がある方は、依存の危険があります。後程流すツイートを是非参考にしていただければ幸いです。 pic.twitter.com/mxXcrDzKaj
2018-05-22 09:52:48リプを頂くことが多かった、ベンゾ系薬剤の安全な止め方についてまとめます。依存や離脱症状を考慮していない医者が多いようです。少しでも参考にしていただいて、危機感を覚えたら転院なり何なりの措置をとることを推奨します。精神科に関しては、病院はガチャみたいなもんです。転院は珍しくない。
2018-05-22 12:09:28近年増加傾向にあるのは、内科や整形外科に慢性疾患のために通院中の患者の睡眠薬依存。短時間型睡眠薬が処方され、長期間連用し、増量や多剤併用へと移行、そして依存を形成するパターン。場合によってはアルコールの大量摂取にまで至り、薬物依存に加えてアルコール依存に発展するケースもある。
2018-05-22 12:10:25処方薬依存は、医者の注意怠慢が生んだ医原性疾患といえる。医者の指示に従った患者側に、責任は全くない。このような処方薬依存が医原性であることを知って、慎重に処方することが望ましい。
2018-05-22 12:10:55薬は反復して服用するうちに薬物代謝系が賦活され、薬理効果の持続作用が減少する。つまり、耐性ができる。そのため、効いていた時期と同じ薬効を得るためには、増量が必要となる。ベンゾ系の睡眠薬や抗不安薬は、この耐性がとても早く生じる薬である。
2018-05-22 12:11:46留意すべきは以下の点。 ①許容用量の最小限で処方を開始する。 ②効果判定は最低1週間服用後に行い、それまで安易に増量しない。 ③多剤併用は絶対に避ける。 ④改善が見られたら速やかに頓服に変更する。 ⑤3ヶ月以上服用しても改善が見られない場合は、専門医を受診する。
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